ジャイアンツの前監督の原辰徳さんが、ジャイアンツの不動の4番の岡本和真さんに、4番の品格を求めました。4番は聖域とかつて言った原さんが、ある程度の考えをもって発言したことに意味はあると思います。しかし、4番の品格というものは何なのか疑問の残るところで、対象となった岡本選手は、少し可愛そうな気がします。
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ジャイアンツの4番は聖域だと原監督は言いましたが、その時の主なジャイアンツの4番の系譜といえば、川上哲治さん、長嶋茂雄さん、王貞治さんでしょう。長く4番を努めて引退した原辰徳さんは、引退時に前任の3人から教わった、または受け継いだものをさして4番の品格と言ったと考えられます。生え抜きのジャイアンツの4番打者として、技術や成績とは別に、精神的なものや言動、人格も含めて品格と言ったのかもしれません。これはファン目線で見て理解できるものから、当事者でしかわからないものまで幅広くあると推測でき、それらを統合して”4番の品格”と言ったと推測します。
過去の4番バッター
ジャイアンツ生え抜きで400試合以上の4番を務めた選手は、別表の8人だけです。生え抜き以外ではアレックス・ラミレスさんが511試合を務めているだけで、名前を見れば錚々たるレジェンドばかりです。原さんが1066試合を務めており、その数字にプライドを感じるのは当然のことでしょう。原さんも長嶋茂雄さんや王貞治さんの姿を見て学び、薫陶も受けたことでしょう。原監督が岡本選手に4番の品格を求めるのは、当然のことだと思います。
選手名 | 4番の試合数 |
中島治康 | 410 |
川上哲治 | 1658 |
長嶋茂雄 | 1460 |
王貞治 | 1231 |
原辰徳 | 1066 |
松井秀喜 | 470 |
阿部慎之助 | 505 |
岡本和真 | 729 |
岡本和真選手は誰から学ぶべきだったか
岡本選手は松井秀喜さんとは接点がなく、阿部監督よりも試合数は既に上です。監督としてあるいは4番の先輩として、岡本選手を導かなければいけなかったのは、他ならぬ原さんだったのではないでしょうか?ジャイアンツの4番が聖域であるならば、それは長く務めた人にしか、わからないものが必ずあるはずです。しかも直近5年は原さんが監督を努めており、もし岡本選手に4番の品格を求めるのであれば、長嶋茂雄さんが松井秀喜さんを指導したようなものが、原さんから岡本選手に伝授されていなければならないはずです。しかし報道を見ている限り、岡本選手と原監督の間に師弟関係のようなものは無いように感じます。もしそんな関係が築かれているならば、マスコミに今回のようなコメントはしないでしょう。監督在任中に直接教えることができるはずで、マスコミへのリークは不要だと思います。
辞めた直後の意見はいらない
球団のOBがチームに意見を言うことは、悪いことではないと思います。貴重な意見も、全く無価値な意見もあるでしょう。しかし、チームを辞めた直後の意見はどうなんでしょうか?あまりにも内情を知りすぎた人が、直ぐに内情をバラすような話は、チームに残っている人から見ればどんなふうに映るのでしょうか?もし、球団に裏切られ追放されたのであれば別ですが、表向き円満に辞任したのであれば、守るべき仁義があるのではないかと思います。何があってもチームに残って頑張る人達を、陰から支えるのが美しい引き際だと想います。
今回の原監督のコメントについて
原さんはファンを大切にし、その延長線上でマスコミにもリップサービスをする人だと思います。しかし、リップサービスのあまり、チームに余計な影響を与えるようなことはしてほしくないというのが率直な気持ちです。多くのファンがどのように思うのかは私にはわかりませんが、少なくとも個人的にはそう思います。
5年間の原前監督時代に岡本選手は4番をほとんど守り通したと言っていいでしょう。そんな中で4番としての品格を求めるならば、在任時にするべきであって、それがもしできなかったのであれば、指導が行き届かなかったことでもあり、辞任後にコメントするのは違和感が残ってしまいました。
原さんが4番を務めていた頃は、直言的な指導も可能な時代で、今はなかなか指導が難しいと思います。選手と監督の関係もかなり今は違うでしょう。しかし、だからといって辞任の後に品格を求める、もしくは品格が足らないと指摘するようなことは、岡本選手からしたら辛いだけではないでしょうか。
選手と監督との立ち位置でさえ指導が難しいのに、辞任後の立場で苦言を呈するのはもっと伝わりにくいのではないかと思ってしまうのです。
メディアの責任
今回この情報を出したのは報知新聞です。報知新聞はいわばジャイアンツの身内のマスコミです。他社を出し抜くような情報を出したいという気持ちは理解できますが、内紛を助長するような情報は出し方に気をつけないといけないと思います。今回の書き方は原監督から見れば、岡本選手への期待の裏返しなのかもしれませんが、岡本選手から見れば、現在の岡本選手の否定です。否定するならば、監督の立場のときにするべきであり、報知新聞はもう少し書き方を考えなければいけないと思います。