HCショーン・マクベイは2度目の挑戦で、スーパーボウルを制覇することができた。将来のドラフト指名権をトレードに出して獲得したスター選手を、足りないポジションに埋めることで、見事に栄冠にたどり着いた。師弟関係にあったベンガルズのHCザック・テイラーを退けての勝利に、マクベイの意地が見えた。
1 | 2 | 3 | 4 | OT | ||
Rams | 7 | 6 | 3 | 7 | 0 | 23 |
Bengals | 3 | 7 | 10 | 0 | 0 | 20 |
反則の少ないクリーンな試合
反則が少なくなりがちなスーパーボウルだが、お互いによく訓練されたチームでつまらないミスによる反則が少なく、締まった試合だった。同じコーチング・ツリーに属するHCが似たようなフィロソフィーで作り上げたチームだからか、トータルスタッツにも余り差がなく、似たような展開の攻撃だったような気がする。派手な展開の少ないどちらかというとディフェンスマッチだったので、落ち着いて見られた気がする。MVPはWRクーパー・カップだったが、ラムズのディフェンスが影のMVPだったと思う。
Rams | VS | Bengals |
313 | Total Net Yards | 305 |
2 | Total Penalties | 4 |
10 | Penalty Yards | 31 |
30:47 | Time of Possession | 29:13 |
不発だったQB対決
Player | CP/ATT | YDS | TD | INT | SACKS | QBR |
M. Stafford | 26/40 | 283 | 3 | 2 | 2 | 60.8 |
J. Barrow | 22/33 | 263 | 1 | 0 | 7 | 39.7 |
QBマシュー・スタフォードとQBジョー・バロウの対決が一つの見所だったが、見事に2人とも封じられてしまった。特にバロウは7回もサックを浴びて、非常に苦労をしていた。ポストシーズンで1試合で9回もサックを浴びるなど、毎試合プレッシャーを浴びる中で、勝利を積み重ねてきたが、流石にラムズのプレッシャーは強力でかわしきれなかった。DEアーロン・ドナルドとLBボン・ミラーの強烈なプレッシャーは今年のリーグでは最強かもしれない。QBスタフォードのほうが少しは時間が稼げたようで、最終局面でWRクーパー・カップにパスを集めてベンガルズを振り切った。決してバロウの方が劣っている内容ではなく、チームの総合力がそのまま成績に現れてしまったと見るべきだろう。
最後にエースWRが活躍したラムズに比べて、ベンガルズのエースWRジャマール・チェイスが封じ込まれてしまった差が大きかった。なんといっても相手CBジャレン・ラムジーを中心としたパスカバーと強烈なラムズのパスラッシュが、QBバロウとWRチェイスに時間を与えなかったことが直接の勝因と考えていいだろう。
REC | YDS | TD | LONG | TGTS | |
C. Kupp | 8 | 92 | 2 | 22 | 10 |
O. Beckham Jr. | 2 | 52 | 1 | 35 | 3 |
B. Hopkins | 4 | 47 | 0 | 16 | 4 |
D. Henderson Jr. | 3 | 43 | 0 | 25 | 5 |
V. Jefferson | 4 | 23 | 0 | 13 | 8 |
C. Akers | 3 | 14 | 0 | 7 | 4 |
B. Skowronek | 2 | 12 | 0 | 7 | 5 |
M. Stafford | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
TEAM | 26 | 283 | 3 | 35 | 40 |
REC | YDS | TD | LONG | TGTS | |
T. Higgins | 4 | 100 | 2 | 75 | 7 |
J. Chase | 5 | 89 | 0 | 46 | 8 |
T. Boyd | 5 | 48 | 0 | 16 | 6 |
M. Thomas | 1 | 17 | 0 | 17 | 1 |
C.J. Uzomah | 2 | 11 | 0 | 6 | 2 |
C. Evans | 1 | 3 | 0 | 3 | 2 |
J. Mixon | 5 | 1 | 0 | 4 | 6 |
S. Perine | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
TEAM | 23 | 269 | 2 | 75 | 33 |
来年以降が楽しみなベンガルズ
ラムズとは対象的に、ベンガルズは来年以降もチャンスが続きそうだ。QBバロウは2年目、WRチェイスは1年目で更に経験を積めば、成長できる可能性が高い。2人がルーキー契約のうちはサラリーキャップに余裕が有り、FAで有力選手を契約できる。弱点が顕になったOLは、強化のためにはかなりの投資が必要になるが、来年のベンガルズならば十分に出来るだろう。ラムズのようにドラフト指名権をトレードに出していないので、有望新人の獲得も可能だ。なんと言っても若いエリートQBを手に入れたので、長期に渡って安定したチーム作りが出来ることになる。WRという補強が難しいポジションも埋まっているので、とても強化がしやすいだろう。若いエリートQBの怪我のリスクを抑えるためにも、来年はOLの強化が必須だ。HCサック・テイラーは初めてのスーパーボウル挑戦だったが、今年はシンデレラチームと言われても仕方のない内容だ。来年以降AFCには若いエリートQBが集まっているので、とても楽しみな対戦が増えるだろう。同地区の3チームはすべて強豪チームで、若いQBバロウが成長する機会に恵まれたと考えても良いのではないか。
落ち着いた試合運びで、点数ほど熱戦という感じがしなかったのは、ファンではないからでしょうか・・・
バロウが勝ってくれたら、もっと感動できたのかなぁ・・・