いよいよNFLのプレシーズンゲームが始まりました。9月から始まるシーズンに向けて、大切な時期です。8月末には53名のロースターが決まるので、そこを目指す選手たちはバリバリの本気モードです。毎年優勝チームはドラフト下位やUDFから選手が台頭してくる印象があり、チーム作りをするGMとHCの目利きが評価される時期だと思います。
昨年はチーフスが圧倒的なオフェンス力で、押し切ってしまった感がありますが、今年チーフスを止めるチームはどこでしょうか?
個人的に注目しているチームを挙げてみたいと思います。
QBアーロン・ロジャースの加入で一気に優勝候補のジェッツ
ニューヨークでは圧倒的な人気を誇るジェッツ。長年低迷しているにも関わらず、熱狂的なファンに支えられています。ブロードウェイ・ジョー以来のスターQBとして迎えられたアーロン・ロジャースは、怪我さえなければ間違いなくNo.1パサーと言っていいでしょう。パッカーズ時代に付けていた12番が空いているにも拘わらず、背番号8を背負うのは、ジョー・ネイマスへのレスペクトなのか、リスクを回避したのか微妙なところだと思いますが、大きな期待を背負っていることは事実です。
ジェッツはドラフト一巡で何人もの有望なQBを指名して、ニューヨークに潰されていきましたが、遂に完成品を手に入れるという、確実な方法を取ってきました。
スキルポジションにはスター選手を揃えており、最後のピースという形でアーロン・ロジャースが入ってきたので、今年こそはという気持ちには、ファンもチームも凄まじいものがあると思います。
ただ、一番の懸念はアーロン・ロジャースの怪我による離脱だと思います。そのため今年のドラフトではOLの強化がマストだったはずですが、指名直前のペイトリオッツの動きによって、有望なOLを取り逃がしてしまいました。いかに機動力があるアーロン・ロジャースといえども、年令による脚力と故障耐性には衰えがあり、非常に心配な部分であります。とはいえ、開幕戦でのパフォーマンスが見どころになることは間違いないでしょう。
安泰ではないチーフスの不安要素
昨年の覇者チーフスの心臓は、間違いなくQBパトリック・マホームズです。彼のゲームを支配する力は凄まじく、勝負所の強さも逸品です。昨年もシーズン終盤は怪我により、脚を引きずりながら勝ちを重ねており、勝てるQBとしてはNo.1と言ってもいいと思います。今年もチーフスは圧倒的なオフェンス力と、最後に時計を管理して見事に勝ちきるパトリック・マホームズのマネジメント能力があれば、優勝候補の筆頭は変わらないでしょう。ただ、チーフスの所属するAFCウエストは、強豪チームが多く、油断はできません。特にチャージャースとレイダースはパスラッシュの向上に力を注いでおり、パトリック・マホームズを止めなければ地区優勝が望めないということがよく分かっているのだと思います。チャージャースのボサ&マック、レイダースのクロスビー&ジョーンズは強力な布陣で、パトリック・マホームズも油断をすると故障しかねません。AFCウエストはパトリック・マホームズを止めることができるかが、勝負の分かれ目になるでしょう。
現役最高のQBといわれるジョー・バロウ
QBらしいQBと個人的に思うのが、ベンガルズのジョー・バロウです。ちょっと古い考え方かもしれませんが、モバイルでもなく、パトリック・マホームズの様な曲芸のようなこともできませんが、正統派のQBという感じがします。個人的には見ていて一番美しいQBだと思います。4年目の今年が契約の関係で、ベンガルズが優勝に一番近い年かもしれません。課題のOLの強化がどの程度進んでいるかが鍵となることは間違いありませんが、弱いOLでもなんとかしてしまっていたジョー・バロウにチームが甘えているようでは、チーフスには勝てないかもしれません。パトリック・マホームズと4Qにタイムマネジメントで勝てるのは、ジョー・バロウしかいないと信じている私は、是非今年スーパーボウルをジョー・バロウに制してもらいたいと思っています。
今年のレイダースの鍵は
今年のレイダースは長年先発QBだったデレク・カーを切ったことが、どう影響するかが見ものです。ジミー・ガロポロには大きな期待はできないと思うので、シーズン後半に今のところ評判の良いエイダン・オコネルが、成長できるかが鍵となると思います。もしエイダン・オコネルが期待外れであれば、来年のドラフトは大出血覚悟でフランチャイズQBを指名しなければならず、その場合はGMとHCの解任もあり得るので、チームづくりはまたやり直しという事態になってしまいます。ファンとしてはもう我慢の限界に近く、失敗は許されないと思います。ただ、レイダースはQBをドラフト1位で指名して、成功したことが無いので、今年の結果は非常に重大だと思います。シーズン中盤以降のQBの出来に注目されます。