今日はただただ、嘆きたいだけです。何の考察もありません。2023年シーズンを迎えて今年こそはと意気込んできたレイダースファンは、世界中にいると思うのですが、世界中に大きなため息があったのではないでしょうか？
今年こそと思っていたレイダース
長年のフランチャイズQBデレク・カーを放出して、HCマクダニエルのお気に入りのQBジミー・ガロポロを加入させて望んだシーズンでしたが、頼みのガロポロが大乱調で、1勝2敗の発進です。開幕戦で同地区のブロンコスに辛勝したのですが、そのブロンコスは現在3連敗で、第3週はドルフィンズに70対20で惨敗するという激弱ぶり。そのブロンコスに辛勝ということは、レイダースの現状もかなり悪いと考えざるを得ません。そのQBガロポロも脳震盪のプロトコルに入ったということで、早くも怪我に弱い懸念が現実のものとなってしまいました。来週はドラフト4巡のルーキーQBエイドリアン・オコネルを先発させる可能性も出てきており、早くもタンキングなどという意地の悪い観測もでてきてしまっています。GMとHCを交代させての2年めであり、本領発揮を期待していただけに、レイダースファンは勝敗そのものより、その負け方にガッカリしているのではないでしょうか。
HCとGMの手腕が大切なNFL
戦力の均衡を目指してドラフトやFA、サラリーキャップが設定されており、NFLは弱小チームが急激に強くなることができるシステムが出来上がっています。近年のNFLの盛り上がりは、これらのシステムの優秀さが大きく貢献していると言えるでしょう。これだけ良く考えられているNFLですが、チームのフロントやコーチングスタッフにはほとんど制限がありません。つまり常勝チームを作り上げるならば優秀なコーチングスタッフと編成部門が必要であり、優秀なGMやHCを連れてこれないチームは、何時まで経っても浮上できない事になります。逆に言えば長年同じGMやHCが指揮を取っているチームは、強いチームであるということになります。今現在で言えば、チーフスやペイトリオッツがその代表と言えるでしょう。
レイダースのHC事情
レイダースはかつては強豪チームでしたが、今は見る影もありません。それは優秀なHCがレイダースのコーチをやりたがらないという、実情があるのではないかと思います。私の個人的な考えですが、それはアル・デイビスがGMを務めていた時に始まっていると推測します。アル・デイビスは若く才能のあるHCを抜擢しましたが、それと同時に戦術にも口を出していました。今ではあまり見かけなくなったロングパスに重きをおいた戦術を継承するように要求したように思います。そのためNFLの戦術の波に乗り遅れて、弱体化が始まったと記憶しています。そしてその評判は、新しいHCを探すときにも悪い影響を与えたと思います。実績のある優秀なHCはアル・デイビスとの関係性を考えて、HC職を受けなかったと思うのです。そのため若いHCを数多く採用したのですが、経験不足からか殆どが成功しませんでした。ただ一人ジョン・グルーデンだけが成功しましたが、ドラフト指名権とトレードで放出してしまいました。このあたりも人間関係で上手くいかなかった可能性があります。HCジョン・グルーデンはレイダースのHCとして復帰しますが、不祥事でシーズン途中に職を失いました。
オーナーはアル・デイビスから息子のマーク・デービスに変わりましたが、今回のHCマクダニエルも評判は芳しくありません。もともとOCとしての実績は有るものの、HCとして1度失敗しており、その能力に疑問符が付けられていましたが、ここまでの実績を見ていると、ファンの怒りは収まらないといった状況です。
大型トレードの失敗
最近のNFLはQBやWRを巡って大型トレードが頻発しました。最も成功したのはラムズがQBマシュー・スタフォードをライオンズから獲得して、スーパーボウルを制したことでしょう。しかし、ドラフト指名権を多数手放したことも影響して、今は再建期となっています。今シーズンは大型トレードでWRタイリーク・ヒルを獲得したドルフィンズが好調ですが、ドラフト指名権を多数手放したので今年勝てなければ再建期に入る可能性は、否定できません。また、ブロンコスやブラウンズもフランチャイズQBを獲得するため、主力選手やドラフト指名権を放出しましたが、早くも再建期に入ってしまい、成功とは言い難いでしょう。ブロンコスのQBラッセル・ウイルソンは年齢も高いので、チームが出来上がる頃には下り坂の可能性もあります。
トレードは足りない最後のピースでなければ意味がない
ラムズのように、QBさえいればスーパーボウルがとれるというならば大型トレードは意味があると思いますが、チーム状況がガタガタなのに、QBだけをとってきても成績は上がりません。レイダースもWRダバンテ・アダムスを大型トレードで獲得しましたが、QBが定まらない中でWRを獲得しても試合には勝てません。昨年QBデレク・カーとWRアダムスのフレズノステート大学コンビで勝てなかった時点で、この戦略は失敗と言わざるを得ないでしょう。
今年スキルポジションが万全の状態で、QBアーロン・ロジャースを大型トレードで獲得したジェッツも、オフェンスラインの強化ができていなかったため、たった4プレイでQBロジャースが、アキレス腱を断裂してしまいました。QBやWRの大型トレードは劇薬でも有るので、見極めることができないGMはそのままチームを破滅へと導くことになると思います。
結局は優秀なGMとHCが必要
結論を言ってしまうと、優秀なGMとHCを雇うことができなければ、そのチームは浮上できないでしょう。戦力均衡の制度が整えば整うほど、GMとHCの力は大きくなります。レイダースの長年の不調は、間違いなくそこに有ると思います。
