2024年シーズンの巨人のキーマンは門脇誠 侍ジャパンMVP

アジアチャンピオンシップが日本の優勝で終わり、2023年シーズンは日本プロ野球にとって記念になる年となりました。ジャイアンツは2年連続Bクラスと、球団創設以来の危機となっていますが、明るい兆しもかすかに見え始めています。

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やっと危機感が見え始めたジャイアンツ

昨年Bクラスに沈んだ時点で監督交代などの大鉈を振るうべきだったのが、1年遅れた感があるのは結果論だけではないと思います。多くのファンから新体制を望む声があったにも関わらず、続投を続けてたのは新体制でのリスクを嫌がった球団の、日本的な考え方があったのではないかと思います。一般社会でも日本の場合、とんでもない危機が訪れなければ新しい責任者は前任者の方針を踏襲するケースがマジョリティーで、会社存続の危機にでもならなければ、大きな改革はされません。ジャイアンツの場合はどうでしょう?

阿部監督の新体制は原野球を踏襲しない

阿部監督のインタビューなどを聞いていると、前任の原監督とはかなりの部分で野球観が違うことが読み取れます。現役時代のポジションがサードとキャッチャーでは、違うことは当たり前でしょう。センターラインではないサードでは、サインプレーなどに絡むことが少なく、ピッチャーの球種やコースによって守備位置を微調整することが余りありません。それに比べてキャッチャーやセカンド・ショートは、殆のサインプレーに絡みますし、1球ごとに守備位置も変えるので、守備の時の集中度は違います。監督になった時に守備への思いが違ってくるのは、サードとセンターラインの選手では当たり前のことでしょう。勢いに任せることができる短期決戦なら話は違ってきますが、長いペナントレースでは守備面の細かさは、大きな差に現れると言っていいでしょう。

守備の野球を打ち出した阿部監督

阿部監督は守備重視の野球をすることを打ち出しています。これもキャッチャー出身の監督だからこそ、早々と打ち出せたのだと思います。本拠地が狭い東京ドームなので、打撃優先になりがちなジャイアンツですが、その弊害は甲子園での勝率.231や、マツダでの勝率.250に現れていると思います。特にジャイアンツの外野の守備は軽視されているので、広い球場では投手が可哀想でした。更に編成もその事に気がついていないのか、守備力のない外国人や守備力の衰えたベテランを取ってきてしまっていました。そのため現状のジャイアンツには、センターを安心して任すことができる選手がいません。更に昨年指名した浅野翔吾選手や、萩尾匡哉選手もセンターとしては守備力は物足りません。阿部監督になってドラフト3位で佐々木俊輔選手を指名したのは、センターの人材不足を認知したからに他ならないでしょう。

一番期待される門脇誠選手

守りを重視する阿部監督はいち早く、ショート門脇誠選手、サード坂本勇人選手、ファースト岡本和真選手をレギュラーとする方針を打ち出しました。来年が2年目となる門脇選手に背番号5を与えたのも、その期待値の大きさと信頼を表しています。背番号5でショートといえば、V9ナインの一人である、黒江透修さんでしょう。165cmぐらいの小さな体ながら、名脇役として黄金期を支えた黒江さんは、現役時代はジャイアンツ一筋でしたが、指導者としては7球団を経験しています。それだけ指導力や野球脳に対する評価が高かったということでしょう。黒江さん以降も二遊間の選手が背番号5を受け継いでいましたが、清原和博さんがつけてから、イメージが変わった背番号と言っていいでしょう。

阿部監督になりまた背番号5がショートになるということは、その頃の守りを重視した野球に戻るというメッセージであり、そのキーマンが門脇選手ということなのかもしれません。

門脇選手に求められるもの

阿部監督の求めるものと、門脇選手の目指すものは、十分に擦り合わせが出来ているのでしょう。それは打撃面、守備面、走塁面すべての部分で、基本的には一致しているのだと思います。阿部監督は来年門脇選手がキャプテンでもいいとコメントしているように、その信頼度は抜群と言っていいと思います。門脇選手の持つキャプテンシーが、ジャイアンツを大きく変える起爆剤になると、阿部監督は期待しているのかもしれません。門脇選手が期待通り成長してトップバッターにでも収まれば、ジャイアンツの野球は大きく変わるはずです。

阿部監督の思いやり?

このコメントは中田翔選手を必要とする球団への、いい意味でのメッセージになったと思います。中田選手は踏ん切りがついたでしょうし、ジャイアンツのナインの中に有るであろう気遣いも、必要なくなります。かつて落合博満さんや、清原和博さんも同じ様な立場になり、ジャイアンツを後にしました。FAが当たり前になったことで、生え抜き野手は少なくなりましたが、生え抜きの野手はやはり人気があり、球団も更に気を使うべき選手で、優先順位がFA選手は低くなるのは、致し方ないと思います。

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