巨人復活のキーパーソンは門脇誠選手 キャプテンシーが日本一に導く

ジャイアンツが2012年に日本一になってから、10年以上経過してしまいました。その間FAや外国人の補強に平均以上の資金を投下しているにも関わらず、結果が出ていません。明らかに投資金額が多いと思われるソフトバンクは、その間に6回も優勝しているのとは、非常に対照的な状況です。何故ジャイアンツは勝てなくなってしまったのでしょうか。

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原因は一つではない

戦力均衡をめざすNPBの形として、今の状況は望ましい状況だと思います。資金的に優位にあると思われるソフトバンクも、ここ3年はオリックスに勝てず、なりふり構わぬ補強に動いています。FAが機能せずに、豊富な資金による補強が機能しないこと、FAの目玉となるべき選手がメジャーリーグに流出していることが原因だとは思いますが、それだけで問題が解決するとは思えません。

監督が大きな要因か?

日本一になったチームを見ると、勝ち続けるチームには優秀な監督が、複数回勝ち続けている結果が見えます。過去十年では工藤公康さんが5回日本一になっており、優秀な監督が絶対条件のような結果になっていますが、優勝が続けば続投が基本線であり、優秀な監督がいれば十分な条件ではないと考えられます。ただ、少なくとも水準以下の監督であれば、選手のモチベーションは上がらず優勝から遠ざかることは必然です。最近のプロ野球は最下位になった翌年に優勝するチームも現れていることから、戦力の差は以前ほど大きいとは考えられません。モチベーターとしての監督の役割は、以前より高くなっていると考えて良いのではないでしょうか。

リーダーがいないチーム

一般社会では強烈なリーダーシップを発揮できる人材が乏しくなっています。上場企業の社長を見ても強烈なリーダーシップを持つ人は極端に少なく、大過なく努力してきた番頭タイプが大きな組織の上に立っているので、日本企業は総じて変革ができず、成長力が乏しい状況が続いています。

スポーツにおいては、それ以上にリーダーが不足しているようです。昭和の時代のアマチュア野球ではエースで4番でキャプテンなんて当たり前の景色でしたが、今はベンチに居るキャプテンが珍しくない状況です。どんなに野球がうまくてもキャプテンに成りたがらないのは、今の時代では当たり前でしすが、昭和の時代の少年野球は一番うまい人がキャプテンになりがちでした。

今のプロ野球でも一般社会と同じように、強烈なリーダーシップを持っている人材は数少ないと思います。12球団を見回しても強烈なリーダーシップを持っている選手は見当たりません。

熱男・松田宣浩の存在

そういった意味ではソフトバンクでチームを盛り上げていた松田宣浩さんは、貴重な存在だったと言えるでしょう。松田さんの衰えとともに、ソフトバンクが成績を落としていったのも、ある種の相関関係があるように見えてしまいます。

逆に言うと阿部慎之助監督が引退して以来、本当の意味のチームリーダーがジャイアンツにはいなくなってしまったのかもしれません。阿部監督は現役時代に明らかにジャイアンツのリーダーで、後輩投手の頭をマウンドでポカリとやるなど、その行動の善悪は別として、チームリーダーとして、強烈な存在感がありました。

阿部監督のジレンマ

阿部監督はリーダーとしてチームを引っ張っていましたが、同時に支えてくれる人がいないことに不満を覚えていたのかもしれません。監督就任後のインタビューで、キャプテンなんか置かなくても全員がキャプテンの気持ちで戦ってくれるのが理想だとコメントしていました。これは今のジャイアンツで一人でチームを引っ張っていく事ができる人材は、いないということの裏返しかもしれません。

坂本勇人選手と岡本和真選手

真のチームリーダーだった阿部慎之介選手の後任としてキャプテンになったのは、坂本勇人選手です。就任当時の様子からすると、決して自ら進んでキャプテンになったわけではなく、原監督に指名されたので渋々という感じでした。当時ジャイアンツには年長の長野久義選手もいましたが、原監督のお眼鏡にはかなわなかったのでしょう。歳を重ねるごとにキャプテンとしての貫禄が出ていましたが、なかなか大変だったと思います。

坂本選手の跡を継いだのが岡本和真選手ですが、岡本選手も根っからのリーダータイプではないようです。二人ともアマチュア時代にキャプテンをやった経験が余り無いようで、それは今の時代では珍しくない状況です。

そして残念なことにこの二人のキャプテンの時代は、日本一まで辿り着くことができていません。

門脇誠選手のキャプテンシーがジャイアンツを復活させる

阿部監督が生粋のキャプテンだったことから、キャプテンというものに思い入れがあることは間違いなく、岡本選手のキャプテンとしての振る舞いに満足していないのだろうなと思うコメントが有りました。

テレビのインタビューで門脇選手について今すぐにでも、キャプテンをやらせてみたい旨をコメントしたのです。

そして門脇選手も、キャプテンをやりたいと発言してくれたのです。今の時代先頭に立ちたいとコメントする人は稀有な存在で、大変貴重であることは言うまでもありません。

これは一般社会でも同様で、理想とする管理職像をプレイングマネージャーとして考える人達が現役の管理職でも多く存在します。しかし、管理職の目から見るとプレイングマネージャーというのは、最も低レベルの管理職でしかありません。やって見せて背中で引っ張る管理職は、管理できる人数に制限があります。これでは大きな組織は任せることができません。ジャイアンツの選手は1軍だけでも29人で、2軍や裏方まで含めれば、大企業の部ぐらいの規模があります。これを背中で引っ張るタイプのプレイングマネージャーで引っ張るのは難しく、管理職としての、言い換えればリーダーとしての適性が求められると言っていいでしょう。

今年現役ドラフトで移籍した北村拓己選手は、小中高大と主将を務めていました。特に星稜高校、亜細亜大学とアマチュアの名門で主将を務めていた経験は大変貴重です。原監督時代に多くチャンスを与えられたのは、こういった素養が高く評価されていたのではないかと推測します。ある意味北村選手は門脇選手の出現によって、他球団での活躍のチャンスを得ることができたのかもしれません。

門脇選手はまだ1年を通してスタメンで活躍したことがなく、今年の活躍も約束されているわけではありません。しかし2年目の選手に背番号5を与えたところなどを考慮すると、阿部監督が門脇選手に求めるものは、個人の成績だけでは無いと推測できます。そして門脇選手のスケール感から言うと、メジャー移籍は余り考えられず、今後10年以上ジャイアンツのリーダーとして活躍することが期待できるのです。

常勝ジャイアンツを復活させるための大きな役割を、門脇選手は期待されていると言って良いのではないでしょうか。

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