野球の情報といえば、ナイター中継や新聞報道、プロ野球ニュースなどが主体で、試合の結果や短めのエピソードが主体でした。最近ではプロ野球の視聴率が下がり地上波からは、殆ど消えてしまったと言って良いようです。プロ野球の試合を存分に楽しむためには、有料のコンテンツを契約して視聴する他は選択肢がなくなってきてしまいました。これはライトなファンには少し残念な状況で、新しいファン層の獲得は、以前よりも難しい状況になっていると言っていいでしょう。
しかし、地上波での放送がなくなったかわりに、BSやCSでの放送は充実しています。試合前の練習から試合後のインタビューまで、余すこと無く視聴できる状況は、コアなファン層には有り難い状況です。
また、試合以外のコンテンツも充実の方向に向かっています。以前は選手のプライベートや意外な側面にスポットを当てたバラエティーが、試合結果以外のコンテンツでは主なものでした。しかし最近は、コアな野球ファンの欲求に答えたコンテンツや番組が増えています。
スカパー！プロ野球セット
プロ野球ニュースと球辞苑
プロ野球ニュースは地上波で放送してきたものを、CSで規模を拡大して放送しています。地上波時代よりも細かく報じるとともに、充実した解説陣で地上波時代よりも濃い内容の解説を聞くことができます。試合中の選手の思考やベンチの意図なども、経験豊富な解説陣が考察してくれるので、わかりやすくとても参考になります。
またBSで放送されている球辞苑は、細かい部分にスポットライトを当てて掘り下げるという独自のアプローチで、ディープな野球ファンを楽しませてくれます。プロ野球ニュースよりも、“コアコア”ファンの欲求に答える番組で、試合とは離れて、現役の選手が何を考えてプレーをしているのかが明らかになります。技術論も掘り下げているので、アマチュア選手のみならずプロ選手にも、参考になる部分があるようです。
この2番組は以前の地上波のみの時代より、野球選手の頭の中を明らかにしてくれます。
You Tubeは更に細かい
プロ野球ニュースも球辞苑も、限界はあります。放送コードの問題と、放送時間の問題は免れない部分です。また、地上波ほどではないとしても、視聴率とは無関係ではいられません。
しかしYou Tubeは、これらの問題と向き合わなくて良い媒体です。もちろんYou Tubeにも規制はありますが、野球を題材としている限り、それが問題になることは少ないでしょう。技術論等の細かい部分や、バットやグラブの細部、キャッチャーのリードと配球などについてのとことん突き詰めた内容が、時間を気にすること無く聞けるコンテンツは、人によっては本当に楽しめる内容です。
技術論満載フルタの方程式
ヤクルトの名捕手古田敦也さんが配信するフルタの方程式は、打撃から守備、配球に至るまで、毎回豪華なゲストを呼んで掘り下げていきます。そのゲストたちも古田さんのチョイスからなのか、独自の技術論がしっかりしていて、更に語りがうまい人達ばかりです。また、いろいろなプレースタイルの人達を選んでいて、バランスが取れた内容になっています。古田さん自身も喋りが上手いので、比較的格調高く仕上がっており、好感が持てます。楽しく下品にならない笑いの部分も適度に散りばめられており、何度も繰り返して見てしまう内容です。チャンネル登録数も36万人を超えており、既に御存知の方も多いと思われます。
キャッチャーの頭の中が解説される谷繁ベースボールチャンネル
まだチャンネル登録数が9万人で、歴史もまだ浅いチャンネルですが、バッテリー間の題材についてはとことん掘り下げてくれています。ヤクルトの中村悠平捕手や嶋基宏捕手など現役捕手の出演も有り、これからも期待できるチャンネルです。
谷繁さんを指導した大矢明彦さんとの3回は、キャッチャーが育つまでの苦労が指導者と選手の両面から知ることができて、You Tubeのある時代のありがたさを感じる内容です。
その他にも面白いYou Tubeはありますが、技術論やバッテリー間の事に関してはこの2チャンネルがおすすめです。名捕手としてプレーイングマネージャーも務めたお二人だから、説得力が抜群です。
