若手の活躍無く危機感がない巨人軍

首位奪還を狙う巨人は苦手の大野雄大投手をまたも打ち込めず、わずか3安打の4-1で敗退した。1点は好調の4番岡本和真選手が、広いバンテリンドームの右翼席に打ち込む32号ホームランであげた。

報知新聞の記事によると試合後元木ヘッドコーチは、「若いやつらがもっと頑張らないと。危機感を持ってやらないとね。」とコメントした。

若手の危機感の無さ?

今日の出場選手でいうと最年少は6年目24歳の廣岡大志選手だ。岡本選手は十分活躍しているのでここで奮起を促されているとは考えられないので、次に若いのは5年目26歳の松原聖弥選手ということになる。あとは28歳の石川慎吾選手、大城卓三選手、若林晃弘選手が続いている。石川選手は10年目の選手で十分なキャリアを積んだ中堅選手ではないだろうか。

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若手選手の定義

日本野球機構が発表した2020年の戦力外・引退選手の平均年齢は28.1歳だ。この数字には外国人選手と、同一球団内での育成選手再契約締結選手は含まれていない。平均在籍期間は7.7年で、最近5年間で最も短命となっている。これを巨人の出場選手にあてはめると廣岡選手は既に6年目であり、平均在籍期間の7.7年に近づいている。高校卒で入団しているので28.1歳にはまだ少し時間が有るが、既に中堅に差し掛かっていると言ったほうが現実的だ。28歳の選手は既に立派な中堅で、レギュラーで出ている大城選手以外は、数字的にはそろそろ立場が危ない年代だ。

3軍制を取っている巨人軍

育成の巨人と銘打って選手を大量に育成で毎年指名している巨人軍だが、今年1軍で新たに活躍した生え抜きの選手はいない。毎年大量に新人が入団してくるのだから、新陳代謝も早くしなければならない。巨人の場合はFAで主力選手も取ることが多いので、さらに選手が頭角を顕すチャンスは少なくなる。

首脳陣の危機感

他球団では若手選手の活躍が目立ち、今年や昨年のドラフト入団選手の活躍は目覚ましい。しかし巨人で活躍している1年目、2年目の選手はいない。チームの勢いがつかないことの一つの要因に、若手の選手の活躍がないことを首脳陣が考えていても不思議ではない。

ドラフト戦略の失敗や、育成の失敗などが、当然球団内では問題視されていると思う。しかし、それだけが問題では無いのではないだろうか。

首脳陣のずれた危機感

そもそも元木ヘッドの発言からすると、若手の定義がすでにずれてしまっているのではないだろうか。今日の試合で元木ヘッドが若手選手として奮起を促した選手は、誰を指しているのだろう?“若い奴ら”とは複数であるので岡本選手を除くと、廣岡選手と松原選手ということになる。もし28歳の3選手を若手と考えているなら、感覚がずれてしまっていると考えざるを得ないのではないか。トレーニング方法の改善によって、主力野手の選手寿命は伸びる傾向にある。逆に言えばそれだけ若手選手のチャンスは減少している。平均在籍期間が最近5年間で最短の7.7年というのは、それを裏付けている数字だと言えるだろう。

若手の危機感の無さは中堅選手をいつまでも若手と呼び続ける、首脳陣の危機感の無さの裏返しではないだろうか?

いつまでも大人扱いしなければ、選手の自覚は促されない。

元木ヘッドの発言が、ファームの若手を指しているのであれば、実情にあっていると思われます。

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