原監督は知ってる?巨人・岡本和真はサードよりファースト 若手育成

自力優勝が消滅して、ペナント奪還がほぼ無くなったジャイアンツ。ここからはCSへのコンディションアップ、来季に向けての若手の育成、そして個人のタイトル争いが注目されていくことになります。プロ球団である以上、優勝を諦めたとは言い難いですが、若手の活躍や個人タイトル争いは、興行としては十分に価値があるものだと思います。ジャイアンツファンの多くも、若手の活躍には将来性も鑑みた中で、望んでいるものだと思います。

岡本和真選手はサードが苦手?

4年目にブレイクした年はファーストが主な守備位置で、打率3割を達成しています。今年WBCでブレイクした時も、守備位置はファーストでした。

坂本勇人選手が打線に戻ると精神的に楽になり、岡本選手が打ち出すように見えますが、半分正解だと思います。岡本選手はサードの守備につくと、打撃にあまりいい影響が出ないのです。今年サードで先発したときの打率は.278で、ファーストで先発した時は.358で1割近くも差が出ています。本塁打もサード先発では280打席で13本、ファースト先発の時は130打席で18本と大きく差が出ています。これだけ顕著に差が出ていることは、当然原監督も気がついており、門脇選手のサード抜擢は、この面も見ているのだと思います。

岡本選手はサードでゴールデングラブ賞を受賞していますが、前後左右の動きは鋭くはありません。守備についてプライドを持っている岡本選手ではありますが、原監督はこのあたりを総合的に考えて、岡本選手をファーストに使っているのでしょう。8月8日の試合もサードに守備位置が変わって、バットが急に湿ってしまいました。これは偶然ではないでしょう。岡本選手は守備にもプライドを持っているだけに、その扱いは難しいはずで、原監督は気を使って門脇選手を使っていると思います。

まだまだ足りない若手の台頭

今年秋広優人選手が大きく躍進し、門脇誠選手も準レギュラーの地位を獲得したと思います。しかし、レギュラー陣の高齢化が進んでいるジャイアンツでは、まだまだ十分とは言えません。レギュラーを張れる年数は10年前後だと思います。坂本選手のように15年もレギュラーとして出場し続ける選手もいますが、多くの場合は10年前後が限界だと思います。レギュラーが8人と考えた場合、毎年レギュラーとなれる若手の台頭が、最低一人は必要です。ジャイアンツの場合は、坂本勇人選手、丸佳浩選手が限界を迎えており、中田翔選手、梶谷隆幸選手も怪我がちです。同年代のレギュラー野手を多く抱えているため、急速に高齢化が進んでいます。そのため来年もこのままでは苦しい状況が続きます。来年も確実に今年よりも、ベテラン3人は力が落ちて怪我も多くなります。

外国人野手はもう頼れない

MLBの野手のレベルは非常に落ちています。かつてのように、両リーグとも本塁打王は外国人が続くというような事はありません。シーズンも終盤を迎えたのに、外国人選手では、15本塁打を打っているオスナ選手とポランコ選手が最高です。

ジャイアンツの場合は、今年ブリンソン選手が一番活躍していますが、来年残れるかどうかは微妙な状況で、日本人選手を育てたほうが、間違いなく総合的には上になるはずです。

この状況は各チーム同じであり、今年ジャイアンツがリリースしたポランコ選手がロッテで活躍している状況を考えると、外国人による補強は全くあてにできないと考えたほうが良いでしょう。

首脳陣は有望若手選手を見極めて!

ここ数年FAでの戦力強化はできていません。外国人も頼りにならないとなれば、若手を育成するしかないのです。門脇誠選手の例を見るまでもなく、有望な選手を見極めて重点的に打席を与えることは、育成の王道です。坂本勇人選手や阿部慎之助選手も、まとまった打席数を与えられて打撃が向上しました。

問題は必ず物になる選手を首脳陣が見極めて、打てなくても打席を与え続けることです。それも若いうちに与えなければ、成長しきれず1軍半の選手の大量生産になってしまいます。

首脳陣は若手を少ない打席数でとっかえひっかえ使うのではなく、有望選手をしっかりと見極めて、指導者としての地位をかけて起用してほしいと思います。

選手の潜在能力を見極めることができずに、少ない打席で試すような起用は、コーチの怠慢だと思います。

プロ野球は学芸会ではありません。選手全員に等しく出場機会を与える必要はありません。スターになれる素材を、確実に見極めて育てなければならないのです。「力のある選手は必ず出てくる。」というのは、見極める力がなく指導力のないコーチの言い訳だと思います。

そういった意味でジャイアンツは、ドラフト1位以外の選手が育ちにくい歴史があります。ドラフト1位の選手であれば、重点的に起用してもコーチの責任が軽くなります。長身で入団時から注目された秋広優人選手は別格ですが、ドラフト4位で躍り出てきた門脇誠選手は、そんな状況下でのスカウト陣の大ヒットと言えると思います。

いまいる若手の中のプロスペクトを、シーズンの残りでコーチの地位をかけて推薦して使い続けてほしいと思います。コーチは選手起用と推薦に、自らの能力を発揮してほしいと考えます。1軍の試合は毎年限られていて、誰もが十分な打席数をもらえるものではありません。

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