いよいよオープン戦たけなわですが、ジャイアンツの最大のウイークポイントに目処が付きません。昨年は魔の8回などと言われましたが、結局は大勢投手が守護神を務められなかった事が大きく響いたと思います。
復帰の目処が立たない大勢投手
未だに実戦登板ができていない時点で、開幕からクローザーを任せることは非常に難しくなってきたと思います。元々大勢投手はアマチュアの頃から怪我がちな投手です。大学時代は故障のため実績が少なく、2021年のドラフトでジャイアンツが1位で指名した際には、故障のリスクを懸念する声があった筈です。
2022年のシーズンは3連投を避けるなど故障に対するリスクを最小限に抑えることで、シーズンをクローザーとして完走しました。
2023年は3連投を解禁するのではないかと報道されましたが、WBCによる疲労から開幕戦に間に合わず、6月末に右上肢のコンディション不良で登録が抹消されています。シーズン終盤に見切り発車で1軍復帰をしましたが、故障の懸念からか球速は出ていたものの押し出すようなフォームで連続して打ち込まれてしまい、戦力には成れませんでした。
故障から回復途上に有る中で、ふくらはぎの故障で戦列を離れた今年の春季キャンプは、首脳陣にとって大きなマイナス要因では有るはずですが、阿部監督は戻ってこられないことを想定していたことは間違いないでしょう。
また、たとえコンディションが戻ってクローザーとして復帰できたとしても、3連投を解禁できるほど、故障リスクに対しての信頼性が上がっているとは思えません。
大勢投手の場合は球速の幅がなく、コントロールもアバウトなので先発ができるタイプではないと思います。
ジャイアンツはダブルストッパーが必要
今のジャイアンツの投手陣を見ると、1年間をフルに活躍できるクローザー候補は見当たりません。たとえ大勢投手がクローザーとして復帰できたとしても、優勝を狙うチームが3連勝以上を続けるためには、もう1枚抑えが必要になるでしょう。3タテができないようなチームでは、優勝は難しいというのが現実でしょう。
その場合はもう1枚クローザーが必要だと思います。さらに言えば大勢投手が復帰できなかった場合はもう1枚のクローザーがいないと優勝を狙えないでしょう。
クローザーもタイプが色々とあると思いますが、大魔神・佐々木主浩投手のように1回を12球ぐらいで終わることができて、しかも常に全力で投げることが必要でなければ、一人でも十分だと思います。
しかし今ジャイアンツで大勢投手の代役候補に上がっている、堀田賢慎投手や京本真選手は力をセーブして逃げ切れるようなコントロールは持っていません。そうなると全力投球が必要になり、球数は増えていくタイプのクローザーになってしまいます。このタイプはある程度コンディションを整えてあげないと、球威が落ちてきてしまい、怪我のリスクも増大してしまいます。結局大勢投手が復帰してもしなくても、ダブルストッパーが連勝街道を突き進むためには、必要になると思います。
菅野智之投手をダブルストッパーの1枚に
先発ローテーションの7枚目とか、中10日で投げ抹消で起用するとか報道されていますが、阿部監督は心の中に、菅野投手をクローザーで使うことを切り札として持っていると推測します。菅野投手であれば1点差の時は、全力投球で球威で抑えることができると思います。そして点差が少し開いているときや、下位打線の時はコントロールで打たせて取ることも充分にできる投球術と経験があります。
更に菅野投手は高めに球が抜けることが少なく、クローザーで致命的なホームランを避ける投球が1イニング限定ならば十分にできます。このあたりは堀田投手や京本投手とは大きな差があると言っていいでしょう。堀田投手は上から投げ下ろすタイプですが、安定して低目に球を集められる投球をしていません。これは京本投手も同じでしょう。両投手とも高めで勝負できる球威はあると思いますが、投げミスが許されないクローザーでは、コンディションが落ちてしまったときに、痛打を浴びる可能性が高くなってしまうと思います。
ただ菅野投手も肘が万全とは言い難いと思いますので、連投は避けたほうが良いと思います。
大勢投手と菅野投手をクローザーに
大勢投手と菅野投手のダブルストッパーが一番安定すると思いますが、若い力の堀田投手や京本投手を抜擢するとしても、一人守護神は避けたほうが良いのではと思います。今までジャイアンツは数々のリリーフ投手を起用してきましたが、長期間続けられた守護神がいません。阿部監督は現役時代に、疲労によって力を落としていくリリーバーを何人も見てきているはずです。言葉はあまり良くありませんが、先発投手と違い、リリーフ投手は使い捨てという感じがあります。しかし、それでも大切に使ってあげることで、長期的なチーム力は上がっていくと阿部監督に示して欲しいと思います。