ジャイアンツ2020年のドラフト1位の平内龍太投手が、DeNAのオースティン選手にサヨナラホームランを浴びてしまいました。延長戦で代わりばなの初球のストレートをアッという間に持って行かれてしまう様は、ファンにとっても衝撃的な光景でした。
もう時間がない平内龍太投手
2020年のドラフト1位なので、今年は4年目の平内投手ですが、ここまで期待通りの活躍はできていません。大卒で4年目といえば間違いなく勝負の年で、今年は故障もなく数字を残さなければいけないと思われます。ここまで投球回23回で防御率1.96と悪くない数字を残していますが、オースティン選手に打たれたのは非常に印象が悪いと思います。
ストレートが武器の平内投手が、コースが甘かったといはいえ、登板の1球目のストレートを簡単に運ばれてしまったのは、衝撃的な光景でした。
阿部監督が困ったら真ん中に投げろという指令を出したことは、今シーズンあまりに有名ですが、困る前に真ん中に投げてしまったのは、注意が足りなかったといってしまって済む話ではないと言えるでしょう。ただ、ストレートを武器としている投手であれば、初球が多少甘くても空振りかファウルが取りたかったところですが、あっさりと、しかも左中間に持っていかれてしまったのは、色々と考え直さなければならないと思います。
球速と回転数だけではわからない
平内投手は１５３Km のストレートをものの見事に打たれてしまったのですが、球速という点では十分な威力がありました。ドラフト前のレポートでは回転数も2400rpmを超えており、NPBの平均以上の数値だと報じられています。入団前は速球派として非常に期待されドラフト1位で指名されたのですが、4年目を迎えてまだ思うような成績を残せていないのが現実です。トラックマンなどによる球速と回転数はある程度の目安にはなるが、それが目指すべきものでは無いことは平内投手の例を見るまでもないと思います。
もう球速は目指すべきものではない
平内投手は学生時代から体もできており、いまもガッチリした体つきで、これ以上フィジカル的に大きく伸びるのは難しいでしょう。これからストレートの球速を伸ばすのも、効果的であるか疑問が残りますし、伸びしろとしては大きくないので、大卒4年目の選手が目指す方向ではないと思います。球速と回転数を上げることを目指しても、この先に劇的に成績が伸びることはないでしょう。
コントロールが必要
プロで生き残るためには、やはりコントロールが重要になるでしょう。
球速はフィジカルトレーニングをこなしていけば、ある程度の結果は出ます。しかしコントロールは目に見える数値ではわからないので、継続が難しい目標となってしまいます。高卒の投手が体つくりと並行して球速アップに挑むのは間違いではありませんが、大卒4年目の投手が目指す方向としては、伸びしろが期待できないといえるでしょう。
ここは苦しくてもじっとコントロールを付ける努力をしなければ、終わってしまうのではないでしょうか。
身近にいる戸郷翔征投手は、いつのまにか抜群のコントロールを見につけて安定した投球を続けています。特に力まなくてもストレートとスライダーをコースにきっちりと投げ分けており、常に完投が目指せるピッチングを繰り広げています。戸郷投手がどのようにしてコントロールを身に着けたのかは、桑田二軍監督ならばずっと見ていたはずです。苦しくて根気のいる作業だと思いますが、今からでもコントロールの獲得に取り組むのは遅くないのではと思うのです。
タイミングを合わせづらいフォーム
球速がなくてもタイミングを合わせづらい投手は確かにいます。そういった投手は既にアマチュア時代から球速の割に空振りが取れていたりするでしょう。プロに入ってから急にそういったフォームを身につけられる投手は多くはないと思います。
ジャイアンツで言えば上原浩治投手や杉内俊哉投手など、良いお手本は沢山います。しかし、球速や回転数と違いそのあたりはまだ解析されていません。こういったフォームやピッチングをコーチによって指導されると言う例はあまり聞いたことがありません。逆に言えばそういったフォームやピッチングを身につけることができれば、最多勝も夢ではないということになります。今の所は科学の力をもってしても身につけることは難しく、試行錯誤の末、または偶然の産物として獲得できるのかもしれません。
ただ、上原浩治投手にしても杉内俊哉投手にしても、アマチュア時代から獲得できていたとは考えづらく、並の人が考えること、やってみることを超えた努力をして獲得したのではないでしょうか？
そういったことを勘案すると、コントロールを磨くというのが最短の方法ではないかと考えるのですが・・・・・・
今の時代はコーチからのお仕着せは考えられないので、自分で判断するしか無いと思うのです。
