渋野選手がフォーム改造に取り組んでいる。
もともとハンドダウンの強いアドレスから、フラットなスイングプレーンからストレートに近いドローボールでどんどん攻めていくスタイルであったが、今はトップの位置が低くなり更にフラットなスイングプレーンになっている。プロが嫌がる左へのミスを消すために、取り組んでいるようである。他の選手と比べて、かなりフラットで個性的なスイングになっている。渋野選手は猿腕で骨格の特徴もあるが、それにしてもかなり大胆に取り組んでいるようだ。
オフの間に体もかなり鍛えていたようで、パワーアップしたようであるが、フォーム改造中でスイングが小さくなった。そのせいか今日の同伴競技者の小祝選手や稲見選手に、ドライバーでは置いていかれることが多かったようだが、5アンダーで15位タイにつけているのだから素晴らしい。
今日のような雨のラウンドはライも悪いので、上からアップライトに打ちたいと思うのだが、渋野選手はセカンドでもフラットな軌道で打っていた。アップライトに打つのをフォーム改造のため避けているのか、打つとミスが出るから打たないのかわからないが。雨でグチャグチャのつま先下がりでも、フラットな軌道で打っていた。意志の強さが出ているなぁと感心してしまった。悪天候もあってアイアンで左に引っ掛けて、池に入れてしまったシーンも見たが、その後もフラットなスイングでリカバリーしていた。特徴的な骨格を持っているので他の選手とは違うのだろうが、この改造がどう出るのか楽しみである。
海外へ本拠地を移す計画があるようで、それを見据えた今回の取り組みなのかもしれない。海外のリンクスなどを攻略するためには、あまり転がらないフェードで攻めるほうが、悪いライにも対応できて良さそうだと思ってしまうが、きっときちんとした戦略があるのだろう。また、渋野選手のウィークポイントのアプローチも、ハンドダウンがきついと難しい場面が多いと思うのだが、ハンドダウンは継続してアプローチでも行われているようだ。
そのあたりの詳しいことが、インタビューなどで知りたいと思ってしまう。
いずれにしてもあのスイングは、渋野選手の特徴的な骨格と体の柔らかさ、鍛え上げた筋力があるからできるのであろう。きっとあのスイングを真似する、ジュニアの選手が出てくるかもしれないが、なかなか難しいと思う。
プロの選手の真似をするのは小さい子供たちの常である。
ゴルフではないが、最近野球をやっている子達の間で、アッパースイングで振る子が多いようである。坂本勇人選手などは豪快なアッパースイングでいかにも格好いい。鍛え上げた体をもつ坂本選手だから、重いバットをアッパーに振れるのであろうが、非力な我々は昔ながらの上から最短距離で出すダウンスイングではないと振り遅れてしまう。いや、そもそもバットが波打ってしまって当たらないかもしれない。
渋野選手が古い考えを打ち破って、新しい方法を確立したらそれは凄いことである。
渋野選手の意志の強さは、それをやり遂げてしまうかもしれない。
楽しみである。