中川投手が左背部の痛みのため登録を抹消された。ここまでチーム最多の32試合に登板してきたが、例年通りの安定したピッチングはできておらず、オリンピック代表選手に選出された菅野投手とともに2軍での調整となった。
不可解な代表選手選出
中川投手は今季不調で、防御率も3.52と本来の実力を発揮できないでいる。原因は勤続疲労なのか、イニング跨ぎなどによる酷使なのかは不明だ。しかし今季のこの成績で代表に呼ばれるというのは、少し疑問符がつく。他のチームで好成績を残している投手は数多くいるし、巨人にも変則左腕の高梨雄平投手や大江竜聖投手がいる。
代表選手の選出基準は明確なものがない。あまり厳密に基準などを作ってしまうと、チーム構成の難易度が増し、結果が出ない可能性が強いので、ある程度は理解できる。
しかし、開幕まで1ヶ月を切ろうとしている段階で、1軍登録を抹消されている選手を使うというのはどうなのだろうか。
菅野投手の場合
今季２勝で苦しんでいる。ここ数年故障による離脱が増えてきており、本人もフォームの改造やプレート位置の変更などで、体の変化に対応してきている。
ペナントレースでの使われ方を見ていると、何か不安を抱えていることは明白で、とても本来の力を発揮できているとは思えない。
田中将大投手とともに、日本を代表する２枚看板という考え方はあるが、明らかに力の落ちてきている２人を選出するのはいかがなものか。
初対決が殆どとなる海外の選手相手に、果たして２人の看板は効くのだろうか。MLBで実績を挙げた田中投手はまだしも、菅野投手がそれほど海外の投手に名前だけで威圧感を与えられるとは思えない。
本人の希望を叶えた場合
稲葉監督からオファーがあればたとえ不調であっても、本人は出場したいと考えるだろう。
オリンピックを良いコンディションで迎えるために登録を抹消するとなれば、これはある意味ファンに対する裏切りだろう。中断期間が有り一定の配慮がなされてはいるが、開幕1ヶ月も前からコンディション作りのため離脱するとなると、賛否両論があると思う。
このあたり未だ話題になっていないようなのが、不思議なくらいだ。
原監督から稲葉監督に希望した場合
元代表監督である原監督から頼まれたら、稲葉監督は断れないのかもしれない。坂本勇人選手と菅野投手を派遣するから、中川投手も選手をしてほしいなどという事は言っていないだろうが、以前亀井義行外野手を押し込んだ噂があっただけに、疑ってしまう。
代表派遣を快く受け入れないチームも以前はあったようなので、代表監督も苦労しているのかもしれない。
何処の監督も酷使している投手をこの機会に休ませたいという気持ちは、何処かに必ずあるはずだ。
透明性の無い選考過程なので、後付の理由しか報道されていないが、上記のようなことがあっても決して不思議ではない。
結果がすべて
いずれにしろ選ばれたからには、良いパフォーマンスを選手にはしていただきたいと切に願う次第である。
結果が悪ければ、遡って問題を掘り起こすのが世の常だからである。
