GMとHCが交代し注目されていたQBデレク・カーの契約延長が、確定しました。これでレイダースは課題となっていたQBがカーに決定し、来季へのチームの骨格がほぼ固まったといえます。
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年平均4050万ドルとなる契約は、平均年俸ではNFLで5番目に大きな契約になります。あまりに大きな契約で少し驚きましたが、レイダースからの評価は高かったということでしょう。
Year | Age | Base Salary | Prorated Bonus | Workout Bonus | Guaranteed Salary | Cap Number | Cap % |
2022 | 31 | $17,377,519 | $1,875,000 | $100,000 | $17,377,519 | $19,352,519 | 9.3% |
2023 | 32 | $32,900,000 | $1,875,000 | $100,000 | $0 | $34,875,000 | 15.5% |
2024 | 33 | $41,900,000 | $1,875,000 | $100,000 | $0 | $43,875,000 | 17.1% |
2025 | 34 | $41,200,000 | $1,875,000 | $100,000 | $0 | $43,175,000 | — |
Total | $133,377,519 | $7,500,000 | $400,000 | $17,377,519 | $141,277,519 |
エリートQBとしての評価は妥当か?
1 | Aaron Rodgers | 50,217,667 |
2 | Deshaun Watson | 46,000,000 |
3 | Patrick Mahomes | 45,000,000 |
4 | Josh Allen | 43,005,667 |
5 | Derek Car | 40,500,000 |
上位4人は紛れもないエリートQBと言えます。アーロン・ロジャースは間違いなく現役最高のQBです。デショーン・ワトソンはいろいろとトラブルを抱えましたが、フルに出場した3年間全てでプロボウルに選出された実績を誇っています。パトリック・マホームズとジョシュ・アレンは若手ではありながら、既にプレーオフでの実績も十分で今後怪我さえなければ、毎年プレーオフにチームを導くのではないでしょうか。
そんな中でデレク・カーの契約は、破格の契約だと思います。8年間のキャリアの中でカーがプレーオフでプレーしたのはたった1回で、その1回はベンガルズに負けてしまいました。またカーは57勝70敗と通算で負け越しているQBです。レイダースのチーム力が無かったことが大きな原因だと思いますが、上位のQBとは実績が違いすぎると思います。同地区に強豪チームがいるとはいえ、地区優勝が1度もないQBには、破格の評価ではないでしょうか。
ノートレードクローズの存在
この契約ではノートレードクローズも、含まれていると報道されています。少なくとも2025年まではカーは、レイダースでプレーすることになります。この件については批判もかなりあるようです。カーは以前からレイダース以外では、プレーしないとコメントしています。今回の契約によってそれが保証された形になったのですが、通常は結果を出していないQBの契約に与えられる特権ではないと思います。しかも今回は、チームの編成を握るGMとHCが交代したにも関わらず、この大型契約を締結しました。外部からしか見ていない実績の伴わないQBに対して、この様な破格の待遇は危険もはらんでいるのではないでしょうか。もしカーが機能しなければ、GMとHCの責任問題に発展する可能性があり、大きなリスクを取ったことになるといえます。
マシュー・スッタフォードの成功
昨年ラムズは、実力がありながらライオンズで苦しんでいたQBスタッフォードを、大型トレードで獲得し、見事ルーパーボウルを制覇しました。昨年締結されたスタッフォードの平均年俸は、4000万ドルで現在6位の契約です。ドラフトで有望選手が少ないとされる今年のオフで、レイダースがスタッフォードとカーを重ねて見たことは、十分に考えられます。
カーのパフォーマンス
Passing | ||||||||
Year | Game Played | Comp/Att | Pct | Yard | TD | INT | Sacked | Rating |
2014 | 16 | 348/599 | 58.10% | 3270 | 21 | 12 | 24 | 76.6 |
2015 | 16 | 350/573 | 61.10% | 3987 | 32 | 13 | 31 | 91.1 |
2016 | 15 | 357/560 | 63.80% | 3937 | 28 | 6 | 16 | 96.7 |
2017 | 15 | 304/487 | 62.40% | 3253 | 21 | 12 | 18 | 86 |
2018 | 16 | 381/553 | 68.90% | 4049 | 19 | 10 | 51 | 93.9 |
2019 | 16 | 361/513 | 70.40% | 4054 | 21 | 8 | 29 | 100.8 |
2020 | 16 | 348/517 | 67.30% | 4103 | 27 | 9 | 26 | 101.4 |
2021 | 17 | 428/626 | 68.40% | 4804 | 23 | 14 | 40 | 94 |
カーは昨年、キャリアハイの成績を収めました。40回もサックされながら4804ヤードを投げきったことは評価されてしかるべきと思います。まだ31歳でありポケットパサーとしては、これからまだ成長できるかもしれません。長年課題となっていたWRが、ダバンテ・アダムスで解決できたとしたならば、今年はキャリハイの更新さえ期待できるところです。しかし今年は、勝たなければなりません。強豪チームの犇めくAFC西で優勝はできなくても、少なくともチャンピオンシップには進まなくては、評価されないのではないでしょうか。
カーのリーダーシップ
9年目となる今年は、名実ともにチームのリーダーです。これだけの大型契約を締結したのですから、その責任は自らのプレーだけでは無いでしょう。カーにリーダーとしての資質を認めたからこその、この契約だったと思います。
カーは彼の契約締結が、LBチャンドラー・ジョーンズやWRダバンテ・アダムスの契約を可能にしたとコメントしています。また、WRハンタ・レンフロー、TEフォスター・マロー、TEダレン・ウォラーも残れることになることを希望しているともコメントしていますが、本当にそうなるかどうかは疑問が残ると思います。しかし、ギャランティーサラリーが24.9MMと少ないことは、カーのチームを思う気持ちの現れかもしれません。
リスクの大きい今回の契約ですが、GMジグラーとHCマクダニエルの慧眼を信じて応援したいと思います。長年応援してきたカーがここで飛躍できるとすれば、それはレイダースファンにとっては、一番喜べる形であると思います。