ラストドライブまで勝敗の行方がわからず、久しぶりに最後まで目を離せない試合となりました。結局25対20で敗れてしまい、2勝7敗とプレイオフは、ほぼ絶望的となりました。長期契約を結んでいると思われるHCジョシュ・マクダニエルは、中心選手のIRリスト入りや主力選手の放出などを続けており、今シーズンについては我武者羅に勝ちに行く姿勢ではないように見えます。
1 | 2 | 3 | 4 | OT | ||
Colts | 7 | 6 | 6 | 6 | 0 | 25 |
Raiders | 0 | 7 | 7 | 6 | 0 | 20 |
Colts | Raiders | |
415 | Total Yards | 309 |
4 | Total Penalties | 10 |
25 | Penalty Yards | 74 |
29:01 | Time of Possession | 30:59 |
WRハンター・レンフローとTEダレン・ウォーラーのIR入り
今年度に大型の契約延長をした、オールプロ級の二人のレシーバーがIR入をしました。二人とも今シーズンは怪我に悩まされ、昨シーズン1000ヤードを超えたWRレンフローはここまで192ヤード、TEダレン・ウォーラーは昨シーズンに引き続き不調で、175ヤードにとどまっています。両プレイヤー共に体調さえ十分であれば、実力は証明されており、大事をとったところは評価して良いのではないかと思われます。これで少なくとも4週間は出場できず、戻ってこれてもシーズン終盤となり、現状を考えると復帰可能な時は無理する必要がない位置に、チームが置かれている可能性が強いと思います。
SSジョナサン・エイブラムのリリース
ドラフト一巡で指名されながら期待通りの働きができなかったSSエイブラムが、リリースされました。トレードを仕掛けたようですが、まとまらずリリースとなったとの事です。早速パッカーズがクレームしたようですので、チームによってはSSエイブラムの力を活かすことが出来るのかもしれません。前線への上がりのスピードが特徴的な選手でしたが、勢いが付きすぎてタックルを外される事が多かったような気がします。パス全盛のNFLでパスカバーが最後まで上達しなかったのが、とても残念でした。
前体制のGMメイヨックとHCグルーデンが指名した1巡指名した選手は6人いますが、今もチームに残っているのはRBジョシュ・ジェイコブズとDEコリン・ファレルだけとなりました。RBジェイコブズは期待通りの働きといえますが、その他の5人は力を発揮できず、前体制のドラフト戦略は失敗に終わったと言わざるをえないでしょう。
ドロップバック・パサー対決はQBマット・ライアンに軍配
両チームのQBは、ともに機動力に欠けるドロップバックパサーで、一昔前のエリートQBのタイプと言えるかもしれません。QBマット・ライアンはスーパー制覇まであと少しのところまでだったことを考えると、QBカーよりも格上と考えてもいいのではないでしょうか。ファルコンズがQBライアンを放出したことには、とても驚きました。引退までフランチャイズQBとしてファルコンズに在籍するものと思っていましたが、NFLは新しい時代になった証左でしょう。若いエリートQBは例外なく機動力を有しており、QBライアンやQBカーは時代遅れになってしまったのかもしれません。
Player | CP/ATT | YDS | TD | INT | SACKS | QBR |
Matt Ryan | 21/28 | 222 | 1 | 0 | 1-14 | 109.5 |
D.Carr | 24/38 | 248 | 2 | 0 | 2-16 | 99.5 |
今日の試合を決めたのは、QBライアンの39ヤードのスクランブルだったと思います。それまで両QBは全く走ることがなかっただけに、勝負どころでまさかのテイクオフをしたQBライアンの判断の良さが光りました。
QBカーのランは今シーズン15回67ヤードととても少なく、相手ディフェンスは守りやすいQBと言えるでしょう。怪我のリスクがあるために自重しているのだと思いますが、あまりにも少ないと思います。
HCマクダニエルの視線
現状を鑑みるに、HCマクダニエルが今シーズンのレイダースのHCを受ける際に、オーナーのマーク・ディビスと今シーズンについては再建のために勝敗を問わないと合意されているのではないかと推測できます。新体制になる時にQBをどうするかは、とても大切な問題です。しかし2022年のドラフトでは、1巡指名相当の実力を持つQBが見当たらず、選択肢がなかったと思います。QBカーでスーパーボウルで勝てるかどうかは、常に議論されてきている問題で、オーナーとHCの間で結論は出ているのかもしれません。今年のオフにはQBジャマール・ジャクソンがFAになる可能性が有り、ドラフトでも有望なプロスペクトが二人いると思います。タンキングとまでは言いませんが、レンフローとウォーラーのIR入りなどを考慮すると、オーナーとHCは来シーズンに向けて動き出しているのではないでしょうか。
新しい戦力の発掘
怪我人や引退、トレードなどで、極端にディフェンスは人材が不足しています。もしかしたら来シーズンに向けて、有望な新人を試しているのかもしれません。
今日はルーキーCBサム・ウェッブがとても良い働きをしていました。パスカバーは破綻なく、ファンブルフォースも心掛けているようです。
LBのルーク・マスターソンもルーキーでありながら、とても良い活躍でした。SSエイブラムの放出が、ある程度の新戦力の台頭を見越しているのならば、良い仕事が今の首脳陣は出来ているのかもしれません。今の状況は決して良いとは思えませんが、来シーズンに向けて長期目線でチーム強化ができるのであれば、ファンとしては今の体勢を支持したいと思います。