支配下登録の期限ギリギリで、鍬原拓也投手と喜多隆介捕手が支配下登録された。
鍬原投手
鍬原投手は2017年のドラフト1位で中央大学から入団。期待が大きかったが、昨年右肘の骨折が判明し手術に踏み切り、その後昨オフに育成選手となっていた。3年間で53回2/3を投げて2勝止まりと期待に答えられなかったが、入団時から不調であった右肘の故障も癒えての再スタートだ。150Kmを超えるストレートの球威が戻ってくれば、十分に活躍が期待できる投手だ。
喜多捕手
2020年の育成ドラフト2位で指名され、京都先端科学大学から入団した。二塁送球の最速タイムは1.77秒と報じられており、守備型の捕手と言える。最近では2軍で出場機会が増えており、リアルジャイアンツカップでの事前ドラフト会議では阿部2軍監督が、期待の捕手として指名している。東京オリンピックによる中断期間に行われた、エキシビションマッチやリアルジャイアンツカップでの活躍が認められて今回の支配下登録につながったようだ。炭谷銀仁朗捕手が楽天に移籍したので、今後活躍のチャンスは広がっており、成長の機会が更に与えられることになるだろう。
両選手ともに今後の飛躍が期待されるが、時間が十分にあるわけではなく、結果を求められる立場になったので、結果を求めていってほしい。
今回70人の支配下登録枠が全て消化されたので、今年の育成選手の昇格は終わってしまった。育成選手とはいえその期間は十分にあるわけではなく、成長を見せなければ契約は打ち切られてしまう。特に巨人は毎年大量の育成選手を指名しているので、競争は激しく時間は限られている。のんびりしている選手には辛い現実が待ち構えており、ファームの首脳陣はそれが分かっているだけに、厳しい指導が有るのかもしれない。
昇格漏れの山下航汰選手
2018年の育成ドラフト1位の選手で、1年目にファームで首位打者を獲得している。コアなジャイアンツファンの間では早くから名前の挙がる期待の選手だ。1年目に支配下登録を勝ち取ったが、右手有鉤骨の骨折など故障が続き、昨オフに育成契約となった。2軍での実績もあり故障が癒えればすぐに結果を出せるのかと思っていたが、2軍でも打率.220と調子が上がらない。守備や走塁に特徴のある選手ではないので打ちまくるしか無いのだが、現状は苦しい立場にいる。旬の期間を上手く過ごせずに不運だったと思うが、新しい選手は半年後に入団してくる。結果をすぐに出さなければチャンスがどんどん限られてくるので、頑張ってほしい。
復活した堀田賢慎投手
2019年のドラフト1位の投手で、入団後すぐに右肘の故障が発覚し、トミー・ジョン手術に踏み切った。ドラフト中継の際には元ヤクルト監督の古田さんが絶賛するなど期待が大きかったが、入団後すぐの手術との報道には大変驚いた。スカウト陣の責任も問われたようだが、8月31日に復活登板を遂げた。ストレートの最速は152Kmまたは149Kmと報道されているが、スケールの大きさは証明できたようだ。トミー・ジョン手術の場合は1年半以上は復活に擁するようなので、来年の支配下登録が待たれる。2020年のドラフト2位の山﨑伊織投手もトミー・ジョン手術からの復活が期待されており、来年の投手陣は楽しみな選手が多い。
来年もファームの試合を見るのが楽しみです。
3軍制の効果
まだまだ効果が発揮されているとは言い難い面が有るが、育成で多く選手を抱える以上、実戦を多く組まなければならない。
大学生や独立リーグなどとの試合が多く組まれているが、スカウトの目を通さずに二岡3軍監督などがアマチュアの選手を直に見られる事はメリットが大きいかもしれない。
また独立リーグへの指導者の派遣なども実績があり、アマチュアとのパイプが太くなるのはチーム強化には良い面が多いだろう。