成長しない日本サッカー 良くやったでは進歩がない 次は世界一を

Wカップサッカーがアルゼンチンの優勝で幕を閉じました。メッシの活躍でアルゼンチンがフランスを破りましたが、その決勝戦の迫力は素晴らしいものが有りました。

日本はベスト8の夢を断たれて、厳しいものが有りましたが、日本人の眼は選手に優しく、好意的なメディアの伝え方が殆でした。しかし、選手たちはどう思っているのでしょうか?

またしてもサッカー先進国との差を実感したであろう選手たちは、前回よりも本当に進歩したと感じているのでしょうか?

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長友佑都選手の反応

長きにわたって日本代表を背負ってきた長友選手は、世界との距離感を一番肌で感じている選手だと思います。あのインテルでキャプテンまで努めた世界のサイドバックですから、トップとの距離感を肌で感じている人だと思います。その長友選手は前回大会より確実に日本は強くなっているとコメントしていましたが、本当でしょうか?

今のペースで日本が世界を追いかけていたら、いつになったらWカップを制覇できるのでしょうか。

Wカップ制覇との距離感

例えば4年後のWカップを、日本は制覇できるのでしょうか?多分今の日本代表の感覚ではその言葉は出てこないと思います。せいぜいベスト8の壁を突破したいと言う目標でしょう。しかし、そのベスト8の壁に何度跳ね返されているのでしょうか。

日本は決勝トーナメントに2002年に進出して、トルコに1回戦で負けていますが、戦績としては20年間一歩も前進していません。

20年間5大会にわたって、一歩も前進していないのです。

ドーハの悲劇を深夜に目撃している一サッカーファンとしては、今回の敗退がよくやった、感動をありがとうとはどうしても思えないのです。

20年間もこれだけ強化してきたのに、戦績として一歩も前進できていない現実を前にして、長友選手の日本は確実に強くなっているというコメントは、甘すぎるんじゃないのって思ってしまうのです。

スーパースターの出ない日本

毎回ワールドカップでは、スーパーヒーローが誕生しました。そして何処の国でも勝ち残っていくチームには、世界的なクラブチームでエースになっている選手がいます。ペレ、ベッケンバウワー、クライフ、ケンペス、マラドーナ、等など例を上げたらキリがないほど各国にはスペシャルな選手が存在しました。今回の大会でもメッシ、エムバベ、ロナウド、モドリッチなど上位に進出するチームには、スペシャルなエースが存在しています。そしてそのスペシャルな選手がいい形でボールを持った時に、チーム全体が全力で動き出します。

今回のメッシ選手は決勝以外はほとんど守備をしませんでした。攻撃時もペナルティーエリアの手前をウロウロしながらマークを外す機会を伺っていることが多く、献身的なフリーランニングなどは無いと言っていいでしょう。しかしそのスペシャルな存在を、首脳陣とチームメイトが許して、今回のチームを作り上げています。

日本にはそんな選手は今回いませんでした。すべての選手がチームのために献身的に動き、前線の選手が献身的な守備をしています。これは日本の特徴と言ってもいいかもしれませんが、そのサッカーの限界は、今回もう見えたと言って良いのではないでしょうか。

スペシャルな存在を許さない日本サッカー

日本にもスペシャルな選手は存在しました。古くは釜本選手がスペシャルな存在だったでしょう。もしかしたら釜本選手が存在したときが、一番世界一に近かったかもしれません。

最近では香川真司選手も、スペシャルになり得る存在だったかもしれません。

もっとスペシャルだったのは、中村俊輔選手だったでしょう。しかし日本代表はスペシャルな存在としての中村俊輔選手を活かすことが出来ませんでした。

中田英寿選手もスペシャルな存在となりかけましたが、当時の日本代表は規律を重んじたのか中田選手を使いこなすことが出来ませんでした。中田選手のスルーパスはキラーパス等と言われていましたが、周りの選手のスピードが足りずに、ついていけなかった様に見えてしまいました。今回上位進出したチームのパスのボールのスピードは、確実に日本代表より速いと思います。

攻撃の起点となり得る選手に守備を求めると、爆発力が無くなると思います。サッカーは延長を考えなければ90分間もあるので、常に全力でプレーするのは難しく、年齢的にベテランのモドリッチ選手やメッシ選手にそれを求めたら、チームの得点力は下がります。

毎回日本代表は本当のスペシャルな存在を許さずに、チームづくりをして跳ね返されています。もうその考え方では、上位は狙えないのではないでしょうか。

Jリーグもスペシャルな選手が見当たらない

以前は高校サッカーからスペシャルな存在にスポットライトがあたってきましたが、今はあまり話題になりません。スペシャルな存在を許さない雰囲気が、どうも日本のアマチュアサッカー界にはあるのでしょうか。

Jリーグも今はスーパースターが見当たらず、注目度が上がりません。

久保建英選手が若くから注目されていましたが、今は体力的にまだ成長過程にあるようで、スペインでスペシャルな存在にはなりきれないでいます。

スーパースターの芽を摘むな

チームワークやチームの規律は大切ではあると思いますが、あまりにそれを求め過ぎると突出した選手の芽を摘むことにはならないのではないでしょうか。アマチュアサッカー界がどのような教育をしているのかわかりませんが、チームのための献身的なプレイヤーばかりを養成しても、大切な場面で決めてくれるスペシャルな選手がいなければ、世界では勝てないと思います。サッカーは野球と違い4番打者がなく、DH制もありません。攻撃に特化した選手は日本代表には存在せず、すべての選手が献身的に動くため、攻撃に迫力を欠くような気がしてなりません。

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今回のアルゼンチンを見ていると、チームのために献身的に動くのではなく、メッシのために献身的に動く選手が多かったのではないかと思いました。

スペシャルな存在を許す指導者は、日本にはいるのでしょうか?

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