何故NFLは野球より人気があるのか スポーツビシネスとしての成功

米国のスポーツ事情をご存じの方であれば、NFLの人気がMLBよりも数段上であることは、常識だと思います。そしてスポーツビジネスとしてもNFLはとてつもない成功を収めており、今年スーパーボウルを制したチーフスのQBパトリック・マホームズは年俸は約40Mドル(日本円で約52億円)です。野球と比べてNFLは試合がコンタクトスポーツで過酷だとはいえ、レギュラーシーズンは17試合しかないにも関わらず、これだけの年俸を稼ぐことができます。スーパーボウルを制したチーフスの2022年のサラリーの総額は、222.5Mドルで

1試合に10万人規模を集めるスタジアムがあっても、これだけの年俸を叩き出せるビジネスの手法は、米国スポーツビジネスのスポーツビジネスの凄まじさを感じざるを得ません。

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選手の年俸の公開をしない日本プロ野球

日本のプロ野球では、選手の年俸は公開しません。チームが選手の年俸にいくら使っているかも公表されません。MLBではNFLほどハードではありませんが、ソフトなサラリーキャップ制が採用されています。そのためNFLやMLBは選手の年俸や契約内容が、金額面については公開されています。

このあたりに日本プロ野球がプロスポーツとして発展できない、根本的な理由があるのだと思います。米国のプロスポーツは、スポーツビジネスとして成功しているのに対して、日本のプロ野球は”興行”の域から抜け出せないでいる現状を認識することから始めていかないと、どんどん日本のプロ野球は置いていかれてしまうのではないでしょうか。

チーム作りから楽しめるNFL

NFLはサラリーキャップが決まっています。つまり各チームが使えるサラリーには上限が毎年設けられます。したがってチームを編成する中で、GMとHCを中心としたチームが選手の適正な年俸を考えて、選手を獲得しチームを作っていくのです。そのためGMとHCの手腕が、チームの成績を大きく左右する事になります。つまりファンはGMやHCと同じ目線で、チームづくりから楽しむことができるようになっているのです。このあたりに米国プロスポーツの懐の深さが有ると思います。

オフシーズンも楽しめるNFL

レギュラーシーズンが終わり、プレイオフが開始される1月は、プレイオフに出場してスーパーボウルを目指すチームのファンは、熱狂する週末を勝ち進む限り毎週迎えます。しかしプレイオフ進出を逃したチームのファンは、すでに来シーズンへのチームづくりに目が向いているのです。

最初はGMとHC(ヘッドコーチ)選びから

選手の年俸にサラリーキャップはありますが、GMとHCにはありません。従って、チームのオーナーは優秀なGMとHCを選ぶことから始めます。ここではファンも一体となって、「あーでもない、こ~でもない」と、チーム作りを楽しむのです。

日本のプロ野球ファンからは考えられないかもしれませんが、優秀なHCを他チームから引き抜くために、チームは未来のドラフト指名権を差し出すことも有るのです。それも1巡指名権を含む複数指名権を差し出す場合もあり、それだけHCはチーム作りの上で、重要だということです。

FA戦線とドラフト戦線は注目の的

HCの異動でさえ取引の材料にされるのですから、スター選手のトレードやFAは注目の的です。特にG.O.A.T.トム・ブレイディの去就やQBアーロン・ロジャースのトレードなどは、毎日のように情報が溢れ報道されます。所属チーム以外のチームのGMと面談したことなども、情報は包み隠さず報道され、「ロジャースがラスベガスに家を買ったらしい。」等の情報もまことしやかに報道されます。オフの間もNFLは注目の的なのです。

オフの最大イベントのドラフト

4月に行われるNFLのドラフトは、全米注目の大イベントです。3日間にわたって行われますが、注目の1日目は全米に放送されます。最近では日本でも1日目を中継してくれるので、NFLファンにとってはたまらない1日です。

しかもNFLのドラフトが注目をあつめるのは、当日だけではありません。ドラフト会議の前に全米から優秀な選手を集めてスカウトコンバインを行い、各指名候補選手のフィジカルテストを行うのです。その種目は40ヤードダッシュから垂直跳び、ウイングスパン(両手を広げた長さ)から手のひらのサイズまで計測されます。そのデータでまた、学生たちは再評価されてドラフトに臨むのです。

大学アメフトはNFLと同等に近い人気を博しており、そのスター選手が指名されるドラフトはいろいろな角度から楽しめます。応援している大学のスター選手がどの順位でどのチームに行くのか、応援しているNFLのチームはどの選手を指名するのか。

そしてスター選手を指名するためのドラフト指名権は、他のドラフト指名権や選手とトレードされます。これはドラフト会議中に成立しますので、ドラフト会議自体は緊張に満ちたものになります。

ここまでショウアップされるドラフト会議は他には無いのではないでしょうか。アメリカのスポーツをビジネスにする感覚は素晴らしいの一言につきると思います。

すべてをビジネスに結びつけるNFL

アメリカのスポーツビジネスの奥深さを見せつけるNFLは、まだまだ成長を続けています。選手のオフやHCの去就などもファンからは興味の的で、日本ではあり得ないことです。スポーツはファンあってのもので、ファンなしには成立しないビジネスであることをチームオーナーから選手まで、十分に理解しています。日本のプロ野球にもファンを大切にする気運は盛り上がってきましたが、まだまだ理解の足りないスター選手も存在することは事実です。

プロ野球球団が親会社の持ち物であるという感覚から、抜け出さないことには日本のプロ野球の発展はないのではと危惧します。

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