ゴルフ中継が増えてきています。特に女子ゴルフは注目度が高く、予選ラウンドからCSなどでは中継が有り、最終日の地上波と合わせてゴルフファンには時間が足りないくらいです。しかし、中継の在り方に時々疑問を感じる時があります。
人気選手中心の中継
日本では人気選手中心の中継が一般的です。女子ゴルフでいえば、順位や調子にかかわらず渋野日向子選手が人気の的です。CSといえども視聴率を無視はできず、人気選手にどうしてもカメラが集中するのは仕方のないところでしょう。アメリカでは人気選手であっても、成績が悪ければ全く映ることは有りません。
タイガー・ウッズだけは別格
しかしアメリカでもタイガー・ウッズだけは別格のようです。順位の上がらない選手は殆どスルーするアメリカの中継でも、タイガーだけは映されます。プレー以外でも何かと話題になるタイガーですが、様々な事件を乗り越えているだけに、特別感がどんどん強くなっていきます。いつかまたメジャーを制覇するまで復活してくるのではないかという期待感も有り、弱っているタイガーも見ておきたいという思いがファンの中にも有るのかもしれません。人気も実力も頂点に上り詰めた唯一の存在であるがため、その存在は代え難いということでしょう。
気の毒な渋野日向子選手
日本では渋野日向子選手が、タイガーに近い注目のされ方をします。全英を勝った時の戦列な印象と、その人柄や言動から注目を集める渋野日向子選手ですが、その実力は飛び抜けたものではありません。これは本人もわかっていることで、渋野選手よりも実力が上の選手は沢山いると言ってもいいでしょう。そのためスイング改造に取り組むなど、本人の努力は素晴らしいものが有ると思います。しかしスイング改造中である現状は、決してファンの期待通りのプレーを約束できるものではありません。また、アプローチなどは以前から課題とされていて、結果がブレるのは仕方のないところだと思います。特に調子の悪いときはテレビにあまり頻繁に映されると、少し放っておいてあげたいくらいです。ミスをすれば沈んだ顔をしたり、時には悪態をついたりしてストレスを取り除きたいはずですが、ギャラリーやテレビカメラを意識しているのか、押し殺している様に見えます。あまり褒められたことではないですが、あのタイガー・ウッズでさえストレスをクラブにぶつけることも有りました。渋野選手にそれを奨めるわけでは有りませんが、もう少し自由にプレーさせてあげたいと思うことが多く、予選落ちがほぼ確定であれば、あまり煽るような放送は控えてもらいたいと思います。
放送をもう少し工夫してほしい
CSを見ていると各選手のドライバーショットを中心に放送しています。選手を知ってもらうことと、カメラなどの機材の都合もあるのかもしれませんが、ドライバー→セカンド→パットという流れが単調で面白くありません。地上波で初心者も含めた広いファン層をターゲットにした放送であれば、豪快なティーショットを中心の中継が良いのかもしれません。しかしCSなどを見ているのは、どちらかというとコアなゴルフファンが多いのではないでしょうか。そういったゴルフファンの興味は寧ろアプローチやトラブルショットなど、ティーイングエリア以外のところにあると思います。ティーショットなどは解説もあまりいらないので、後追いのビデオで放送してもらい、難しいアプローチやバンカーショットなどを、ショット前の所作から解説付きで放送してほしいと思います。特にベテランのアプローチなどは放送されないケースが多いので、是非プロの技術をプロの解説付きで見たいと思います。