佐々木朗希投手を犠牲者にしないで欲しい NPBと選手会の不作為

佐々木朗希投手がキャンプイン目前になっても、ロッテ球団と契約が更改されていないと報道されています。最近の報道によると、佐々木投手は選手会を脱会しているようで、若手では唯一の存在としてクローズアップされてしまっています。様々な情報が乱れ飛ぶ中で、佐々木投手は現状沈黙を守っています。プロ野球ファンとして心配なのは、佐々木投手にダーティーなイメージが付いてしまうことです。

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ファンにはわからない内幕

佐々木投手を取り巻く環境も含めて、一般のプロ野球ファンには正しい情報が伝わりません。2024年のポスティングによるMLBへの移籍を、佐々木投手が要求しているのではという報道がメインとなっていますが、最近になって急に広く報道され始めたのが、佐々木選手による選手会の脱退です。報道によると2023年度から既に脱会しており、いままで広く報道されていなかったのですが、未更改の情報がクローズアップされた事により、光が当たったということでしょうか。選手会の脱会と今回の未更改は直接関係ないとは思いますが、佐々木投手側の考え方が、その他大多数の選手とは大きく違うということは、推測できます。佐々木投手はまだ22歳の若者であり、一人ですべてを判断するのは難しく、周囲にいる人達には相談の上動いているということだけは、容易に想像できます。

心配な佐々木投手のメンタル

佐々木投手は甲子園を目指す地方大会の決勝を登板回避したり、2戦連続完全試合を目前で回避したりと、周囲を驚かす判断で話題になってきた選手です。ある程度自分をしっかり持っていなければいずれも難しい判断で、高校生があの判断を下すことは中々できないことだと思います。プロになり周囲にいる大人もいろんな人がいるとは思いますが、最終的に判断を下すのは佐々木投手です。周囲を驚かすような判断をすれば、それに伴うプレッシャーも佐々木投手にかかってくることになり、はねのけるのは並大抵のことではありません。高校時代の判断や完全試合の回避など、賛否両論の議論がされてきましたが、内部情報まではファンまでには伝わりにくく、見守ることしかできないというのが今までの状況だったと思います。

今回は以前の佐々木投手の判断とは違う

今回の未更改の問題で、本当に佐々木投手がロッテ球団とポスティングについて揉めているとしたならば、内幕を知らないファンでも客観的な状況は概ね把握できます。地方大会の決勝や完全試合の時に、コンディションの問題で投げられなかったというのであれば、それは佐々木投手だけにしかわからない状況であり、周囲も納得できるでしょう。しかし、今回の問題は刹那的な判断ではなく、長期に渡る契約の問題です。今までの佐々木投手の残してきた客観的な実績と、今回の外部から推測する要求との対比において、周囲は批判することができてしまいます。今までの判断よりも今回の件は、よりプレッシャーが掛かるであろうと推測できますし、批判が強く出るかもしれません。佐々木投手とその周囲にいる方は、その辺りも十分考慮に入れているとは思いますが、ファンとしては心配にならざるを得ません。

ルール作りができていないNPBの責任

今回の問題は、ルールをきちんと整理できていないNPBにも問題があるのではと思います。ポスティングについては入団後何年間は利用できないなどの縛りがないため、今回のような問題が起きてしまっています。大谷翔平選手が入団5年でメジャー移籍した実績を作っているので、佐々木投手が同じことを要求しても問題ないと判断しても間違いではないはずです。”球団に恩返しをしてから”などという曖昧な価値観を振りかざしても、ビジネスの世界では通用しません。もし佐々木投手が2024年でメジャーに移籍したならば、今後も同じ様な要求をする選手が出てくる可能性は否定できません。

大谷選手の場合は入団時に日本ハムとなんらかの取り決めがあったのかもしれませんが、今回のような事を予想して、ルールを設定しておくべきだったのではないかと思います。そういった意味においてはルールの不備により佐々木投手は被害者であるとともに、先駆者にもなり得る位置にいます。佐々木投手とその周辺が先駆者たることに意味を見出していれば、周囲のプレッシャーも跳ね除けることができるでしょう。

プロ野球選手会の意義

選手会ももっと活動を活発化しなければ、入会することに意味を見いだせない選手が出てきかねません。いままで先輩たちが勝ち取ってきた権利は、選手会の確たる実績です。そこは当然リスペクトするべきであり、ほとんどの選手たちが入会している事実につながっていると思います。しかし、今回の佐々木投手のケースについて明確にNPBと議論していなかった事は、選手会にも原因があったと言ってもいいと思います。佐々木投手が今回の問題で選手会に助けを求める事ができなかったのは、事実でしょう。(あるいは議論してほしかったのに取り上げられず、脱会したのかもしれません。)

FAの人的問題やDH制のセ・リーグ導入など、選手会はもっと新しい問題に取り組んで欲しいと思います。DH制は選手寿命が伸び、レギュラー人数が増え、投手が打席に立たずバント練習もしなくて良くなるなど、選手にとってメリットが多いのに、何故要求しないのでしょうか?FAの人的問題は、FA制度の使いにくさを助長しているのは明白です。

選手会には交渉の専門家を雇うなどの努力を、もっとして欲しいと思います。

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