開幕が迫ってきている中で、各チームの主力級の投手の登板が増えてきています。練習試合やオープン戦序盤ではなんとか結果を出してきた選手も、力負けしている状況が増えてきました。練習試合やオープン戦序盤で圧倒的なパフォーマンスが出せていなかった状況で、現在の様な状態になることは、ある程度見えていたといえます。
巨人の若手野手や、もう1ランクの飛躍がほしい中堅選手の現状を見てみたいと思います。
スカパー!プロ野球セット実力不足が露呈してしまった若手野手
打率 | 試合 | 打席 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 三振 | 四死球 | |
秋広優人 | 0 | 6 | 8 | 7 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
中山礼都 | .167 | 6 | 12 | 12 | 2 | 0 | 0 | 3 | 0 |
岡田悠希 | .063 | 7 | 18 | 16 | 1 | 0 | 0 | 8 | 2 |
まだまだ時間がかかる秋広優人選手
オフの間に背番号が55になり、今年も注目度NO1となり、ある意味気の毒な選手です。2mの高身長の割には体重が100Kg前後で、まだまだ体が弱いようです。オフに中田翔選手とトレーニングを続け、食トレなども話題になっていましたが、スイングスピードが十分に上がっているようには見えません。まだバットを振る力が足りないようで、体で振りに行くため体が突っ込んでバットが出てきていないようです。速い球をセンターから右に打ち返すことができないので、当てるだけの打撃が目立ってしまいます。守備位置から打てないと使われないポジションなので、今年の1軍定着は難しいかもしれません。外野守備も守備固めに出てこられる状況ではないので、1軍にいても打席が与えられる機会にも恵まれないと思います。高卒2年目で代謝が良いのか、まだまだ必要な筋肉がつくまでは時間がかかるかもしれません。見間違えるような筋肉をつけることが、先決ではないかと思います。逆に考えれば、スイングスピードさえ上がれば、センスは折り紙付きのようなので、猛練習を期待します。
起用が難しい中山礼都選手
中山選手もまだ体ができあがっていないように見えます。秋広選手同様ストレートをセンターより右に打ち返すことが難しいようで、左に流すことが精一杯の打撃が目立ちます。秋広選手と違い体が突っ込まないので、なんとか強い打球が左方向に出ますが、まだまだ成長の余地が感じられる打撃です。中山選手の場合、守備も破綻のない状況になってきており、坂本勇人選手のバックアップが務められると思いますが、打席をもらえる状況になるかは不透明です。今年のジャイアンツの打線をみると、新外国人が爆発しなければ、大量リードで坂本選手を早めに交代させることは難しいでしょう。単なる守備要員では中山選手の成長が望めないと思います。
お試し期間の岡田悠希選手
1年目の外野手なので、オープン戦での起用が続いています。新外国人の合流が遅れたために、打席を余分に与えられているのではないかと思います。走攻守揃っていると言われていますが、揃っていればドラフト5位で指名できることは難しいはずで、打撃面は結果が出ません。走守は破綻のないレベルでオープン戦の起用が続いていますが、1軍に残れるかは新外国人次第だと思われます。
飛躍できない中堅選手
吉川尚輝選手と松原聖弥選手は球団から期待の高い中堅選手です。その顕れが一桁背番号にあらわれていますが、ともに打率は1割台で、今ところは期待外れと言わざるを得ません。坂本選手と岡本和真選手との間の年代で、ここからが一番力の出せる時期だと思いますが、非常に残念な状況です。
まだまだレギュラーが確約されていない立場で、オフの間にどういった課題が球団から与えられていたのかとても気になります。
オフの間は自主性を問われる期間ですが、考える力がない選手には、手取り足取り練習の方法や課題を与えなければ育たないと思いますが、どういった管理をしているのでしょうか。
捕手の打撃指導は足りているのか
打率 | 試合 | 打席 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 三振 | 四死球 | |
岸田行倫 | 0 | 4 | 9 | 8 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 |
山瀬慎之介 | 0 | 5 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
期待の岸田行倫捕手ですが、打撃で全く結果が出ません。3年目の山瀬慎之介捕手もあまり進歩がないようです。ヤクルトの内山壮馬捕手は山瀬捕手の星稜高校の1年後輩(ドラフト3位)ですが、攻守ともに抜かれてしまったようです。3軍制をとって選手は増えましたが、指導が行き届いているのか、計画的に強化が行われているのか見えてきません。十分な指導と管理が行き届かないようでは、3軍制は失敗に終わってしまうのではと心配になります。
考えられない選手たちの指導
坂本選手に自主トレを申し込んだ湯浅大選手と増田陸選手は、自らの練習メニューを考えてこなかった事で、叱咤されていました。
かつて巨人でコーチをした井端弘和さんは、オフに各若手選手に“これだけはやってきて”と課題を与えたが、やってきたのは岡本和真選手だけだったとコメントしています。
残念な話ですが、以前と違い器に放り込んで猛練習で競争させるだけでは、育成は難しい時代です。特に打者はやることが多いので育成が投手より難しく、捕手は最も課題が多くなります。時間がないからと打撃の時間を十分に取れなければ、結局他球団から補強することになってしまいます。
毎日の練習もオフの練習も、考えることができない選手を手取り足取り教えていくことが、これからは求められるのかもしれません。特にレギュラーを取り切れていない野手は、優勝を常に狙う巨人では、新外国人やFA選手に割り込まれる可能性が常にあります。厳しい世界で、油断している時間は、短い現役生活では無いと思います。
ファンはやっぱり生え抜きの成長がこの上なく嬉しいものです。
巨人は選手を大人扱いする球団です。それに甘えると他球団の選手には勝てません。
スカウティングと育成の視認できるシステムの強化が、常に必要だと思います。