ファンに不誠実な解説者 巨人に必要な正直コメント 宮本慎也の存在

プロ野球がキャンプインして1週間が過ぎました。この時期話題になるのは、有望若手選手やドラフト上位指名選手の情報です。主力選手はまだまだ仕上がっていませんので、当然の成り行きと言えば当然ですね。しかし新人たちや若手たちも、まだまだ全力で練習しているわけでは有りません。この時期OB解説者などは、新人や若手を手放しで称賛することが多く、メディアもそういったコメントを好みます。未だ実践を行っていないので、本当のところは何もわからないというのが、当たり前の話ですが、話題不足のこの時期はこういった希望的なコメントが多くなります。

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打者より投手がもてはやされるこの時期

対戦競技ではあるのにゲームがない時期に、練習で話題にしやすいのが投手です。打者の場合はフリーバッティングで柵越でも連発すれば、マスコミはこぞって取り上げますが、そんな打者は今の日本には存在しません。打者も柵越にこだわって練習する選手は少数派で、フルスイングを続ける選手はいないでしょう。初戦は打たせるためのフリーバッティングで真価は全くわかりません。

しかし投手については、ブルペンである程度の評価が出来るようです。解説者が若手投手についてコメントしていますが、前向きなコメントが多くなるのは当然の話しで、ファンも期待を膨らませてくれるコメントを、望む傾向にあるでしょう。

異彩を放った宮本慎也さん

辛口コメントの発信の損得

巨人で注目されている若手投手は、トミー・ジョン手術明けの堀田賢慎投手と山崎伊織投手、それにドラフト上位で指名された3選手のようです。特に堀田投手とドラフト2位の山田龍聖投手、ドラフト3位の赤星優志投手が多く取り上げられています。巨人のOB解説者はもちろんのこと、他の球団OB解説者も甘めのコメントが続く中で、ヤクルトOBの宮本慎也さんは比較的に辛口のコメントを発信していました。3投手ともに良い部分を指摘すると同時に課題も指摘し、現時点では短いイニングでは通用するが、“先発できるようなレベルには達していない。”とコメントしています。

当然若手投手たちも仕上げている途中の段階なので、これからの上がり目があると思われますが、こういった辛口のコメントは、目を引くこととなります。宮本さん自身は注目を引くためにわざと辛口のコメントをすることはないでしょう。どちらかと言えば煙たがられるようなコメントであり、ファン受けが良かったり、マスコミの好んだりするものではないので、他の解説者たちはこの様なコメントは少なくなります。まして宮本さんはジャイアンツのOBではないので、辛口のコメントは控えるはずです。

こんな環境下でも正直なコメントを発信してくれる宮本さんに、私自身は好印象を持っています。

指導者としての宮本慎也さん

今回立浪新監督が就任にあたって、PL学園の後輩に当たる宮本さんをヘッド格で迎えるのではないかという予想が私の中では有りました。もう一人のヘッド格での入閣が予想された井端弘和さんが就任しなかったのは、宮本さんとの調整段階で、タイミングを逸してしまったのではないかと勝手に推測しています。

ヤクルトの生え抜きOBで監督候補である宮本さんですが、高津臣吾監督の日本一達成により、その実現時期は遅れそうです。立浪さんが宮本さんの現場復帰を促すためにも、入閣をすすめても全く違和感は有りません。しかし、ヤクルト球団も宮本さんを他球団に流出させるような形は、取りたくないのではないでしょうか。

ジャイアンツのOB解説者

原監督が大きな存在となっている中で、ジャイアンツのOBは小粒になっていきます。原監督に異を唱えられるOBは、現状では殆どが第一線を離れてしまっています。本来であれば、ジャイアンツの未来を憂うOBが、宮本慎也さんのような正直なコメントを発信しなければならないと思うのですが、全く見当たりません。この現状は原監督の望む状況ではないでしょう。ひょっとしたらマスコミ向けとは別に、原監督に辛口のコメントをしているOBはいるかもしれませんが、それでは器量が小さすぎます。さらに言えば、ファンに対しても不誠実と個人的には思います。

是非ジャイアンツOBでも、宮本慎也さんのような愛のある辛口コメントを広く発信してもらいたいものです。宮本慎也さんは優勝したヤクルトの選手に対して、外部の立場から愛ある辛口コメントを発信しています。この事実は連覇を狙うヤクルトにとって、良薬であるのではないでしょうか。

三連覇を逃したジャイアンツの隠れた要因は、この様な事もあるのではないでしょうか。

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