ジャイアンツの丸佳浩選手が、打撃の好調を維持しています。打率は.315でヤクルトのサンタナ選手に次ぐ第2位と、昨年まで下降線を描いていた打撃が見事に復活しました。本塁打は7本と全盛期には及びませんが、徐々に打撃の改良を重ね、復活してきたと言っていいでしょう。
丸佳浩選手の変化
丸選手の打撃の特徴はなんといっても、大きくヒッチするタイミングの取り方だと思います。しかし近年はタイミングの取り方に苦労し、一時はヒッチを止めるなど、大変苦労してきたと思います。選手は年令を重ねるとタイミングを取りずらくなり、落合博満選手は年々始動を早くしてタイミングをゆったり取るようにしていました。丸選手もヒッチするタイミングがかなり早くなって、ゆったりテイクバックを取っているように見られます。特にヒッチしたバットが広島時代は素早くトップへ行っていましたが、今年はゆっくりトップに行くのが明らかに違います。年を取ると速球に遅れ気味になるという話はよく聞くので、慌ただしいタイミングの取り方になりそうですが、丸選手は始動のタイミングを早めにして、バットの動き自体はゆったりしているのが特徴的です。広島の最後の年から年々パフォーマンスを落としてきていましたが、ここにきてモデルチェンジがうまく行ったようです。タイミングの取り方の問題なので、加齢や体調などにより変化は必要だとは思いますが、変化の仕方について答えが出たのかもしれません。
7月7日で通算1782安打と2000本安打も、完全に射程圏内に入ったと言えると思います。長打力は衰えたとはいえ、盗塁をここまで5記録するなど、下半身に衰えがないのもすばらしいところではないでしょうか。35歳ともなれば重大な故障を抱えている事が多く、1番打者は務まりにくいものですが、驚きのパフォーマンスと言えるでしょう。ただ、年齢に偽りはありませんので、怪我には気をつけて欲しいと思います。
坂本勇人選手のモデルチェンジ
ファームで調整中の坂本勇人選手が、どのような方針で調整しているのかが大変気になります。今までの良かった時期の打撃を取り戻そうとしているのか、今の体型とポジションに合った打撃を模索しているのか、方針がとても重要だと思います。
細身の体から長打を放つ打撃スタイルはとても見ごたえがありましたが、限界があるのも間違いないでしょう。サードやファーストとなると、長打力も求められるため、打撃が大きくなったのは仕方がないところでしょう。リーグ全体でホームランが減ったところで、長打を求められたので大きく打撃を狂わしてしまったのかもしれません。ただ、ショートを譲った時点で長打力の強化は必須となってしまいます。肉体改造が間に合っていないということも考えられ、いずれにしろ今年のオフは打撃の大きな改造が求められるのではないでしょうか?
シーズン途中のファームでの調整で、満足なモデルチェンジができることは考えづらく、応急処置的なものが当面の課題なのかもしれません。
長打を求めるのであれば、前後の体重移動よりも回転で打ったほうが体に優しいはずで、坂本選手のワイドスタンスは、かなり厳しいのではといつも思っています。
菅野智之投手のモデルチェンジ
菅野投手も今年モデルチェンジに成功しました。スリークォーターからの投球で肘が下がっていたのを、上からに矯正してストレートの質もスライダーの曲がりも鋭くなったようです。上から投げるのでフォークも良くなって、空振りも取れるようになった感があります。ただ、腕を上げるのは腰には負担がかかると予想され、そこはケアして投げて欲しいと思います。阿部監督の起用法を見ていると、十分に考慮されているようで、非常に安心です。全盛期のように完投完封などを求められているとは思えませんので、今のペースで適度に休みを入れてシーズンを乗り切ってほしいと思います。体調不良や腰痛などでローテーションを飛ばしたことがありましたが、自然の流れなのかもしれません。
個人的にはクローザーの菅野投手を見てみたかったのと、指導者としての経験値としてリリーフも経験してほしかったというのがまだありますが、来年以降でも良いのかもしれません。菅野投手がジャイアンツを離れることはまず無いと思いますので、経験の幅を広げて欲しいと考えています。
新外国人モンテス選手加入後の阿部監督の采配
ヘルナンデスが存在感を存分に発揮しているところで、更に新外国人モンテス野手の獲得が発表されました。3Aの成績はヘルナンデスを上回るらしく、期待は高まります。内野手ということでモンテスがショートを守れるかどうかが非常に気になります。
もしショートが守れないとなると、坂本勇人選手との競争になる可能性もあります。ジャイアンツファンとしては何としても坂本選手にはレギュラーとして現役を続けてもらいたいと思う筈で、阿部監督としては非常に頭の痛い問題になる可能性があります。あまりモンテスに期待しても、外れてしまう可能性がありますが、坂本選手の復帰時期とモンテス選手の合流の時期がかぶる場合もあり、注目に値します。