開幕から抜群の安定感でローテーションを守ってきた戸郷翔征投手が、今季最短の4回2/3でノックアウトされました。4回までほぼ完璧に抑えてきたのですが、突然打たれ出し始め、止まらない状況が続きました。この傾向は昨シーズンも見られたもので、今年も解消されていないようです。ここでは戸郷投手の投球内容についてデータを見ていきたいと思います。
【スカパー!】基本プランは初回視聴料がキャンペーンでお得戸郷投手の投球内容
防御率 | 投球回 | 打者 | 被安打 | 被本塁打 | 奪三振 | 与四球 | 与死球 | 失点 | 自責点 | 投球数 |
3.86 | 4 2/3 | 22 | 5 | 1 | 1 | 3 | 0 | 5 | 5 | 92 |
今年始めて小林誠司捕手と組んだ戸郷投手ですが、球種の割合は過去の大城卓三捕手との差は顕著ではありませんでした。しかし奪三振が1つと今シーズンの中ではかなり少なく、ゴロを打たせてとる投球内容となっていました。これが狙ったものによるのか、フォークボールとストレートの球速差ができずに空振りを取れなくなっていたのか判断できません。
最後の牧秀悟選手に打たれたホームランは、初球に真ん中低めのスライダー、2球目に真ん中外寄りのストレート、3球目に真ん中内寄りのフォークをすべてファウルされた後に真ん中のストレートを打たれたものです。球速は順に131,148,133,144kmが記録されており、逆転されて気落ちしていたとはいえ、少し雑な攻め方だったのではないでしょうか。しかも球速差があまりない攻め方で、最後の球が2球目より球速が落ちていては、打たれてしまうでしょう。小林捕手は外角低めに構えていますが、もともとアバウトなコントロールしかなく、球威で抑える投手なので、要求通りに来ないことを想定することも必要ではないかと思います。牧選手に対して1球も要求通りに来ていないのですから。
まだ高卒4年目の戸郷投手
投球回 | 打者 | 被安打 | 本塁打 | 奪三振 | 与四球 | 与死球 | 失点 | 自責点 | 投球数 | |
3月29日 | 7 | 28 | 6 | 0 | 10 | 2 | 0 | 2 | 1 | 114 |
4月5日 | 6 | 26 | 6 | 0 | 4 | 3 | 0 | 3 | 3 | 103 |
4月12日 | 7 | 31 | 9 | 1 | 10 | 1 | 0 | 3 | 3 | 117 |
4月19日 | 8 | 31 | 7 | 0 | 5 | 3 | 0 | 1 | 1 | 122 |
今年の成績をみてみると、安定している投球が続いていました。しかし戸郷投手はまだ高卒4年目の投手です。体質もあるのか187cmで80kgしかありません。ドラフト時には184cm70kgと公表されていますので、体重は10kg増えていますが、身長も3cm伸びています。他の投手と比べても体つきがまだまだ細く、成長途上の投手と言ってもいいかと思います。オフに食トレを実施したようですが、まだまだと言わざるをえないでしょう。前回の登板で122球を投げましたが、三振を5つしか奪うことができずに少し疲労が見えていたのかもしれません。
戸郷投手はある程度の球威で打者を抑えるタイプなので、球威が衰えれば痛打される事は必然です。球威の衰えはその時のコンディションなどでくるものですから、突然来たときには投手よりも捕手が先に気が付かなければならないでしょう。経験豊富な小林捕手がそのあたりを観察して、もう少し粘れるようにリードしてもらえればと思ってしまいます。ただ、小林捕手は戸郷投手とは今季初めてなので、そこの判断に難しさがあったことは間違いないでしょう。首脳陣や小林捕手が思っているほど戸郷投手の体力が、残っていなかったのかもしれません。
セットポジションなどで球威が落ちるなど、いろいろな指摘があるようですが、球団として対策を取るべきではないでしょうか。戸郷投手にすべての責任があるとは思えません。
佐々木朗希投手は登録抹消
今年高卒3年目の佐々木朗希投手は、疲労の蓄積により登録を抹消されました。佐々木投手は190cm85kgと戸郷投手と同様に、体ができあがっていません。そのため球団をあげて佐々木投手の育成に留意している事が、窺われます。同じ3年目のヤクルト奥川恭伸投手は、故障により抹消されています。ここまで大きな故障をしていない戸郷投手ですが、入団後に身長が伸びていることからも、まだまだ体ができあがっていません。ここは球団の育成例として、現場任せにしない育成プログラムの作成を始めるべきではないでしょうか。いまの戸郷投手の体格では出力が続かないことは、既に証明されていると思います。先発投手陣にも余裕があるようなので、一度早いうちに登録を抹消してローテーションを一度飛ばしたらどうでしょうか。