コロナ禍の混乱の中で、今年もプロ野球はオールスターゲームが開催されています。コロナ陽性反応や怪我による出場選手の辞退が、12人にもなってしまいました。29人が初出場ということで、新しい興味が湧くということもありますが、やはり色褪せてしまったという趣は隠すことが出来ません。
しかし、今年出場辞退が続出したからだけではなく、オールスターの魅力は減少しているのではないでしょうか。
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交流戦導入前は、日本シリーズ以外はセ・リーグとパ・リーグが対戦することは、日本シリーズでしかありませんでした。オープン戦はあくまでスター選手にとっては調整段階で、真剣勝負はありえません。そのためファンは年に一度の対戦に興味をもち、オールスターを心待ちにしたものでした。
人気のセ・リーグ実力のパ・リーグ
交流戦導入以前のパ・リーグは、人気のない時期が続き、セ・リーグの選手に対しての対抗心は並々ならぬ物があったようです。地上波の放送に露出することのないパ・リーグの選手たちが、実力を見せつけるつもりで力を入れたのは当然のことでしょう。相手が本気になれば、スポーツ選手の闘争心には火が付きます。ゲーム開始当初はお祭り気分だったセ・リーグの選手たちが、MVPなどの高額商品の魅力もあって、次第に本気モードになっていく様でした。
お祭り気分が強すぎる今のオールスター
他チーム選手との交流が多くなり、選手同士が交流を持っている現在は、お祭り気分が強すぎるようで、見どころがあまりありません。短いイニングだからと全休直球勝負を宣言する投手などがいましたが、それも少しずつ色褪せてきました。
江夏豊投手の9連続三振と江川卓投手の8連続三振
オールスターゲームの中で燦然と輝く記録は、この2つではないでしょうか。You Tubeのおかげで、今でもこれらの動画を楽しむことが出来ます。
江夏さんは頭の上の位の高さのボール球を振らしており、プロの中でも圧倒的だったことがわかります。さらには自ら3ランホームランを同じゲームで放っており、圧巻の大活躍です。
江川さんはセ・リーグベンチの盛り上がりも含めて、素晴らしい動画が残っています。クルーズ選手の空振りを見ると、本気モードの江川さんの球の凄さがわかると思います。三冠王の落合さんが2ボールから甘いカーブでストライクを稼ぐ傾向にあった江川投手に、内角ストレートで読みを外されて残念がる姿は、珍しい落合さんの姿で、オールスターならではの1場面でした。この様な名場面は毎年出てくるものではありませんが、これに近いワクワク感が演出できなければ、オールスターゲームの価値はどんどん落ちていくのではないでしょうか。
交流戦の副作用
新しいファン層の開拓や、オールドファンの活性化のため導入された交流戦は、効果も確かにありましたが、デメリットもあったようです。
オールスターに限らず、日本シリーズの価値が少し下がって見えるのも、CSだけのせいではなく、交流戦も影響していると思います。
なんでもアメリカの真似は良くないのでは
交流戦はMLBでも人気活性化のため導入されて成功しましたが、全てのチームが対戦するわけではありません。
地区が6つもあり地区優勝をかけたレギュラーシーズンのあとに、ポストシーズンがあるのでそれなりに盛り上がります。
しかし、日本は2つしかリーグがありません。しかもレギュラーシーズンで毎年対戦しているので、日本シリーズは既視感があります。
日本シリーズに進出したのが3位で負け越しのチームだったとしたら、日本シリーズの価値が下がってしまいます。
目先の利益のために、大切なブランディングが出来ないとしたら、プロ野球の発展には繋がらないのではないでしょうか。
日本シリーズとオールスターの価値を下げることは、得策ではないと思います。