HSBCの結果
LPGAのアジアラウンドが先週のシンガポールから始まっている。先週の会場はセントーサCCクラブのタンジョンコース、併設のセラポンコースと比べると比較的開放的なコースだ。HSBCでは畑岡選手は通算+2の49位タイ、渋野選手は+11の67位タイと残念な結果に終わってしまった。慣れない暑さで難しい面があったかもしれない。
シンガポールとタイの違い
同じ東南アジアの国ではあるが、共通点は暑さだけでその他は全く違う。シンガポールは淡路島ぐらいの面積しか無い島国で、国全体が箱庭のように整備されていて美しい。大都会で高層ビルが立ち並ぶ中に、ゴルフ場は点在している。セントーサCCも大都会の中にあり、かなり異質の環境だ。シンガポールに駐在などしていると、息が詰まるという感想を持つ。
反対にタイは開放的だ。今回は観光地のパタヤビーチがあるサイアムCCで開催されており、その雰囲気は選手をリラックスさせてくれるだろう
日本と違う環境の良さ
まず人気選手にとって、マスコミに追いかけられずゴルフに集中できるのはありがたい。
更に練習環境も素晴らしい。芝が良く生育し土地も広いので、アプローチやバンカーの練習環境は非常に恵まれている。気候もいいので体がよく動く。今日のラウンドでは2人共半袖半ズボンで、本来の動きができていたように見えた。特に渋野選手は、暖かい気候でのラウンドがよく似合う。スタート前もカメラの前で2人でポーズをとったりするなど、心の底から楽しめている様子で、見ているこちらも幸せになる。渋野選手に課せられた罰金100万円なんか何処かに吹き飛んでしまっているような、弾ける笑顔であった。
畑岡選手結果
首位と5打差の-3で20位。
平均飛距離 241ヤード
FWキープ率 85.7%(12/14)
パーオン率 66.6%(12/18)
パット数 27
畑岡選手は小さな体だが強靭な下半身の力を使って飛距離を出す。小柄の割にはクラブをタテに使える選手で、アイアンやアプローチが非常に上手い選手だ。今日は7番パー5の3打目をバンカーから見事に寄せてバーディーを奪うなど技術が光った。最近の女子プロはアプローチを上げて寄せる選手が多いが、今日の畑岡選手は転がしのアプローチで寄せ切るなど、引き出しの多さも見せた。
渋野選手結果
首位と4打差の-4で14位。
平均飛距離 242ヤード
FWキープ率 85.7%(12/14)
パーオン率 77.7%(14/18)
パット数 28
畑岡選手とは対照的に上背はあるのだがフラットなスイングを目指している。ドライバーのキャリーに不満があるようで、フラットなスイングを目指す要因の一つかもしれない。アプローチが今日は冴えていてピンチを救ってきた。練習風景などではSWを開いて打つロブショットなどを試しており、以前よりも全体的な改善がアプローチには見られるようだ。
期待の河本結選手が最後にボギーで-2で終わってしまったのだが、3選手とも期待できる内容で、2日目に誰かが突き抜けると全員が乗っていけるかもしれない。それほど黄金世代は仲がよく切磋琢磨という言葉がピタリと来る。今週は目が離せなくなりそうで、嬉しい限りだ。