報知新聞によると、菅野投手が大城卓三捕手とハワイに自主トレに向かったということで、復活の鍵にスライダーを挙げたとのことでした。来年35歳になるベテラン右腕が先発として復活できるかどうかは、ジャイアンツの投手陣の編成に大きく関わる要素で大変注目されます。しかし、過去三年で6勝、10勝、4勝と明らかな下降線で、楽観視できる状況ではないことは間違いないと思います。
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ここ数年体調が整わず、故障との戦いという現状は、非常に厳しいものです。確実に進んでいるのは加齢による衰えで、そこを上回る上積みがない限り、復活と言える程度の活躍はできないと思います。また、菅野投手が連続沢村賞を取った2017年、2018年とは明らかに環境が違います。菅野投手は150Kmを超えるストレートとスライダーで無双をしていたのですが、たとえその状況に戻れたとしても、以前のように抜けた存在には、なれないと思います。現状では150kmは高校生でも投げることができる球速で、以前ほどスライダーも特別感がありません。伝家の宝刀スライダーが戻ってきても、沢村賞のときのように相手打者を振り切ることができないでしょう。そのために試してきたフォークやカットは、投球の幅を広げてはくれましたが、絶対的な決め球にはなっていません。
戸郷翔征投手と山﨑伊織投手
現状ではこの二人は経験値を除けば、菅野投手よりも力は上でしょう。この二人に共通するのは決め球が有るということです。戸郷投手はフォークで相手打者を振り切ることができ、投球数を増やさないピッチングができます。山﨑投手はシュートが特徴的で、スライダーとのコンビネーションで打者を打ち取っていきます。山﨑投手も投球数が少なく、来年は完投も増えるのではないかと思います。
この二人に比べると菅野投手は絶対的な決め球がありません。スライダーがかつては決め球と言えましたが、相手打者も慣れてきているので、簡単に振り切れず粘られてしまうことが増えてきています。投球数を減らすことは重要で、特にベテランになれば負担が大きくなるので重要度が増します。
昨年後半に勝ち星を重ねた赤星優志投手も、シュートを投球の軸にして勝ち星を重ねるようになっています。
菅野投手の復活の鍵はシュート
個人的には右投手の菅野投手がこれから先発投手としてキャリアを積み重ねていくためには、シュートが必要だと思います。スライダーが戻ってきてシュートが投げられるようになれば、技巧派として十分にやっていけるコントロールがあると思います。速球派と言われた投手もいつかは技巧派にならなければ難しいのは、歴史が証明しています。巨人の速球派の代表であった堀内恒夫さんや江川卓さんは、シュートが投げられず技巧派にはなれませんでした。(投げられたのに投げなかったのかもしれませんが。)
菅野投手には本格派としてのプライドがあり、ストレートとスライダーでという気持ちが強いのかもしれませんが、先発として長いイニングを投げるためには、えげつないシュートが必要だと思います。フォーム的にもスリークォーターで加齢とともに肘が下がってくると予想され、シュートは投げやすくなってくるのではないでしょうか。良い時のイメージが忘れられず、体調さえ戻ればと考えるとは思いますが、周りのレベルはどんどん上がっているので、進化がなければ埋もれてしまうと思います。
このあたりは実績抜群の投手ですので、コーチの指導よりも自ら気がついてもらうよりほかないのかもしれません。
阿部監督の起用法
このままストレートとスライダーでパワーピッチを続けるならば、ローテーションを守るよりも、リリーフのほうが良いのではと個人的には思います。何度も主張してしまいますが、クローザーをやれば現在のジャイアンツでは一番の適性があると思います。阿部監督も今の状況では、菅野投手をローテーションの表には入れることはできないでしょう。
春のキャンプで圧倒的な姿の菅野投手に戻ることは考えにくく、新しいピッチングでこの先5年ローテーションを守ることができる目処が立たなければ、ローテーションから外れる可能性さえあると考えます。
阿部監督はとても実利主義で、実績主義ではないところは今までの言動から明らかだと思います。若手の抜擢を公言していた原監督よりも、若手を重視して使う可能性が高いのではないでしょうか。
例えばローテーションの6番目を、菅野投手とドラフト1位の西舘勇陽投手が争うことになれば、力が同じならば西舘投手に先発を任せると思います。
今年必勝を目指す阿部監督ですが、若手の成長を妨げるような起用はしないと思います。ベテラン選手にチーム愛と自己犠牲を求めるのは、指揮官としては当然だと思います。
坂本勇人選手のサード転向も、チーム愛が坂本選手にあるからこそ、スムーズに行っているはずです。