4年連続通算7度目のベストナインを、坂本選手が受賞した。通算7度目は、西武の松井稼頭央さんと並ぶ2位タイだ。(最多は吉田義男さんの9回)松井さんと歴代ショートとして比較されることが多いが、これでまた一つ松井さんに追いつくことが出来たと言えるだろう。松井さんはMLBも経験し、MLBでの7年間は主にセカンドを守っていたので、比較することはあまり意味がないが、坂本選手がまた一つ階段を上がったことは確かだろう。
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坂本選手は33歳で、ここ2年間は怪我などもあり打撃成績は下降気味だ。しかし今年は東京オリンピックがあり、ベテランの域に差し掛かった坂本選手がこの期間に休息を取れなかったことは、その後の成績に大きく影響したことは間違いないだろう。来年あたりは打率も3割に載せてくるぐらいの活躍を、期待しても良いのではないだろうか。
坂本選手は貪欲に情報を収集して打撃を改造し続けるなど、探究心、向上心に優れた選手で、若手の良い見本となっている。守備についても親交のない宮本慎也選手に教えを請うなど、その努力は続いている。2016年以降に5度のゴールデングラブ賞を獲得しており、守備範囲に少し陰りが見えるものの、その安定感は増しているとも言えるだろう。
年度 | 試合 | 刺殺 | 捕殺 | 失策 | 併殺 | 守備率 |
2007 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2008 | 144 | 199 | 422 | 15 | 66 | 0.976 |
2009 | 141 | 244 | 437 | 19 | 81 | 0.973 |
2010 | 144 | 238 | 441 | 21 | 89 | 0.97 |
2011 | 144 | 222 | 468 | 18 | 85 | 0.975 |
2012 | 144 | 244 | 450 | 15 | 89 | 0.979 |
2013 | 136 | 205 | 469 | 11 | 66 | 0.984 |
2014 | 140 | 198 | 459 | 13 | 84 | 0.981 |
2015 | 130 | 190 | 415 | 11 | 78 | 0.982 |
2016 | 131 | 213 | 405 | 16 | 91 | 0.975 |
2017 | 141 | 203 | 464 | 9 | 84 | 0.987 |
2018 | 107 | 156 | 347 | 9 | 60 | 0.982 |
2019 | 141 | 199 | 354 | 12 | 74 | 0.979 |
2020 | 113 | 176 | 288 | 4 | 65 | 0.991 |
2021 | 116 | 140 | 304 | 4 | 57 | 0.991 |
通算 | 1875 | 2827 | 5723 | 177 | 1069 | 0.98 |
宮本さんと自主トレをしたのが2012年だが、その後も守備について努力を続けていることは、記録を見ても窺える。2012年以降守備率は向上し続けており、直近2年の失策数は連続で4つという少なさだ。ショートができる選手は内野ならどこでも守れると言われることが多く、難易度の高いポジションでのこの安定度は素晴らしい。また、守備の見せ場も多いのがショートの特徴でも有り、坂本選手の脱力したフィールディングや、三遊間からの遠投などは感動すら覚えてしまう。この様にすべての面で向上を続ける坂本選手だが、今年また大きく成長した面を見せてくれた。
リーダーとしての成長
坂本選手は若くしてキャプテンの重責を背負った。2015年26歳のシーズンに、それまで8年間キャプテンを続けていた、阿部慎之助捕手の後を継いだ。来年も坂本選手は継続することが決定しているので、阿部コーチと並ぶ歴代最多となっている。お帰りなさいキャプテン 坂本勇人選手復活祭
当初、坂本選手はキャプテン就任にはあまり積極的では無かったように窺える。任期中にキャプテンの肩書の返上を、原監督に申し出ていたことも記憶している。(間違っていたらごめんなさい。)そのキャプテンの肩書を、今オフに原監督に下ろすことを打診されて、もう1年の継続を申し出たというのだ。この事は坂本選手が、チーム全体を見ることができるようになった顕れだろう。原監督には、そろそろ楽に野球をやらせたいという思いやりの気持ちはあったろう。原監督の中では既に後任の候補があっての打診であったことは、用意周到な原監督であれば間違いないと思う。しかし坂本選手は菅野智之投手や丸佳浩選手などの主力選手とも相談の上、継続を決めたようだ。自らの成績だけではなく、チーム全体の事を熟慮の上なのだから、相当な覚悟の事と想像される。
巨人というチームの特徴で、ベテランのスター選手が多く中途加入することが多く、人間関係も複雑になりがちな中で、例えば岡本和真選手に引き継がせるのはまだ酷な状況であるとの判断だったのではないだろうか。
坂本選手は令和の新しいタイプのスーパースターとなり、現役引退後も長くチームを支えてくれる存在になっていくのでは無いだろうか。MLBや他球団に行くこともなく、現役をジャイアンツで全うしたとなれば、次の時代の球団を支えていく大きな意味でのリーダーに、坂本選手は間違いなくなれる人物に成長したと思えるのである。
個人事業主と原監督はプロ野球選手を言いましたが、今回の坂本選手の思考は、組織人の思考そのものではないでしょうか。チームのことを優先して考えられる、新しいタイプの素晴らしいプレイヤーになりましたね。
一般組織ならキャプテン手当を求めてしまいますね。坂本選手素晴らしい!