今年も8人の選手がタグを付けられました(昨年は10人)。タグを付けられることを嫌がる選手が多い様ですが、サラリーキャップなどの制約のためチーム側にも事情が有り、毎年しこりを残す事が多くなります。
今年のタグの詳細
Position | Team | Tag Salary($million) | |
Orlando Brown Jr. | LT | Kansas City Chiefs | 16.66 |
David Njoku | TE | Cleveland Browns | 10.93 |
Jessie Bates III | FS | Cincinnati Bengals | 12.91 |
Mike Gesicki | TE | Miami Dolphins | 10.93 |
Dalton Schultz | TE | Dallas Cowboys | 10.93 |
Cam Robinson | LT | Jacksonville Jaguars | 16.6 |
Davante Adams | WR | Green Bay Packers | 20.12 |
Chris Godwin | WR | Tampa Bay Buccaneers | 19.18 |
ポジション別に見るとTE3人、LT2人、WR2人、FS1人という結果になっています。
LTは恒常的に最も不足しているポジションで、QBのブラインドサイトを守るオフェンスラインの中で最も重要なポジションであることから、信頼の置けるLTは手放す事ができないポジションです。確保することができれば長期的に、チームが安定する事が多いと思います。
WRは評価が難しいポジションです。新人選手の当たり外れが大きいので、ドラフトの高順位での指名はリスクが大きいとも言えます。またチームの戦術や、QBの技量、他のレシーバーとの兼ね合いなどで、成績が大きく変わってしまう場合もあります。
素晴らしい成績を残したWRが、チームが変わったと同時に成績を極端に落としてしまうことは、珍しく有りません。また、目立つ花形ポジションだけに自己顕示欲の多い選手も比較的多く、首脳陣と合わないなどのトラブルが起こる場合もあります。さらに怪我の比較的多いポジションなので、大型契約も難しいと思います。現チームで成績が良い選手が移籍によってパフォーマンスを落とすことも考えられるので、できるだけ良いWRを手放したくないと思う首脳陣も多いのではないでしょうか。
TEは近年重要度が、増しているポジションです。強いチームには素晴らしいTEが必ずと行っていいほど存在します。ブロック能力とレシービング能力に優れたTEが増えてきていますが、更にスピードも兼ね備えたTEが、相手ディフェンスとのミスマッチを生んでいます。タグ・サラリーが比較的に安く済むことも、今回の3人と多くなった原因の一つかもしれません。
Davante Adamsの将来
今年のタグで一番問題をはらんでいるのは、パッカーズのアダムスではないでしょうか。もともとパッカーズはWRに投資をしないチームでした。QBロジャースの能力が高いために、WRをドラフトの高順位で指名することは無く、ロジャース頼みのオフェンスを展開してきた経緯があります。今回ロジャースは大型契約を勝ち取り、パッカーズで現役を全うする可能性が高まりました。ロジャースはチームがオフェンスに投資しないことに不満を持っているようですが、最近になってWRに資金をつぎ込むことになり、その対象がアダムスという構図になっているようです。
アダムスはレイダースのQBデレク・カーと大学時代にホットラインを形成していたので、このオフにレイダースへの移籍が噂されていました。しかしタグを付けられてしまい、しこりが残る形になっているのではないでしょうか。
ロジャースとカーの立ち位置も決まりつつ有り、もしかしたらWRアダムスのトレードなんて事もあるかもしれません。レイダースの足りないピースの筆頭はWR1であることは間違い有りません。
各チームのQBが決まった段階で、新たな動きがあるかもしれませんね。まだまだ大きな動きがありそうで、注目しています。
Jessie Bates IIIの場合
タグを付けられる選手は若く将来性のある選手のケースが殆どで、チームは長期契約を望んでいる場合が多くなります。今回も殆どのプレイヤーが、長期契約を結ぶための、チームの時間稼ぎの期間という位置づけのようです。しかし、ベイツの場合は少し事情が違うようです。既にFSとしてリーグNO1の評価をものにしているベイツなので、マーケットに出てしまうとタグ・サラリーを大きく超えてしまう可能性が強く、チームが様子を見ているのかもしれません。倹約家の印象があるベンガルズですが、久々の好成績を収め、サラリーキャップに余裕がなくなってきました。QBジョー・バロウのルーキー契約は2023年に終了するため、チームとしてはベイツと長期契約を結ぶことが難しい現状のようです。
FSは比較的優秀な選手を取りやすいという事情も、ベイツの場合はあるかもしれません。