松山で巨人がヤクルトに13対3で大惨敗した。中断前にヤクルトには6対14、7対11で大量失点を続けており、ヤクルトベンチがお祭り騒ぎになってしまった。今日はいつも堅守を誇る内野陣が土の球場に適応できなかった。6回に坂本勇人選手、岡本和真選手、吉川尚輝選手らの送球が不安定になり、9失点の原因となってしまった。
ベンチの責任が大きい
高速インターネット(Wi-Fi付き)+専門チャンネル月額1,750円〜【J:COM(ジェイコム)】6回は巨人投手陣にとっては、辛い展開となってしまった。3選手の不安定な送球に原因が有るのは当然だが、この日の松山坊っちゃん球場はグラウンドコンディションが良くなかったようだ。西日本が大雨に見舞われる中で、松山の野球ファンの祈りが通じたかのように、試合は行われることができた。しかしグラウンド整備には限界があり、回を重ねるごとに状態は悪化していた。6回の表にはショートの守備位置でエラーが発生しており、裏の坂本選手の捕球の際も微妙にイレギュラーしていたようだ。坂本選手は送球の際に上手く握れなかったようで、故意にワンバウンド送球をしたように見えた。しかし土のグラウンドは東京ドームの人工芝と違って不規則なバウンドをする事がある。特に昨日は天候の関係から地盤が緩んでおり、強く投げたワンバウンドが少し変化したのかもしれない。岡本選手も素晴らしい捕球で、本塁と二塁を判断良く諦めて一塁へワンバウンド送球をした。これも高く暴投することを回避して、ワンバウンドの送球を選んだのは正解だったと思う。
しかしファーストは本職ではない北村拓己選手だった。直前の代打で中島選手と交代していたのだが、解説の高木豊さんも指摘していた通り、少し不慣れな面が露呈してしまった。中日の最終戦で川相昌弘さんがビシエドの守備を解説する時に、内野手の送球の負担について言及していたが、一塁守備を軽視したために起こってしまったのが隠れた要因だと思う。むしろリスクを承知で投げた坂本選手よりも、ベンチの判断が甘かったのではないかと思う。広いグラウンドでの左翼手ウィラーは危険なので、ウィラー一塁、左翼に若林晃弘選手が正解だったのではないかと思う。特に今日の土のグラウンドでは、守備が安定しないリスクは大きく、首脳陣の判断ミスなのではないか。
このあたり内野守備コーチやヘッドコーチは、原監督に助言できていたのだろうか?
マシンガン継投の限界
今日は救援陣も崩壊してしまった。
4回からお得意のマシンガン継投に入ったが、6回の守乱に耐えられなかった。鍵谷陽平投手や大江竜聖投手は1~2人の救援が続いており、1回を投げきる事がなかなかできない。大江投手は降板の際に原監督から直接交代を告げられていたが、これ以上打たれることのダメージを原監督は気にしたのかもしれない。大江投手は極端な変則フォームなので、球数が増えると極端に球威が落ちるのかもしれず、気の毒だった。ベンチは敗色濃厚な流れの中で、勝ちパターンのリリーバーを温存したいがために、傷口を広げたわけだ。先発投手を早くから下ろすことを続けて、ブルペンに負担をかけたことが今日の大敗の遠因だと思う。畠世周投手や今村信貴投手は、毎回無失点を求めるのは難しいレベルの投手で、これだけ投手をつぎ込めば、調子の悪い投手は当然出てくる。特に勝ちパターンに入れない投手は、それだけの実力しか無いので、過度の期待は無理があると思う。
先発が戸郷投手や高橋投手の場合は、ある程度ゲームを任せてあげる事、そしてその責任を持って先発マウンドに上がることをさせなければ、彼等の成長はない。
今のようなマシンガン継投を続ければ、来年はもっと苦しくなる。
原政権の後
来年もしくはその後に原政権が終わった時は、ベンチは綱渡りを的確にできる指揮官でなければならなくなる。シーズンが始まる前に原監督は、交代メンバー少なく9回を終えたいとコメントしていた。原監督も十分に課題は理解しているのだろう。しかし阪神にリードを許している段階で、その方針は変更せざるを得なくなってしまった。
今年の新人は誰一人戦力になっていない。野手も目新しい顔はいない。一軍半の選手やレギュラーになりきれない選手を、活性化して使うのは大切だ。
しかし高橋由伸監督が退任してから3年、本当のレギュラーに新しくなった選手はいない。
原監督の後は、また泥を被ることになるのではないか。
敗戦の中でキラリと光ったようにみえた岸田行倫捕手
敗戦濃厚な中で岸田選手は、小林誠司捕手や大城卓三捕手にはみられないリードをした。
大量失点の中で村上宗隆選手に、5球連続でインコースにストレートを投げさせてフォアボールを出した。こういった徹底したリードは岸田選手が1軍での経験を積んで、肝が座ってきたことの証だと思う。今後の岸田捕手の起用方法に注目したい。
1球もスイングしなかった村上選手は更に流石です。