ワイルドカードでバッカニアーズが、イーグルスに31対15で圧勝した。
1 | 2 | 3 | 4 | OT | ||
Eagles | 0 | 0 | 0 | 15 | 0 | 15 |
Buccaneers | 14 | 3 | 14 | 0 | 0 | 31 |
昨年のスーパーボウル覇者は、今年もきっちり仕上げてきている様だ。
QBブレイディは44歳という年齢にも関わらず、今年もシーズンMVP候補であり、前人未到の8回目のスーパーボウル制覇に近づきつつある。FAやサラリーキャップの制度で、NFLは1つのチームの長い黄金期が続かないように工夫されている。優勝チームや好成績だったチームは、高額報酬を主力選手が求めるために、優勝の翌シーズンは主力が離脱する。しかし、バッカニアーズは殆どの主力メンバーが今年残留している。
スカパー!基本プラントム・ブレイディの凄さ
Player | CP/ATT | YDS | TD | INT |
J. Hurts | 23/43 | 258 | 1 | 2 |
Tom Brady | 29/37 | 271 | 2 | 0 |
これだけ長い期間に渡ってトップの座を守り続けているQBは、未だかつていない。ライバルと言われていたペイトン・マニングでさえ2回しかスーパーボウルを制覇していない。サラリーでは最も高額をもらっているのではないかと予想されるアーロン・ロジャースは、1回制覇しただけだ。
もっと凄いことにNFLでスーパーボウルを一番多く制覇しているチームは、ペイトリオッツとスティーラーズの6回だということだ。チームの最多優勝回数よりも、ブレイディの優勝回数7の方が上回ってしまっている異常さだ。
HCベリチックと別れて真価を証明したブレイディ
昨年のバッカニアーズでの優勝は、ブレイディの凄さを証明した。HCベリチックとのコンビだから6回の優勝が出来たのだと思われていたが、去年のスーパーボウル制覇と今年の快進撃でブレイディの真価が再評価されたと言えるだろう。何故ブレイディは勝てるQBなのだろうか。
QBとしての能力比較 アーロン・ロジャーとトム・ブレイディ
ロジャースとブレイディはよく比較される。二人ともドロップバックパサーと言っていいと思う。ただロジャースは走れる能力がある。また、ロジャースはポケットを出ても、走りながら正確で強いパスを投げることが出来る。ブレイディは対照的に絶妙なポケットワークで我慢しながら投げ込むタイプだ。
そのため何でも一人で出来るロジャースは、総合的なQBの能力としてはブレイディよりも上だろう。サラリーもブレイディよりも上のようだ。
WRを育てるQB
二人ともWRを育てることが出来るQBだ。今年のバッカニアーズに一流のWRはいない。もっと言えばペイトリオッツ時代にもWRに超一流はいなかった。パッカーズもあまりWRに投資をする方ではなかった。今シーズンはWRアダムズがフランチャイズレコードを更新しているが、ロジャースと離れたら、今年ほどの活躍はできないだろう。二人ともWRの能力に頼らずにパスを決めることが出来るQBだと言えるだろう。
OLが頼りのブレイディ
オフェンスラインについては足の使えないブレイディと、ロールアウトから投げることが出来るロジャースでは考え方が違ってくる。今日の試合の先発選手を見ると、バッカニアーズはオフェンスにブレイディの他に3人のプロボウラーがいるが、3人ともラインの選手だ。
パッカーズは対照的にロジャースを除くと、WRアダムズだけがプロボウルに選出されている。
ここに二人の決定的な差があると思う。ブレイディはロジャースよりサラリーを低くして、OLの強化に協力している結果となっている。
そのためOLがある程度強力になるので、ランプレイが必然的に良くなる。
また、サックを浴びにくくなるので、怪我の心配も少なくなる。
パッカーズの場合はロジャースが怪我をしたら、そのシーズンはほぼ絶望的だ。良くも悪くもロジャースのコンディション次第というチームになってしまう。
QBはサラリーが他のポジションより高いのが当たり前だが、サラリーキャップのためQBがあまりにも高いサラリーであれば、他の選手が弱体化する。
高額のサラリーをもらっているQBが、オフェンスに投資しないチームに不満を言うケースが有るようだが、ブレイディはそういうタイプのQBではない。
そういう姿勢が7回のスーパーボウルに大きく貢献しているのだろう。
名誉よりも実をとるQBが多くなるのは、仕方のないことかもしれない。あるいはブレイディは既にサラリーは気にしないというところに近づいている、唯一の存在なのかもしれない。
ブレイディはチームの勝利のために、本当の意味で自己犠牲が出来る。その人柄が8回目のスーパー制覇に邁進できる1番の理由なのかもしれないですね。