タイガースとの首位攻防戦でジャイアンツは、完封負けをしてしまいました。1対0の完封負けは、ベンチの無策を問われても仕方がありません。両チーム7安打という投手戦でしたが、明らかにジャイアンツにチャンスが多くあり、拙攻と言われても仕方がない部分があります。
阿部監督のベテラン頼みが不発
序盤から押しに押していたジャイアンツですが、チャンスで百戦錬磨のはずのベテランが凡打を繰り返しました。優勝争いの中でベテランの力が必ず必要になってくると繰り返す阿部監督ですが、そのベテランがチャンスをことごとく潰してしまっているのでは、起用に問題があるとしか言えません。特に相手投手がアップアップしている時に、早打ちで内野フライを上げるのは、ベテランの経験が活きているとは思えない状況でした。早打ちの野手が多いジャイアンツですが、経験値を期待されているベテランが、若手のような余裕の無さから行なう早打ちに見えてしまうのは、かなり残念な結果であり、今後の起用を考えなければならないと思います。
チャンスで何もできない坂本勇人選手
9月22日のゲームで衝撃的だったのは、坂本勇人選手が初球で狙って打ちに行ったストレートでセカンドフライを打ち上げた第2打席と、第3打席で2球目を打ちに行ってまたもセカンドフライを打ち上げたことでした。この3球は全てストレートで、相手のバッテリーからすれば、坂本選手はストレートが打てない、もしくは外野まで飛ばされることができないと判断している攻めであり、坂本選手も若いカウントから狙い球がきたから故の早打ちだったということです。しかも第2打席はインコース低目のやや甘いところで、坂本選手は捉えたと思ったはずです。第3打席はど真ん中と言っていいほどのコースでした。しかもその甘い球を右に打ちに行ってセカンドフライを上げてしまっているのは、さみしい限りです。決して大振りせずに1点を取りに行っての結果ですので、重く考えなければなりません。来シーズン体を作り直せば、まだまだ長距離砲としての可能性も有ると私は個人的に強く信じていますが・・・・・
信頼を裏切った長野久義と坂本勇人
6回は吉川尚輝選手と岡本和真選手が粘って連続フォアボールを奪って満塁としたあとに、長野選手が初球のストレートをバットを折ってインフィールドフライ、続く坂本選手は2球目を打ってセカンドフライとなんとも淡白な攻撃でした。浅野翔吾選手、吉川尚輝選手、岡本和真選手と続くスイングの鋭さと、ベテラン二人のスイングの違いを感じたバッテリーが、ストレートを自信満々に投げ込んでくるようでは、勝負は相手バッテリーには見えてしまっていたのかもしれません。満塁で開き直った感があるとはいえ、あまりのピッチングの組み立ての違いに、驚いてしまいました。ベテランなのでフリーに打たせたらなんとかしてくれるという、ベンチの期待を裏切ってしまいました。
事前にスカウティングがされているのではないか
ピンチで開き直ったようにみえたストレート押しですが、タイガースは事前に坂本選手についてストレートが打てないというデータが入っていたのではないでしょうか？9月には18打席連続凡退も記録しており、完全に相手チームに分析されてしまっていると疑っても良い状態です。一番の問題は、狙っていてもストレートが打てないとなると、速球派の投手はこれほど楽な相手打者はいないということになります。まだ、ストレートしか打てない若手打者のほうがリスクが有り、もしそのように相手から分析されてしまっているのであれば、今シーズンの上がり目は無いことになってしまいます。ここ最近の坂本選手と長野選手の打席の内容を精査して、起用を考える時期に来ているのではないでしょうか？
阿部監督の変わり身に期待
ベテランの力が必ず必要になると繰り返す阿部監督ですが、それは力のあるベテランに対しての言葉だと思います。優勝を争うこの大事な時期に、大きなミスのないベテランを使いたい気持ちは十分に理解できますが、ここはデータや科学的な数字と向き合う必要があると思います。もしベテランのスイングスピードが基準に達していないようであれば、起用は限定的にするべきでしょう。1年目の阿部監督にとってベテランを切るという仕事は大変かもしれません。若手を起用するのは育成という意味合いから失敗を消化できます。しかし、ベテランを切ることは言い訳ができず、監督にとっては難しい判断になるでしょう。
データと二岡智宏ヘッドコーチの助言
ここは勘と経験に頼るだけではなく、様々な根拠を積み上げて、起用を考えていく事が判断を軽くできるのではないでしょうか？
何でもかんでも起用に責任を持ちすぎるのは、監督として気持ちが持たないと思います。そのあたりはデータ班と、二岡ヘッドコーチの進言がとても大切になると思います。
とにかく9月23日のスタメンがとても気になります。
中山礼都選手などはここで使われなかったら、将来はありません。来年またドラフトで新人を取ってきたり、ヘルナンデス選手が戻ってくることなどを考えると、ここで存在感を出さなければ、来年はもっとチャンスがなくなるでしょう。是非ここから意地を見せてほしいと願っています。
