2024年ペナント最終盤 これから打線が投手を助けるチームが勝つ

カープ、ジャイアンツ、タイガースが優勝を争う事になり、残り試合も30を切って、各チームラストスパートの様相を呈してきました。ここまでリリーフの3連投や先発投手陣の中5日等を避けてきた各チームが、3連投解禁や中4日のローテーションを公言するようになりました。しかし、投手陣にシーズンの疲れは見え隠れしており、短期決戦というには20試合以上は長すぎます。

特にジャイアンツの阿部慎之助監督は、意気込みが凄いようですが、まだまだラストスパートには早いかもしれません。新監督であり2年連続Bクラスという事態で、焦る気持ちは当然だと思われますが、投手陣にばかり負担をかけるような発言は、ここまで頑張ってた投手陣をかえって追い詰めることにならないか心配です。

ここからは打線が打ち勝つチームが勝つ

投手陣が負担を被るばかりではなく、ここからは疲れ気味の投手陣を助けるゲームをどれだけ作れるかが、結局最後は優勝できるのではないかと思います。

特にロースコアゲームが多い今年は、先発投手や勝ちパターンの投手に精神的負担が強いゲームが序盤から多すぎました。阿部監督が言う3連投や中4日は、打線の援護がなければ玉砕するだけでしょう。阿部監督は打撃は難しいと良くコメントしますが、今までのジャイアンツの打撃陣は弱すぎます。特に勝ちゲームに楽勝のゲームが少なく、守り勝つ野球にも限界があります。ロースコアゲームは勝ち続ければ、勝ちパターンのリリーフ陣が持ちません。セ・リーグの各チームが抜け出せないのは、楽勝のゲームを作れないので、連勝が伸びないという状況が続いていると考えます。

例えば菅野智之投手が登板しているときは、小林誠司捕手が起用されていますが、これからは岸田行倫捕手を使うなどしないとリリーフ陣の負担が減りません。門脇誠選手、小林誠司捕手、菅野智之投手の下位打線はあまりにも弱すぎます。例えば日本シリーズでソフトバンクと対戦した時に、今のジャイアンツ打線では、1~6番だけでは相手投手が楽をするだけで、7試合の間に攻略できる可能性が極めて低くなると考えます。ここまでスガコバと称えられてきたコンビですが、ラストスパートを投手陣に求めるのと同時に、打線にも強力なテコ入れが必要なのではないでしょうか。捕手に頼る必要が、今の菅野投手に必要であるとは思えません。チーム全体の負担を考えて起用してほしいと思います。(寧ろ力の劣る投手にこそ、小林捕手が必要なのではないでしょうか?)

打ち勝つ試合を作れ

相手先発投手の力量で、打ち勝つ試合を明確に作る必要があると思います。早めに攻略して勝ちパターン以外の投手を引きずり出せば、大差の勝ちゲームに持っていけると思います。そういった試合勘なく、何でも接戦に持ち込んで勝とうとしているようでは、連勝ができません。逆に言えば勝ちパターンのリリーフ陣を使って競り負ける試合を避けていかなければ、いつまで経っても抜け出せないと思います。特に下位チームは先発投手に強弱があるので、そんな投手相手に打てない野手を使って接戦を繰り広げるのは、長い目で見ると投手陣の負担が増えるばかりだと思います。

ジャイアンツは打線の奮起が必要

優勝するチームの打線としては、あまりにも打線が弱すぎます。この状況で優勝しても、打者からのMVP候補が一人もいないのは寂しい限りです。特に上位を任されている打撃重視のポジションの選手が全く目立っていないのは、優勝を逃せば戦犯扱いになりかねません。データで見ても得点圏の打率が通常の打率よりも高い選手が、レギュラークラスでは岡本和真選手だけであり、それも得点圏打率.264で通常の打率が.263という状況です。簡単に言うと勝負弱すぎます。タイガースの選手は殆どの選手が得点圏の打率のほうが上回っており、チーム打率もジャイアンツだけが得点圏打率のほうが低く、勝負弱い打線になってしまっているのは、優勝できるチームの状況とは思えません。

打率得点圏打率
広島237242
阪神239277
巨人242236

投手陣に頼るな、打線で勝て

ハッパをかけるのは投手陣にではなく、打者陣であるはずなのに、阿部監督のそういった発言は報道されません。このあたりは何に配慮しているのかはわかりませんが、ハッパをかけられないほど精神的に弱いのであれば、そんな打線のチームはまたソフトバンクに4連敗を喰らいかねません。先を見据えた時に、ここで打線が爆発しなければ、来年も弱いままでしょう。

最後の20試合ぐらいはチャンスに強い、勝負強い打線になって成長してもらいたいと思います。そのためには個人個人が気持ちを入れ替えて食らいついていく必要があるでしょう。なんとかしようという気持ちが見えず、あっさりと凡退して天を見上げている選手がいつまでも打線の中心にいるのであれば、残り20試合を投手陣の力だけでは勝てないでしょう。恥も外聞もなく、たとえ4番バッターでも泥臭く、食らいつく気持ちの打撃を、ここからのすべての打席で見せてほしいと思います。

その気持がなければ、たとえペナントを制しても日本シリーズで惨敗の悪夢がまっていると思ってしまうのです。

逆境に強い選手は今のジャイアンツにはまだ現れていません。

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