高校野球球児7割減の衝撃 WBC? 大谷翔平選手のグローブの意味

日経新聞が高校球児がピークだった2014年の17万人強から、2048年には5.2万人に減るという記事を発表しました。これはスポーツ庁の推計によるもので、信頼性の高い数字だと思います。WBCで野球人気が復活したというマスメディアの論調でしたが、実際は危機的状況にあると言って良いと思います。

人数が集まらない高校野球

高校では部員が集まらなくて、単独でチームを組めなくなる学校が増えています。単独で9人集められない学校は、2012年から合同チームで大会に参加できるようになりましたが、昨年の夏の大会の都の予選では、31校11チームが合同で参加したとされています。昨年の甲子園の盛り上がりを見て、野球人気の盛り上がりを感じたファンはとても多いと思いますが、実際には地盤沈下が急激に進んでいると言っていい状態です。

少子化だけが原因ではない

少子化は大きな原因の1つですが、同じ時期で比べると、高校生の人口は34%減となっているので、少子化の倍以上のペースで高校球児が減っていくことになります。これには様々な原因があげられていますが、まずは公園や神社などでボール遊びが禁止されていることが大きな問題でしょう。昭和の時代には道でキャッチボールや壁当てをする小学生が珍しくありませんでしたが、今は見かけることが本当に少なくなりました。昭和の時代は土地柄によっては、軟球が車に当たっても大事にならず、隣の家のガラスを割ってしまっても、謝れば許してもらえることもあったほどです。今では全く考えられません。

昭和の子どもたちは9人集まらなくても野球をやった

二人ならキャッチボール、3人なら”ハサミッコ”や”フライ取り”など、狭い場所でも遊んだものでした。公園や神社で3人いれば、柔らかいカラーボールとプラスチックのバットで、3角ベースが始まりました。しかし今はボール遊びは危険だからと禁止になってしまって、締め出されてしまいます。

小学生たちには野球は難しい

小学生たちは低学年のうちは投げることさえままならないので、年長者たちに混じって少しずつ基礎的な力を自然に付けていけました。投げる取るはもちろん、ゴロなども上手くさばけるように段々となったものです。軟式のバットは重くて振れませんが、プラスチックのバットなら振ることができました。そんな事を繰り返しているうちに、技術が身に付いて、体力が伴う4年生ぐらいまでには、近所の野球チームでデビューできるようになります。4年生ぐらいでもゴロやフライは捌けるので、頭数に入れられるほどの実力に、殆の新入野球少年はなっていたと思います。

しかし今はなかなか気軽に野球をできることがなくなりました。いきなりあまり知らない人たちと野球をするのはそれなりに緊張すると思います。周りのチームメイトたちとレベルが開きすぎていて、次に練習するのが嫌になってしまっては意味がありません。しかし、サッカーと違って野球にはエラーがあり、落球があり、暴投、空振りなど、ミスがとても目立ってしまうスポーツです。この辺の事情を考えて対策をしないと、これからも高校球児は減り続けるでしょう。

スポーツ庁の掲げる対策

日経新聞を見ればスポーツ庁の掲げる対策がでていますが、お役人の考える対策は、底辺を支えるものではありません。「地域のクラブへの移行」、「シーズンスポーツ化」、「合同チーム」など減ることを前提にした対策ばかりで、底辺を拡張することにまったく言及されていません。小学生低学年が気軽に誰でも野球が楽しめるような環境を小さくてもいいので作るという発想がまったくないのが非常に残念です。

大谷翔平選手のグローブ

大谷選手が全国に”野球やろうぜ”というメッセージとともに、全国の小学校にグローブを寄付しました。日本のメディアは”大谷選手の人間性を褒め称えて終わりです。大谷選手は褒めてもらいたくて寄付したわけでは無いと思います。本当に野球を始める少年少女を増やしたいという気持ちが、学校側に伝わっているのでしょうか?

全国の小学校はどこでも野球ができるような、環境を整えているのでしょうか?メッセージ付きで寄付を受けたならば、少なくともキャッチボールがいつでもできるような環境を、自治体や学校は整備したのでしょうか?

駄目なテレビのコメンテーター達

テレビのコメンテーターが、皆同じ様に大谷選手を賛辞するのは聞き飽きました。少しは大谷選手のメッセージに対して、応える動きを促すようなコメントをして欲しいと思います。

慶応高校の夏の大会優勝を喜ぶのは良いですが、野球が裕福な家庭の子供達だけのスポーツになって来ていることに、何の問題意識も持たないのでしょうか?

米国では野球はすでにお金持ちのスポーツになっていると聞きます。

日本でもアマチュア野球ですでに最新機器を取り入れている学校と、グランドも無い学校があります。慶応高校の恵まれた施設と比べるて、他の学校との差にスポットライトを当てるメディアがあっても良いのではないかと思う時もありました。

これからの野球は、エリートやお金持ちの子供しかできないスポーツになってしまうのでしょうか?もしかしたら、もうなってしまっているのかもしれません。

人気のジャイアンツアカデミー

今、ジャイアンツアカデミーは定員が一杯で順番待ちだそうです。アカデミーに入らなければ野球ができない環境で、野球界に明るい未来はあるのでしょうか?WBCで盛り上がっても、野球を目指せるのは一部の裕福な家庭の子女だけという現実を、どう受け止めますか?

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