メジャーから帰って来る筒香嘉智選手が、元鞘に収まりそうです。これは戦力アップを狙うジャイアンツの編成以外は、喜ぶべき結果ではないでしょうか？まだ正式発表ではないので（4月18日に正式発表されました。）、契約の内容までは明らかにされてはいませんが、マネーゲームができなくなったジャイアンツには、長い目で見ると良い結果なのではないでしょうか。
DeNAにとっても良い結果
筒香選手は横浜高校出身で高卒でDeNAに入団した、いわゆる地元の選手です。DeNAファンからは思い入れのある選手で、活躍できれば非常に良い刺激になるはずです。チームの競争が激しくレギュラーが確約されている状況ではありませんが、実力の世界で高年棒をとるのであれば、覚悟が必要であることは当然のことでしょう。若手野手の年俸を大きく超える待遇を得るのであれば、代打で満足しているようではファンの支持は持たなくなると思いますし、チーム内でも浮いてしまうでしょう。報道によると監督手形が出ているという情報もありますが、メジャー帰りとはいえ経験しているポジションの問題もあり、鵜呑みにはできない部分があります。
メジャーでは速球に対応できなかったという情報がありますが、メジャーの投手のスピードは放送を見る限り日本よりもワンランク上の様で、日本の打者が苦労するのも当然だと思います。ただ、日本のプロ野球の投手のスピードもこの5年間で格段に上がっており、5年前の成績が叩き出せるかと言えば、疑問符をつけざるを得ません。ポジション的に打つことが求められるポジションであり、そのあたりはすぐに結果が見えることになるでしょう。慣れ親しんだ横浜球場は、打者有利の球場であり、筒香選手にとってはプラスに働くと思います。いずれにしても楽しみな選手が帰ってきてくれました。
筒香選手の結果はこれからの参考になる
現在の日本のプロ野球では、メジャーを経験した野手は必ずしも結果を出せていません。投高打低の傾向は今年も変わっておらず、筒香選手と言えども打ちまくることは無いと予想します。あれだけ日本で無双状態だった鈴木誠也選手も苦戦しており、秋山翔吾選手も通用ぜずに帰国しました。秋山選手は年齢の問題もあり、渡米前の輝きを今は放つことはできていません。
32歳で帰国する筒香選手の結果は、来年からの外国人選手の獲得のための参考になることは間違いないでしょう。
かつては峠の過ぎたメジャーリーガーや３Aの若手を取ってくると成功する事がありましたが、最近は殆どの野手が結果を出すことができません。ジャイアンツもここ数年、外国人野手で定着する選手がいないことは、反省すべきところで、筒香選手の成績如何では、来季の外国人獲得はもとより、今季の緊急補強にも影響すると予想します。
若手外野手はチャンスが長くなる幸運
ジャイアンツは残念ながら外野手のレギュラーが決まっていないので、筒香選手の獲得は必要だったと思います。ただ、多くのジャイアンツファンはここまでの若手外野手の活躍に喜びを覚えており、必ずしも筒香選手の獲得を望んでいたわけではありません。ここまで度重なるFA選手の獲得による弊害を感じているのは、ファンよりも球団の編成でしょう。今回交渉期間が長く、条件闘争があったことは間違いないでしょう。かつては金銭の力や、ジャイアンツのブランド力でFA選手を数多く獲得してきましたが、それにより必ずしも強かった時代のジャイアンツを編成できたわけではありません。今回監督手形までDeNAが切ってきたのであれば、それは今のジャイアンツにできることではありません。そこまで無理をして取る選手ではないという判断は、もちろん球団にはあったと思いますし、実際にチーム内の序列などを考えると、監督手形が出せるはずもありません。今回もしそんなところでDeNAに決まったのであれば撤退は正しい決断と言っていいでしょう。
萩尾匡也選手や佐々木俊輔選手はまだ、チャンスを掴みかけている段階ですが、彼らは打つだけの選手ではありません。上位打線にふさわしい機動力や一定の守備力を持っている選手たちです。ここ数年言われている機動力不足や外野手の守備力の低さを解消できる選手であり、機動力と守備力には安定して発揮できるという魅力があります。仮に筒香選手を獲得しても、今のジャイアンツではレフトしかポジションがなく、上位を打たせることもできないでしょう。守備力と機動力が無い外野手を6番以下で打たせるならば、求められるハードルはかなり高くなります。出戻りのDeNAとジャイアンツとでは要求レベルも違うのは当然で、DeNAがある一定のレベルでオファーを出せば、ジャイアンツには獲得の必要性が低くなるのは当然の結論と言って良いと思います。
常勝を目指すジャイアンツは多方面から戦力強化について厳命されていると思いますが、今回の撤退はいろいろな面で落ち着くところに落ち着いてよかったと言えると思います。
まだ、ジャイアンツの編成は新外国人を探していると思いますが、ここ1～2週間で獲得を諦めるほどの活躍を、多くのジャイアンツファンは若手外野手にはして欲しいと思っているはずです。
