根尾選手は3年目のスーパースター候補である。
中日ファンはもとより、プロ野球ファンは根尾選手の活躍を、楽しみにしている。
高校時代は投げれば150キロ、打っては高校通算32本塁打、俊足強肩で非の打ち所のない、まさにスーパースターであった。
中日にドラフト1位で入団し、背番号も7を与えられ。入団時は即戦力に近い評価を与えられていたと思う。
大谷選手の成功もあって、周りは二刀流の可能性まで言及した。
しかし、頭脳明晰な根尾選手はドラフト直後の記者会見で、ショート一本で取り組むことを明言した。その時は自分の位置を理解した、評判通りのクレバーな選手だと感じたものであった。
プロは甘くないというのは、根尾選手は肝に銘じていたのであろう。
もしかしたらショートで成功した暁には、リリーフ登板などで二刀流が実現するのではないかと想像してみたものである。
プロは本当に甘くなかった。
今も決して体が出来上がったわけではないと思うが、プロ入り直後はとても線が細かった。
パワー不足は歴然としていた。木製バットにも苦労したと思う。
意外なことにショートの守備で躓いた。出場機会を求めて外野手にも取り組むこととなった。二刀流どころかショートでも思い通りにはならなかった。プロでショートを任されるということがいかに凄いことかを我々ファンも痛感した。
今年立浪さんが臨時コーチとして、根尾選手の打撃を指導した。
立浪選手は高卒一年目からショートのレギュラーを張ったレジェンドで、通算2480安打の、ミスタードラゴンズである。
果たして立浪さんのコーチングが実るであろうか・・・
オープン戦を見る限り、長打を欲しがっているため振りが大きいように感じた。
177センチの体はプロとしては、それほど恵まれているとは言えない。
しかし、高校時代に32本塁打を打っているので、長打を欲しがってしまうのかもしれない。
二刀流を諦め、ショートを諦め、長打も諦めなければいけないのか・・・
プロと高校生の壁は当たり前だが、恐ろしく高い。
ほんの一部の選手を除けば、プロ入り後に高校生時代の活躍をそのままできる選手はほとんどいない。
根尾選手は俊足のリードオフマンを、まずは目指してもらいたい。
俊足を生かして、出塁したら即盗塁!
リードオフマンとしてしっかりした地位を築いた後、体を作って長打も打てるリードオフマン、盗塁もできるクリーンナップを実現することは十分に可能だと思う。
もともと30本30盗塁だって目指せる、逸材なのである。
そのためには二刀流を諦めたように、長打も1度は捨ててもらいたい。
求められることが多いため、頭脳明晰な根尾選手でさえも、現在の立ち位置を見失ってしまってはいないだろうか。
立浪さんの通算2塁打の記録をぬいて、2代目ミスタードラゴンズを襲名してほしいものである。