真夏の日本でのゴルフはとっても危険 熱中症対策ができないゴルフ場

連日の猛暑でゴルフ場も大変な暑さに見舞われています。日本の女子ツアーでは稲見萌寧選手が練習ラウンドを猛暑のため行わなかったことが、報道されています。女子も4日間大会が行われる中で、プロアマを含めると連日のラウンドとなり、決勝ラウンドまでに消耗が激しすぎるという考え方は、当然の成り行きなのではないかと思います。

日本のゴルフ場は体温を超える様な暑さを想定して作られていないので、東南アジアなどのゴルフ場と比べて暑さ対策に限界があります。

東南アジアのゴルフ場との違い

体温超えのラウンドが日常茶飯事である東南アジアでは、そもそも日本のゴルフ場と作りが違います。

お茶屋は3ホールに一つ

日本のゴルフ場は、インとアウトで一つずつお茶屋が設置されてるのが普通です。最近では自動販売機だけを設置して無人の場合が多く、素通りのパーティーが殆ではないでしょうか。待ち時間が多くて進めないゴルフ場は、涼みに入ることもあるかもしれませんが、コロナを経験した後は、長時間狭いスペースに滞在することはなかなかできないでしょう。

東南アジアのゴルフ場は3ホール毎にお茶屋があり、必ず立ち寄って次のパーティーが来るまで時間を潰します。国によってはキャディさんに飲み物を振る舞うことも習慣化していて、ゆっくりと休息を取ります。直前のホールで最後のパットをしたプレイヤーが、全員のお茶代を支払う、”お茶パット”、”パタゴラス(Putter go last)”は、日本人駐在員の中では、お決まりの国が殆だったと思います。

ところが日本の場合は、前のパーティーがいなければ、お茶屋には寄らないことが殆でしょう。また、自動販売機だけを設置しているお茶屋では、テーブルなどが設置されておらず、プレイヤー同士が会話を楽しむスペースもない場合が多いと思います。渋滞することが多い日本のゴルフ場では、ゆっくりくつろげるスペースは不要という考え方が強いのかもしれません。

お茶屋に関して言えば、熱中症を予防する意識は全く無く、東南アジアのゴルフ場とは意識の差が見られます。年中暑い東南アジアと四季のある日本とを比べることは難しいとおもいますが、少なくとも暑さ対策は貧弱と言わざるを得ません。

フラットな東南アジアとアップダウンの日本

これは日本の場合避けようがない問題ですが、アップダウンはかなり体力を消耗させます。東南アジアでは名門、高級と言われるコースはフラットなコースが殆どで、息が苦しくなるようなことはあまりありません。

乗り入れができないカート

日本のゴルフ場でフェアウェイまで乗り入れ可能なコースは、あまりありません。逆に言えば前日雨でも降らなければ、ボールのある位置までカートで行くことができます。当然クラブを持って走る必要もないので、体力を消耗することが殆どありません。

東南アジアだけでなくリゾートコースも海外の場合はカートの乗り入れが可能で、日本とは全く消耗度が違います。

キャディさんが傘持ち

カートでフェアウェイに入れないコースでは、キャディさんが傘を持ってくれます。東南アジアの場合はプレイヤーめいめいにキャディさんが最低1人はつくので、バッグを担ぐか、手引きカートで運んでくれます。

プレイヤーは傘だけをさして歩くことができるので、かなり楽になります。

日本では傘をさして歩いているプレイヤーをあまり見かけません。しかし、一度傘をさしてラウンドしてみるとその消耗度の違いに、驚くことになると思います。特にラウンド後や翌日の疲労度には大きく差が出ると思いますので、私はできるだけ傘をさして歩いています。

スルーを認めない日本のゴルフ場

海外のゴルフ場は基本的にスルーです。

日本の場合はランチがあり、冷房の効いた部屋で1時間あまり過ごすことになります。なかにはアルコールを嗜む人がでてくるので、熱中症の危険度は上がると思います。

日本のゴルフ場は、レストランで雇用を守り利益を稼いでいる側面もあるので、一概に否定はできません。しかし、猛暑の間の一時期だけは、早朝スタートのスループレーを認める方向がこれから強くなるかもしれません。

朝6時にスタートすれば、11時前に終わることになり、プレイヤーの健康は守られるのではないかと思います。

私の通うゴルフ場では、毎年のように熱中症で具合が悪くなるプレイヤーがでています。救急車を呼ばなければならなかったケースも有り、かなり深刻な問題だと思います。大きな事件が起こらなければ抜本的な改革ができないのは、日本のどの分野でも共通の現象と言えるかもしれません。しかしながら、命に直接関わる問題でもあることから、プレイヤー側からも声を上げる必要があるかもしれません。

すべてをプレイヤーの自己管理で対応しようとする考え方は、後々問題になると思われます。

主催者側の適切な対応が必要

今回の稲見萌寧さんの行動と発言は、JLPGAや主催者側には重く受け止めてほしいと思います。日程と季節の関係でこの時期の開催者は、常に考えなければいけない問題です。とりわけこの時期に開催を選んでプロアマなどを強制しているのであれば、主催者の適切な対応が求められると思います。

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