巨人・松原聖弥選手を勘違いさせるマスメディア 成長の段階ではない

育成からレギュラーを掴みかけて、背番号も「9」を一年とはいえとった松原選手が2軍に降格しました。毎年とても期待される松原選手ですが、すでに29歳となり中堅からベテランへとなりつつあります。本当に期待した選手なのですが、結局1軍の壁に跳ね返されてしまっています。

本当に天才なのか

亀井善行選手が引退のセレモニーで松原選手に対して、”あんたは天才。頭を使え。”という趣旨のメッセージを発信しました。このことが松原選手に大きく影響したのかもしれません。特に松原選手本人よりも、松原選手をとりまく報道陣やファンに影響が強く残っていると思います。亀井選手のこの言葉は、間違いなく褒め言葉ではありません。もっと踏み込んで言えば、1軍で活躍するためにはもっと考えないと駄目で、今のままでは活躍できないという戒めの言葉と言っていいでしょう。確かに松原選手は天才的なところがあって、常識では測れないところがあるのでしょう。しかし本当に天才ならば、1軍で活躍できているはずで、才能がありながら進む方向を間違えてプロの壁に跳ね返されている選手と言って良いのではないかと思います。

プロの分析と対策

1年ほど活躍しましたが、プロは出てくる選手を徹底的に分析して対策を練ってきます。2年目のジンクスとは本人の油断とプロの対策で、通用しなくなることだと思います。”3年活躍して本物。”と言われるのは、長くレギュラーを張った選手から見れば当然のことなのでしょう。

今年4年目を迎えた秋広優人選手は、昨年ブレイクしましたが、今年は1軍に喚ばれず、ファームでも結果が出ていません。昨シーズン活躍しましたが、シーズン終盤に成績を落としていたことがそのまま続いているようです。

松原選手と秋広選手は同じことを繰り返したような凡打が続き、1軍首脳陣から実力不足と思われていると思います。

秋広優人選手はまだ若手

秋広選手の場合はまだ高卒4年目で、まだまだ心身ともに大人になりきっていない印象があります。体つきもプロ入りから大きな変わりが無く、まだスイングも鈍い印象があります。守備も平均レベルとは言えないかもしれません。特に走っている姿はプロのアスリートとは言い難いような印象があります。一昔前の大型選手の様な印象で、まだまだ発展途上の選手でしょう。精神的にも成熟した大人とはいえない印象で、まだ未熟な若者と言えると思います。年齢から言えば当然でしょう。最近は高卒の選手に対して厳しく教育できる環境ではないので、この辺りは他の選手に揉まれて大人になっていくしか無いと思います。精神面の向上は、大学や社会人に進んだ方が良いケースが多いと思われますので、ここは大きな課題で、阿部監督のコメントを見ていると、この辺りも課題として考えていると思います。

松原選手に成長の余白は少ない

松原選手は既に29歳で肉体的にも精神的にも成熟した大人です。極端なことを言えばフィジカルの成長はもう難しくなってきている状況でしょう。そんな状況で松原選手は1軍で結果が出ません。天才でありパンチ力があるという印象がつけられた松原選手は、体の割にはスイングが大きい選手だと思います。時折1軍でも長打を放つのですが、確率は上がりません。特に得点圏に走者がいるときなどの好機では、大振りして失敗する印象があります。1軍の投手が細心の注意を払って挑んできた時に結果が出ないのは、偶然ではないでしょう。好機で打てないことをメンタルのせいにする向きがありますが、本当にメンタルが原因で実力が出ないのか、本気になった1軍の投手に実力で負けてしまっているのか、分析が必要だと思います。松原選手の場合は1軍でも結果を出していた時期があるので、メンタルを理由とするのは少し無理があると個人的には思います。

今回の2軍降格でもファームの試合で直ぐに結果を出しているのは、調子が悪いとかの問題ではなく、1軍の一流の投手と2軍の投手との質の違いの間でハマってしまっているのでは無いでしょうか。1軍の一流の投手を打てないこと、特に好機で打てないことを、メンタルのせいにしてしまっては成長ができないのではないかと思います。

メディアの悪影響

メディアは記事にするために”天才”、”原因はメンタル”などとして松原選手を持ち上げるような記事を書く傾向にあるようですが、松原選手本人には良い影響はないようです。2軍で長打を連発しているようですが、これを1軍でできないことをメンタルのせいにするのではなく、技術や考え方に原因を求めるようにならないと、同じことの繰り返しで時間を無駄にしてしまっている悪いループからは抜け出せないのではと心配してしまいます。

パンチ力がありボール球でも打てるイチローのような天才的なバッティングは、2軍までしか通用していません。なかなか大振りのクセは抜けないようで、構えからヘッドを効かせている様な感じで、ボール球も振ってしまっています。思い切ってバットを変えて、コンタクトに徹するようではないと、今から変えることは難しいかもしれません。

同じ様な体格の門脇誠選手や佐々木俊輔選手が1軍で使われていることに、どんな理由があるのかは誰でも分かることだと思います。

天才的と持ち上げるマスメディアに惑わされず、チームが求めている打撃をする必要があると思います。自分らしさを求めることは大切だと思いますが、間違った判断のもとでの自分らしさは虚像でしか無いと思います。

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