インコースを攻めきれない最近の投手~2つの原因~

最近の投手は完投能力がないと言われている。

中6日なんだから135球で完投ができるなんて声も聞く。

スカパー!プロ野球セット

練習器具やピッチングマシーンの影響で、バッターがどんどん有利になっているという意見もあるようだ。

インコースを攻められない原因

阪神の佐藤外野手が開幕第2戦でホームランを打った。田口投手のスライダーを踏み込んで、バックスクリーンへ打ち込んだ。オープン戦でホームランを量産した時に、本番ではインサイドを速球で攻められるので、簡単には打たれないという見解があった。多少はインコースを攻められても、そのうち甘いボールが来るのでそれを打てばいいというのが、今の所の私見である。最近の投手は徹底してインコースを攻めることができない投手が多い。その原因は2つあると考える。

  1. 最近の投手はTV中継があるからなのか、デッドボールを嫌がる傾向にあると思う。少し古くなるが東尾投手は球威はなかったが、インコースのシュートとアウトコースのスライダーを投げ分けて251勝をあげた。その一方でデッドボールはNPB最高の165個だ。仰け反らすために体めがけてスライダーを投げて、踏み込まれないようにしていた。堀内投手はシュートは投げず、デッドボールの少ない投手だった。しかし、カーブを投げる時に打者の頭に当たる軌道からストライクを投げて、打者を踏み込ませないようにしていたと語っている。松井選手は新人の時にヤクルトの石井投手のカーブに驚いて、のけぞって倒れている。清原選手は度重なるインコース攻めに、体を鍛えて対抗した。当時のパリーグでは、まず下半身、次にベルト付近、そして肩口と4番は狙われていたそうである。最近は投手が大人しくなったためか、危険球退場があるためか、乱闘が少なくなった。
  2. プロテクターの存在が大きいのではないか。以前と違い怪我防止のため、打者は肘や脛などにプロテクターを付けている。頭にくるボール以外は余り逃げない選手もいる。頭に当てては危険球退場となるので、ピッチャーはインコースに投げる時に、低めを狙って投げるが、これは高目に投げるインコースより効果は当然落ちる。頭めがけて投げることを当然肯定するわけではないが、インコースを全く怖がらずに踏み込まれては、球威のない投手は苦しい。速球と落ち玉で勝負する投手が多くなり、インコースはツーシームで低めに集める投手が殆どだ。アンダースローやサイドスローの投手も数は少ないが、速球派が多い。

それでも重要なインコース攻め

乱闘がプロ野球の華などというつもりは無いが、体の小さい投手でも活躍できるようにもっとインコースを攻めてほしい。田口投手が佐藤選手に力勝負で行ったら、分が悪い。1打席を捨てても、徹底的にインコースを攻めたら良いと思う。かつて谷繁捕手は3連戦の頭では徹底した攻めをして、打者の調子を狂わした。昨年の日本シリーズで岡本選手は1戦目に、甲斐捕手のインコース攻めで刷り込まれたような気がする。

そんな駆け引きを楽しみに見ている、プロ野球ファンもいるのである。

炭谷捕手のリード

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