中日との開幕三連戦で巨人が三連勝を逃しました。新人の赤星優志投手は6回1失点と好投しましたが、救援陣がリードを守りきれずに逆転を許してしまいました。問題点を考えてみます。
新人守護神の三連投をさせなかった首脳陣
試合前から個人的に注目していた点ですが、原監督が我慢の采配をしました。まだシーズン序盤であり、故障歴のある大勢投手を使わなかったのは理屈に合う采配でした。桑田投手コーチとの意思疎通も取れており、この采配が続く限りは大崩をしないのではないでしょうか。故障明け手術明けの投手を多く抱えている状況下で、桑田コーチの考え方が反映された采配ということで、序盤はこれで良いのではないでしょうか。
マシンガン継投の後遺症
昨年のリリーフ陣から強化できたのは、実は大勢投手だけです。その他の投手は昨年からいたメンバーです。このメンバーは昨年のマシンガン継投の後遺症からか、今年のパフォーマンスは上がり目が期待できないメンバーです。また、昨年大車輪の働きをした中川皓太投手と鍵谷陽平投手は故障してしまい、1軍に登録さえされていません。昨年の成長株のビエイラ投手も調子が上がらず、若手の大江竜聖投手も2軍です。昨年よりも上積みが期待できそうなのは、鍬原拓也投手ぐらいではないでしょうか。ただでさえ消耗の激しいリリーフ投手ですが、昨年のマシンガン継投は、悪い影響を今年のリリーフ陣に残してしまったと思います。宮本チーフ投手コーチが投手陣の責任者であったためか、桑田コーチは言を挟まなかったのかもしれませんが、今年は桑田投手コーチが投手陣を守ってくれるのではないかと思います。
戸郷翔征投手と山口俊投手を勝ちパターンのリリーフへ
今のジャイアンツのリリーフ陣を見ていると、ストライクゾーンにストレートを投げることを怖がっている投手が多いようです。ある程度ストレートの力で押し込むことが出来なければ、コントロール重視のためボール球が多くなってしまいます。先発の赤星投手よりもストレートの威力が明確に上回った投手は、いなかったという方が正しいのではないでしょうか。
新外国人投手もリリーフタイプではないようなので、ここは先発で調子の上がらない山口投手と戸郷投手をリリーフに回したらどうでしょうか。二人共1イニングであればストレートで押し込むことができそうです。しかもフォークボールで三振を取ることもでき、リリーフとして十分な能力を持っていると思います。戸郷投手は長いイニングを投げるための投球の幅が無いために、スライダーなどに活路を求めていましたが、今年はまだものにできていないようです。赤星投手や山﨑伊織投手などに目途が立ちつつ有り、ある程度前半戦のローテーションは回せそうなので、この二人を勝利の方程式に組み込むことが良いのではないでしょうか。
本当の意味での巨人の弱点
昨日の敗戦の本当の原因は、投手陣ではないと思います。優勝するためには勝てる試合を落としてはいけません。優勝するチームにはある程度の連勝は必要になるので、勝ちパターンの投手は今後連投が増えるかもしれません。しかし、今日のように守護神の酷使を避けるための采配も、今後は必要となります。そのためには打ち勝つゲーム、大勝できるゲームを作らなければなりません。昨日も初回に6安打で4点を奪いましたが、その後は6安打1点しか取れていません。柳裕也投手を立ち直らせることなく、しつこく攻撃する必要があったと思います。
昨日の原監督の采配で気になったところ
立岡宗一郎選手の強行
8回に丸佳浩選手が出塁した時に立岡宗一郎選手にバントさせることなく、初球を簡単に打ち上げさせてしまいました。打順は下位に回っていきますが、代打陣が充実している中で、後1点を取りに行く姿勢を見せるべきだったのではないでしょうか。6回には大城卓三捕手にバントさせたのに、一貫性がない采配と感じました。ベンチ内の理由が何かあったと思うのですが、相手ベンチに隙きを見せてしまったのではないかと思います。
坂本勇人選手の交代は正解だが・・・
坂本選手は4安打したとはいえ、故障上がりであり、あのタイミングでの交代は当然だと思います。しかし交代要員が守備に難のある廣岡大志選手はどうなのでしょうか。当然湯浅大選手を代走に送ると思ってみていたのですが、ベンチ入りしていなかった様です（未確認）。もし湯浅選手が使えなかったのであれば、守備に破綻のない増田大輝選手を送る方が良かったのではないかと思います。廣岡選手は、その後9回に重要な失策を犯してしまいました。廣岡選手は長打力が魅力の選手ですが、守備は緩慢です。坂本選手の欠場中も坂本選手ならば併殺を完成できたのではないか、坂本選手なら捌くことができたのではないかと思うことがありました。廣岡選手の魅力は十分にわかりますが、あの場面は違うのではないかと思います。
