若手の育成が必要なジャイアンツの起用法 急な切り替えは無理

交流戦が終わりこれからという時に、チームの精神的支柱の坂本勇人選手がハムストリングの肉離れで、長期離脱となりました。攻守にわたってチームの柱であった坂本選手の離脱は、これまでもありましたが、その度にチームは失速していた感があります。良くも悪くも坂本選手次第というチーム状況に変わりはないようです。

ただ、坂本選手は今年35歳になる年で、加齢による衰えは目立ってきており、そのためにチームもポスト坂本を常に心にとめて強化してきた経緯があります。ここからはチームの首脳陣が来るべき時に備えて、どの様にリスクコントロールができていたかが見えるシーズンとなりました。

坂本勇人選手大腿二頭筋(ハムストリング)肉離れⅡ度

坂本選手はハムストリングの肉離れⅡ度と、診断されました。ハムストリングの肉離れは短距離の選手など瞬発力を必要とされるアスリートに良く見られる怪我で、坂本選手も内野ゴロで一塁にダッシュをしている最中に発症しています。これは加齢による衰えからくるものではなく、NFLなどでも若いアスリートがストレートに走っている時に発症することが決して珍しくありません。

Ⅱ度は筋肉の繊維が部分断裂をしており、Ⅲ度は完全断裂で手術が必要となる重症なので、軽くはないというところでしょうか。治療の目安としては4週間から2ヶ月と言われており、終盤戦に間に合うかどうかだと思います。

ショートでの出場の難しさ

右のハムストリングの故障は打撃に大きく影響すると思います。坂本選手はボールコンタクトの瞬間に、体重を残した右足で押し込むような動きで飛距離を出すことがあり、中田翔選手のように体重で飛ばす選手ではないので、復帰には時間がかかると思います。

また、ショートの守備は瞬発力が必要なポジションで、高いレベルのストップ・アンド・ゴーが要求されるため、ショートでの復帰には時間が掛かるでしょう。

内野手を経験された方ならばわかりやすいと思いますが、スローイングも蹴り足である右足に負担がかかるので、三遊間からの遠投はかなりの難易度になるでしょう。

ハムストリングの怪我は癖になりやすいので、再発は絶対に避けたい状況です。ショートとしての選手寿命が確実に来ていることの表れと、考えてもいいのではないかと思います。

ジャイアンツのこれからの戦い方

主力のベテランが軒並み不調で、加齢による疲れが見えています。

相手チームの投手にもよりますが、これからは好球必打による長打力で戦う戦術は難しいかもしれません。特に相手チームのエース級を相手にするときは。ベテランよりも守備力の有る若手を使い、粘り強い打撃によって出塁を心がけることで、球数を投げさせることが必要になると思います。幸いジャイアンツの先発陣は整備が進んでおり、大崩することが少ないので、守備を固めて後半勝負に持ち込む事が可能だと思います。そして勝負どころで経験十分なベテランに賭けるという戦い方が、トータルで見て若手のボトムアップにも繋がると思います。丸佳浩選手や中田翔選手もフル出場が続けば疲労がたまり、故障のリスクが大きくなります。中田選手に出塁率を求めても走力がないので、得点に繋がりにくくどうしても長打頼みの荒い攻めになりがちです。

序盤は若手を使って粘りと脚力で相手投手のスタミナを奪い、固い守りで自軍の投手陣をサポートして後半勝負に持ち込む方が、勝率も上がり、ファンにも受けが良くなるのではないでしょうか。

そうやってベテランの疲れを取りながら、若手の経験値を増やして、シーズン終盤に勝負に出る事が、過去2年の様に終盤失速しない戦略だと思います。

ファームの有望株のお試し期間

ファームでは実績を残している若手野手が、多く控えています。

萩尾匡哉選手

特に萩尾匡哉選手はもう一度チャンスが有っても良いのではと思います。前回はわずか7打席しか与えられませんでした。次回はある程度まとまった打席数を与えて、ファームでの実績を評価して起用してほしいと思います。他の野手と違い、ファームで確たる実績を残しているのですから、他のファームの野手と違う扱いをしてもいいと思うのです。

浅野翔吾選手

ファンの間では浅野翔吾選手も期待が高いと思います。ファームでのプレーを見ていると、確実に進化しているようですが、まだまだ力が足りないように見えます。今年中に一軍の空気を知るお試し期間があるかもしれませんが、もう少し先になるのではと思います。

ファームでは中堅の野手が、ダブついてしまっています。3軍の育成選手も力をつけてきており、競争は激化しています。実績のある中堅選手は、出場機会を求めて移籍も考慮したほうが良いかもしれません。まだまだできる中堅選手が数多くファームで燻っていますが、同じ力ならば若手に出番が回ってくる傾向が、これからは更に強まると思います。

強豪チームでなくなったジャイアンツは、育てながら戦うことが必須となりました。若手を育てる以外に選択肢がなくなったと言っても良いでしょう。

早速、今夜のスタメンが楽しみになってきました。

若手の鉄壁守備陣も見所があります。

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