後半戦開幕 巨人の原監督の英断 ドラフト占う井上溫大投手先発

惜しくも交流戦の優勝を逃したジャイアンツですが、原監督は驚きの若手起用を決定しました。今季期待されながらも開幕前に左肘に故障を発生したため、2軍で調整していた井上溫大投手を、後半戦の開幕戦に先発させることを発表したのです。

後半戦の開幕戦は交流戦から4日間のインターバルが有るため、先発投手のローテーションには余裕があるのですが、あえて今季初先発の井上投手を、先発に立てた事には驚きました。

井上溫大投手に期待するもの

井上投手は上背は大きくないものの、ストレートで勝負できる左の本格派です。

ジャイアンツの現在の先発ローテーションには、グリフィン投手と横川凱投手がいますが、横川投手は技巧派と言えるでしょう。

タイガースやベイスターズは本格派の左腕がローテーションで活躍しており、ジャイアンツはかなり見劣りがします。

セ・リーグの防御率を見ても、阪神・大竹耕太郎投手、広島・床田寛樹投手、阪神・村上 頌樹投手と、1~3位までが左腕投手です。ベスト10も5人までが左投手で、数の割には活躍が目立ちます。

タイガースの先発左腕は防御率が2.02で先発右腕が3.28。

ベイスターズは先発左腕は3.22、先発右腕が3.73。

他チームも広島はわずかに右腕が勝っていますが、その他のチームも明らかに左腕が好成績です。

こういった状況下で、若手の本格派左腕の先発投手を育てることは急務であると考えることは自然の流れでしょう。

歴代のドラフト上位指名左腕

ジャイアンツは長年、本格派左腕の育成に苦しんできています。

ドラフトでは、2005年辻内崇伸投手、2006年金刃憲人投手、2011年松本竜也投手、2018年高橋優貴投手と1位または希望枠で指名をしましたが、大きな成功を得ることはできていません。むしろドラフト上位での高校生左腕は、あまり良くない歴史があるとも言えます。

2003年の内海哲也投手まで、20年も遡らなければ行けない状態は、異常とも言えるでしょう。

先発で長いイニングを投げられる本格派がもう一人ローテーションにいれば、高梨雄平投手や大江竜聖投手をつぎ込むマシンガン継投も少なくなります。結果的にブルペンの負担も減るでしょう。

今年のドラフト戦略への影響

そういった左腕が不足している中で、井上投手の先発としての将来性は、今年の秋のドラフト指名にも大きく影響が出てきます。最近のジャイアンツは、FAで杉内俊哉投手を獲得した後は、本格派左腕がFAで取れなくなっています。そのため豊作と言われる今季のドラフトは、豊作だけに戦略が非常に大切になります。今年も優勝が難しい中で、1位と2位での失敗は許されません。これからアマチュアの試合が多くなる中で、左腕の目処が立つかどうかは非常に大きな問題です。水野スカウト部長を筆頭とするスカウト陣は、最近好指名を連発していますが、それもチームの方針がはっきりしていれば、更に効率が上がる筈です。

抜け目のない水野さんなので、チームの方針の先読みは十分にしているでしょう。後半戦で井上投手の目処が立てば、大きく方針を変えることも有ると思います。2023年のドラフトでは東洋大の細野投手が左腕の目玉と見られています。しかし、水野スカウト部長は明徳義塾の代木大和投手を下位で指名するなど、左腕投手を見る目にも信頼が置けます。これからのスカウト活動にも、大きく影響がある後半の開幕戦ではないでしょうか。

後半戦のジャイアンツ

ファームの試合を見ると、若手の成長株が出てきています。

長野久義選手、中島宏之選手、松田宣浩選手も、若手の手本となるべく元気いっぱいです。しかし、1軍の優勝の望みがなくなれば、彼らベテランの活躍の場はなくなり、一気に若手にシフトすることになるでしょう。

体力づくりを並行して行ってきた、萩尾匡也選手や、浅野翔吾選手の出場機会も大きく増やされることになるでしょう。

ここからの後半戦は、若手の重点起用が見られる可能性があり、ジャイアンツファンにとっては将来のスター選手の台頭の時期をリアルタイムで見ることができる、貴重な期間になるかもしれません。

ファームの試合もナイターを行うなどして、ジャイアンツも力を入れており、注目に値すると思います。

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