5月に入りジャイアンツのチーム状態が一気に悪くなりました。エースの菅野智之投手の右肘違和感に始まり、キャプテン坂本勇人選手の膝靭帯の損傷、好調吉川尚輝選手の肩甲骨挫傷と、攻守の要が次々と登録抹消をされる非常事態です。
【スカパー!】基本プランは初回視聴料がキャンペーンでお得非常事態とはいえない首脳陣のリスク管理能力
スポーツですから故障や怪我はつきものです。どんなに優秀で頑強な選手でも、全く離脱しない選手はいません。特に勤続疲労による故障や不調は、投手には避けられないものですし、打者は死球による怪我のリスクは常に考慮しなければなりません。また坂本選手のように長年レギュラーを務めてきた選手は、経年により故障や怪我のリスクは高まっていきます。優勝を常に目指すチームであれば、選手の離脱によるリスクは常に管理されていなければならず、慌てるようではリスク管理がなされていないとみなされます。最近は一般社会でもBCPが当たり前のものとして用意され、社内監査ではその管理状況を厳しくチェックされる時勢です。完成品のメーカーが、部品のサプライヤーを複数持つことは、最早常識と言ってもいい情勢になっています。少なくとも上場会社ではBCPのリスク管理ができないようでは、会社を経営する能力がないとみなされ、株主より退陣を迫られるのが常識です。
プロ野球の場合は全く同じとはいえませんが、少なくとも主力が離脱したときを想定して具体的なプランを持っているべきではないでしょうか。
坂本勇人選手の離脱後のプランが見えない
レジェンド級の坂本選手の代わりになれる選手は、現在の巨人、もしくは12球団を見渡しても見つけるのは難しい状況です。しかし、今の巨人は代わりの選手を取っ替え引っ替え試している段階で、言葉は悪いですが行き当たりばったりに見えてしまいます。少なくともベテランに近い坂本選手は、毎年離脱期間が増えてきているので、代わりの選手をきちんと用意しておくことが必要ではないでしょうか。首脳陣が坂本選手の離脱に備えて各控え選手を、実践を通じて攻守にわたって能力評価しておき、毎試合変えることのないように、備えておくべきだと思います。今の状況は控えの選手全てにチャンスが有るようで、競争を促しているようにみえますが、力の抜きん出た控え選手がいない状況では、ベンチも選手も落ち着きません。また、守りの要である二遊間が毎試合違うようでは、投手も落ち着かないでしょう。少なくともペナントが始まる前に、守備力の評価などは行っておくことが必要で、実戦でエラーを連発させるような起用法は、首脳陣にも責任があると思います。エラーがミスであるのか、能力不足であるのかを今は評価できていないのではないでしょうか。出来ないことを望まれる選手は、長所も消えてしまいます。ある意味被害者にもなりかねません。
試される巨人の育成力
普段からFAによる乱獲などと批判され、育成力を問われるジャイアンツですが、ここ数年はFAも少なめで、若手の育成に力を注いできたと思います。しかし、その成果が出ているかはここから試されます。特に守れる二遊間を育てているかどうかは、球団の育成力を見るためには非常に良い機会ではないでしょうか。
3~5日のファームのオリックス戦では、ショートを北村拓己選手と若林晃弘選手が守っていました。ファンとすればもっとフレッシュな若手を育てないといけないのではないかと思うと同時に、あれだけの選手を毎年指名しておきながら、二遊間の選手の評価ができていないのではないかと思ってしまいます。立浪和義監督が根尾昂選手のファームでの本塁打に際して“ショートはまず守り”とコメントしていたのが、非常に印象的です。
今年から守りの名手である川相昌弘さんが組織に加わっているので、とても楽しみではあります。