NFL2024年シーズン開始 何故オフもファンは楽しめるのか?

スーパーボウルも終わり、いよいよ2月20日から2024年シーズンが始まります。プレーオフに出られなかったチームのファンたちは、スーパーボウルをお祭り程度にみているかもしれず、すでにFAやドラフトについての予想などで盛り上がっています。

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NFLのドラフトは戦略にあふれている

今年のドラフトは才能あるQBが兎に角豊作です。この話題には何度も言及してきましたが、全米のNFLファンの現在の一番の関心事ではないでしょうか?最近の予想では、全体1位から3位まではQBが指名されることが予想されています。全体1位の指名権を保持しているベアーズが、果たしてエースQBのジャスティン・フィールズをトレードして新人QBを指名するのか、または全体1位の指名権を何処かのチームにトレードするのかで情報が入り乱れています。

ここ数年でトム・ブレイディやベン・ロスリスバーガー等の各チームのエースQBが引退をするなど、QBの入れ替わりが激しいので、話題になるのは当然のことでしょう。

今年のプレーオフを見ていても49ersを除く全てのチームが、ドラフト1巡のQBを擁しており、当然QBが豊作と思われる今年のドラフト上位の指名権を持っているチームは、あらゆる戦略をめぐらしていると思います。

NFLが素晴らしいのは完全ウェーバーのドラフトを行いながら、ドラフト指名権のトレードを等を可能にして、複雑なものにしているところでしょう。

ドラフトの仕組みがあまりに複雑なので、ライトなファンにはわかりにくいところもありますが、コアなファンの興味を尽きさせないように、戦略性を持たせている辺りが、エンターテイメントとしては素晴らしいと思います。

日本でもサッカーチームやプロ野球チームを作るゲームが人気を博していますが、NFLの場合はリアルのチームがゲーム感覚で作られているような気分になります。

例えば今年の全体1位の指名権は、USCのQBケイレブ・ウイリアムズを指名できるため、例年よりも価値が高いようで、全体位1の指名権をトレードするためには、今年の1~3位の指名権プラス、2025年の1~3位の指名権が要求されるようで、さらに現役のスタータークラスの選手が付け加えられるなどの予想がされています。

ファンのためのFA制度

日本のプロ野球ではFA制度で問題が発生しています。人的補償の問題然り、制度自体の不活性化も然りです。そして何より問題なのは、FA制度が選手と球団のための制度になっていて、ファンを無視してしまっていることです。今回ソフトバンクと西武の間で起こったことは、ファンを完全に無視してしまっています。プロテクトリストが非公開であることから、ファンを無視した密室でルール違反が行われてしまった疑惑が浮かび上がり、その疑惑が放置されています。ルールを重んじるスポーツにおいて、ルールは絶対であり、ルール違反があったならばペナルティが与えられるのは当然の流れでしょう。

NFLは日本とは対照的に、殆どの情報がファンに開示されています。サラリーの内容についても、サイニングボーナスや最低保証などが、事細かく開示されていて、その内容によってチームのサラリーキャップに対する影響がファンに晒されています。日本のプロ野球であれば、ファンにとってはサラリーの総額は気になる程度で、チームの強さには影響しません。しかし不適切な契約はNFLの場合は、ファンの非難を浴びます。この辺りもNFLのエンターテイメントとしての努力が伺えます。日本のプロ野球のように推定金額なんてことはありません。契約内容を隠したがる傾向が日本のプロ野球にはありますが、そもそもその辺りから考え直さないと、エンターテイメントとしての進化が望めないでしょう。

FA制度が球団経営と選手だけのためではなく、ファンを楽しませるものになっているところを、見習うという姿勢が感じられないのが残念でなりません。”ファンのために”などとよくコメントをするプロ野球関係者は、よく考えて発言をしてもらいたいものです。

NFLはコーチの移籍さえトレードのネタ

日本のプロ野球では考えられませんが、監督に当たるHCをNFLはドラフト指名権とトレードすることもあります。過去にはレイダースのHCだったジョン・グルーデンを、1巡2つ+2巡1つ+8Mドルでバッカニアーズが獲得しました。こうした例は他にもあって、遺恨として残るケースもあります。そうした物語を作りたがる傾向がアメリカのスポーツにはあるようで、エンターテイメントとしては最高の盛り上げ方の一つと言えるでしょう。

今年もスーパーボウルで盛り上がる一方で、全米1になったミシガン大学のHCジョン・ハーボーがNFLに帰ってくるということで、大変盛り上がっていました。結局ハーボーはチャージャースのHCとなることが決定して、AFC西はレジェンド級のHC3人が争うことになり、新米HCのアントニオ・ピアースが率いるレイダースがどのように戦うのか、大変注目されることになりました。

2月20日にはフランチャイズタグの指定が開始され、3月11日にFAの交渉が解禁、4月25日は運命のドラフトです。その間、様々な情報で盛り上がることができるNFLはスポーツエンターテイメントの王の地位をますます固めていると言って良いのではないでしょうか。

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