日本プロ野球のジレンマ 公平とはなにか巨人とヤクルト

コロナが猛威を振るっています。各チーム陽性者が激増し、ジャイアンツは選手が足りなくなり、試合中止を余儀なくされてしまいました。一部のファンの中にはヤクルトは試合を行ったのに、ジャイアンツは試合を中止して不公平だという意見が出ています。なるほどこの事象だけを見れば、ジャイアンツは不戦敗で良いのではないかと言う意見にも一理あります。

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プロ野球に不戦敗は考えられない理由

高校野球などのアマチュア野球が不戦敗となれば、可哀相という意見が続出しますが、プロ野球は不戦敗にしろという意見が相手チームのファンなどから続出します。しかしこれは物事の本質から離れてしまう意見だと思います。

もともとプロ野球はアマチュアスポーツとは違い、興行です。高校野球は試合をすること自体が目的であって、有観客、無観客の区別などはそれほど大きな事ではありません。しかしプロ野球は、とにかく試合をしなければいけないのです。なぜならば、試合をすれば入場料が入り、放映料が入り、ファンにもアピールできます。もし不戦敗であれば、喜ぶのは対戦相手の一部のファンだけで、球団の経営者や、試合を楽しみにしていたファン、年俸アップを目論む選手たちには何の特もないからです。優勝争いが大詰めを迎えて1勝を争うならば、そこに拘る選手や首脳陣は増えてくるかもしれませんが、今のセ・リーグの状況では、誰も得をしません。例えばヤクルトの村上宗隆選手も試合数が減れば、本塁打や打点の記録が伸びなくなり、全く利益がありません。不戦勝が多かったためにシーズン60本塁打に届かなかったなどとなれば、全く残念な結果になります。投手にしても不戦勝が多くなってしまえば、最多勝争いには不利になります。力士が不戦敗となっても興行は成り立ちますが、野球の不戦敗は興行が成り立たないのです。

村上選手には、シーズン最多本塁打の記録を狙ってほしいし、三冠王の可能性もあると思います。

プロ野球における公平と平等

本来であれば、すべて自由にすれば本当の意味で、平等であり公平です。アマチュアスポーツでは殆どが平等であり、そのため強豪校と無名校との差は開くばかりです。しかしそれでは興行としての人気がなくなるので、プロ野球は一定のルールをつけています。これは平等にするためのルールではなく、試合が面白くなるための措置なのです。ドラフト制度も戦力が偏らないためのルールであり、ウェーバーを取り入れている限りは平等ではなく、公平になるように工夫されたルールです。FA制度も選手側からすれば、権利を取得できない選手が殆どで、ドラフト制度はすべての選手に適用されるので齟齬が生じています。

資金力のないチームが大きく脱落して、プロ野球自体がファンから飽きられてしまわないように、平等をなくしているのが今の制度です。そしてプロ野球が興行である限り、平等性は二の次となるのです。

そもそも興行であるために、平等性を無視してルールを作っているのですから、コロナ対応のみで、平等性を求めることは無理があります。今回コミッショナーの判断はタイミングを別問題とすれば、興行の成立のため公平に判断としたと考えるしか無いでしょう。

ルールを柔軟に変更することの大切さ

日本はルール改正が苦手な人たちです。欧米のスポーツでは、常に臨機応変にルール改正が行われます。

サッカーはオフサイドの規定が2022年7月に変更

ワールドカップが行われる大事なこの年に、躊躇なく変更です。得点がこの変更によって50%も増えると予想されています。むしろワールドカップが行われる年だからこそ、此の様な大きな変更に至ったのかもしれません。

大谷ルールの変更

MLBも大谷選手の出現によって、あっという間にルールが変わりました。同じリーグの相手チームから大谷選手のためのルール変更だと、非難するような声はあまり大きくなかったようです。やはりファンからすれば、単純に見てみたいという欲求があり、リーグが迅速に答えたということでしょう。極めて柔軟な対応です。

アメリカンフットボールは毎年のようにルール変更

NFLでは毎年のようにルールが変わります。またルールの適用の仕方についても、毎年のように基準が変わっています。たとえばパスの成功率が前年に極端に悪ければ、得点が入りにくくなるので、ファールの取り方をディフェンスに厳しく運用するように変えています。それは平等という事を目指すのではなく、試合がエキサイティングになり、ファンからの支持を受けられるようにするための措置です。

日本も独自の判断をしなければ

日本はコロナ禍が収まりません。しかし欧米ではコロナ禍を、克服したような状況です。綿密なリスク判断をして、適正なリスクを取って前に進む国と、リスク判断もできずにリスクと批判を恐れて立ちすくむ国で、大きな差が出てしまうのは当たり前のことでしょう。国そのものの成長が止まってしまっているようにみえる日本の根本原因は、このあたりにあるのではないでしょうか。給料が上がらないと騒ぐよりも、適正な舵取りを政府や企業のトップに求めるほうが、結果が出ると思います。リスクを取らず、投資もできずに内部留保という名の資金を貯め込んでいたら、成長なんてできるはずがありません。

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