FA市場の不活性化で巨人が苦境に 育成能力の欠如と若手の伸び悩み

また今年もジャイアンツの失速が、始まってしまいました。前半戦が終わりましたが、若手による戦力の底上げが成果となって現れなければ、長いシーズンを乗り切ることも、長いスパンでの戦力の増強も実現できません。残念ながら今のところ、今年も華々しい若手の活躍は見いだせませんでした。

深刻な野手不足が育成能力欠如の現れ

ブレイクできたのは増田陸選手のみ

今年1軍に定着した若手は、増田陸選手だけと言っていいでしょう。しかもレギュラー候補としてではなく、代打要員としてだと思います。坂本勇人選手の後継者を期待されて入団した増田選手ですが、守備力に不安があるのか、主にファーストでの起用が続いています。ファーストは、機動力がなく長打力に優れた選手が適切なポジションです。主に外国人の補強や、打撃力に優れたベテランが競争相手になることが多く、増田選手がファーストでレギュラーになるほどの打撃力を、短期間で身につけることは難しいでしょう。オフに徹底的に守備を鍛えて、二遊間を守れる守備力を身につけることが生き残りへの道ですが、打撃にも課題がある中で、なかなか困難な道筋ではないでしょうか。

失速してしまった松原聖弥選手

昨年活躍した松原聖弥選手は、他チームの研究に対応できず、全く通用しなくなってしまいました。3年実績を残して初めて一人前とよく言われますが、出続ける体力と、相手チームの分析と対策を上回る能力がなければ、本当の意味でのレギュラーには成れません。「頭を使え!」と亀井善行コーチが引退時にコメントしていましたが、なかなか結果が出ないようです。身体能力などは申し分なく守備力も素晴らしいので、出塁率と盗塁数が改善できれば素晴らしいリードオフマンになれると思うのですが、打ちたい気持ちが強すぎて結果が出ないようです。3割20本を打てるようなバッターではないので、もっとしつこいバッティングをして欲しいところです。昨年四球38で三振100の結果を残していますが、俊足を活かすバッティングが出来ていないと思われ、外野手として生き残る活躍は今のままでは難しいでしょう。左右は違いますが、井端弘和さんのような2番バッターになることができれば、復活できる選手であると思います。

背番号9には、必ず帰ってきて欲しいと思います。

その他の選手は実力不足

体力不足の中山礼都選手

坂本選手の離脱によって、中山礼都選手は多くの出場機会を得ましたが、まだ守備力・打撃力共に力不足は否めません。体作りも少し遅れているようで、ファームでの本塁打が1本だけというのは少し寂しいところです。182cmの身長がありながら、それを活かすことが出来ない現状は、物足りない感があります。体ができていない中で出場を続ければ、故障にも繋がりかねません。自慢のミート力も今の体力では、十分に発揮できないようです。

長打力が伸びない秋広優人選手

期待された秋広優人選手も、体作りが遅れているようです。ファームでの打率は昨年の.229から.265と改善していますが、昨年8本あった本塁打が3本と減少傾向にあります。入団時の期待が大きかっただけに残念ではありますが、まだ2年目です。長距離打者の育成は時間がかかります。村上宗隆選手のような怪物もいますが、秋広選手にはまだ時間が残されているので、体作りをしっかりしてほしいものです。

投手陣は総崩れで1軍に呼べるレベルではない

桜井俊貴投手の起用に批判が集まることが多いのですが、今のファームには桜井投手と同等以上の実力の若手投手は、ほとんど見当たりません。ファームで2~3年実力を養成して出てくる投手が、毎年最低1人は出てきて欲しいところですが、戸郷投手以降その様な投手がいない事が、問題の根源ではないでしょうか。原監督は若手に1軍での実戦の機会をあげたいと思っているようですが、そのレベルまで選手が育っていないところが、原監督の最も悩ましいところではないでしょうか。

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コーチング能力にも疑問符

今年出てきた赤星優志投手や山崎伊織投手など出だしは良かったものの、体力不足と他球団のマークにあい、通用しなくなってきてしまいました。プロの対応の力は素晴らしいものですが、それを上回る指導がジャイアンツコーチ陣に出来ていないのが、寂しいところであります。両投手とも球威とコントロールは水準に達しているはずなので、コーチングが足りない事が打ち込まれる原因の1つであるかもしれません。また初めてのペナントレースで、コンディショニングに苦労している可能性もあります。しかし1~3軍までそれぞれトレーニングコーチがついているので、コーチも力を発揮してくれているはずです。そろそろ効果が出てくる頃かもしれません。

今回、高橋尚成さんが臨時コーチに呼ばれましたが、伸び悩むサウスポーのアドヴァイスとともに、赤星投手や山﨑投手に対する適切なコーチングも期待されているのではないでしょうか。ピッチングテクニックは抜群のものがあった高橋尚成さんなので、十分に成果が期待できます。短期で結果を出すことができるのは、そのあたりではないかと推測します。

逆指名ドラフトやFAなどで育成能力の欠如を補ってきましたが、FAでの戦力補強が困難になった現状では、育成能力の欠如が顕になってきてしまったと言われても否定できない現状でしょう。FAに頼れない球団は育成のみに力を入れていたので、差がつくのはある意味当然のことかもしれません。

スパニエル
スパニエル

資金力で勝るため3軍制をとりましたが、人材などのソフトの部分の整備には時間がかかると思います。原監督の元、様々な手を打っているのですが、ソフトの強化には時間がかかります。辛抱強く応援していきたいと思います。

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