サッカーワールドカップで盛り上がった2022年ですが、2023年はWBCが開催されます。サッカーでは20年以上ベスト8の壁を破ることができませんが、野球は何度も世界一に輝いています。他のスポーツでも日本のチームや選手が世界第1位になることは数多くありますが、サッカーは遠く及ばないのが現状です。
サッカーは競技人口が多く各国で盛んだからという理由がよく聞かれますが、それだけではないでしょう。
【50分の無料レッスン体験実施中】分割払いで専任トレーナが約月1万円【ライザップゴルフ】JFAの目標は低すぎないか
JFAは2050年にサッカーワールドカップで優勝することを、目標として掲げています。逆に考えれば、あと28年も優勝できないと考えているということです。
28年後といえば今年の小学1年生が、34歳になる年です。つまり、いまサッカーを楽しんでいる少年たちが現役の間に、日本代表がワールドカップで優勝することはないという目標です。会社で言えば22歳で入社した社員が50歳までは優勝できないと、組織のトップが認めてしまっているということです。高すぎる目標を掲げることは程度の問題ですが、低すぎる目標は組織の成長を妨げます。
2030年にベスト4
これもまた低すぎる目標ではないでしょうか。後2大会で階段を一つずつ登るだけという目標は、スポーツの目標としては保守的すぎると思います。
日本でゴルフ、野球に継ぐ競技人口を誇るサッカーにとっては、あまりに低い目標ではないでしょうか。
サッカーが強くなれない理由
サッカー界では真の意味でのスーパースターが現れていません。野球界では今までにスーパースターが何人も誕生しています。野球の本場であるMLBでもスーパースターとなった太田翔平選手が登場しましたが、その前にもイチロー選手や松井秀喜選手等の数多くの選手たちが道筋をつけてくれていました。ゴルフ界も松山英樹選手が出現して、マスターズを制覇しました。世界でトップに上り詰めたチームや選手の例は、その他のスポーツでも数多くあります。しかし、サッカーはこれだけお金と時間をかけてなお、28年後にまで世界一になれないとJFAは考えているということです。
ワールドカップ優勝に必要な最後のピース
日本のサッカー界にスターは存在しますが、いまだかつてスーパースターは現れていません。ワールドカップで上位に進出するチームには、必ずといっていいほど規格外のスーパースターが存在します。
メッシ、ロナウド、マラドーナ、プラティニ、etc. ……数を上げればキリがないほど、傑出したスーパースターが存在しました。そしてその存在を特別視して、そのスーパースターを中心としたチームづくりをして上位進出したチームは何度も優勝しています。
逆に言えば日本の代表チームは、そういう存在を許さず、全員守備のハードワークを求めるチームを歴代作ってきたといえます。
日本のチームでスーパースターになり得る技術と才能を持った選手は、ハードワークを求められて機能しなかったと思います。中田英寿選手は出番をなかなかもらえませんでした。中村俊輔選手は代表から外されました。二人にはメッシほどの技術がなかったために、特別扱いが許されなかったのかもしれません。しかし個人で局面を打開できる選手がいなければ、点をとることは極めて難しくなるのがサッカーです。
日本のアマチュアサッカー
ドリブルよりもパスを重視する傾向にある日本のアマチュアサッカーは、ストライカーの育成ができません。ファンタジスタは現れても、点取り屋が出現しにくい土壌になっています。小さい頃にドリブルで何人も抜いていた天才児が、歳を重ねることにショートパサーになってしまうのは、アマチュア時代の教育現場の責任ではないかと思います。
野球に現れる四番とエース
野球はサッカーと違ってチームスポーツでありながら、個人の戦いの積み重ねです。ピッチャーとバッターは1対1の個人戦です。そのためエースは特別な存在としてチームに君臨します。四番は勝敗を背負う存在として、打線の中で特別待遇が許されます。
そして小さい頃から野球少年、野球少女は、エースや四番を目指して個人練習に励むのです。チームでの練習が主となるサッカーとは違い、野球は殆が個人練習です。そのため努力を積み重ねることができる人はどんどん、エースや四番に近づきます。スーパースターが出現しやすい環境なのです。
スーパースターの出現しないサッカー界
サッカー界では個人練習はフリーキックぐらいとなるでしょう。中村俊輔選手が練習後にずっとフリーキックの練習をしていたことは有名ですが、フリーキックは一試合に何度もあるわけではありません。現役中に公式戦でフリーキックを蹴らずに引退する選手のほうが、数は多いのではないでしょうか。
そんな環境下でフリーキックの練習を続けた中村俊輔選手のフリーキックは芸術物でしたが、それだけでは日本代表に選ばれませんでした。
個人技を持つ選手よりもチームのために献身的なランニングをする選手が、称賛されることが多い日本では、スーパースターは出現しにくいと思います。
日本の初等教育のあり方が根源にあるならば、2050年という目標もあながち的外れではないかもしれませんね。