巨人の捕手論争 大城卓三捕手が批判にさらされる 配球に問題?

ジャイアンツの捕手が3人交代制になっています。昨年は大城捕手が125試合に先発して、完全なレギュラー扱いでした。昨年はWBCにも選出されて、前途洋々に開けたかに見えたのですが、今年阿部監督になって、先発出場が激減しています。

今年は27試合で、大城捕手14,小林誠司捕手8,岸田行倫捕手5と半数を大城捕手が先発していますが、直近の15試合では小林捕手6,岸田捕手5,大城捕手4ともはやレギュラーの扱いは受けていません。よく配球で大城捕手は批判にさらされますが、果たしてどうなんでしょうか?(4月29日現在)

配球とリードは違う

良く言われるのは、”配球が偏りすぎ”、”リードが単調”、”外角一辺倒”などと言う批判ですが、私は配球は結果論という意見を支持します。その時の投手の調子や打者の狙いなど、キャッチャーにしかわからない情報があり、一番近くで打者を見ていて実際に投手のボールを受けているキャッチャーの情報量は圧倒的に多いと思います。従って配球だけを見て捕手を批判することはできないと考えます。特に投手はサインに首をふることもできるので、配球でキャッチャーを批判するのは筋違いだと思います。

ただ、リードとなると話は別になります。これは投手を引っ張る姿勢であったり、チーム全体を見る眼であったりするので、ベンチから見ている阿部監督にもよく分かるのでしょう。そういった姿勢には人間性が出るので、言ってもなかなか治るものではないかもしれません。

一般社会でも組織をリードできる人は限られていますし、ある程度経験も必要になると思います。そしてレベルが高い組織になるほど、リーダーに要求されるものは、質量ともに多くなっていくのは当然のことでしょう。

大城捕手への阿部監督の要求

大城捕手は12球団で随一の”打てる捕手”です。小林捕手や岸田捕手では到達できないレベルの捕手になれる存在です。NPB通算本塁打406本で、歴代18位(捕手では2位)の阿部監督からすれば、捕手が打てることの貴重さを理解しており、期待していることは間違いないでしょう。打てる捕手がリーダーとしてチームを支えてくれれば、常に優勝を狙えるチームになることは、今阿部監督が痛切に感じていることではないでしょうか。

ただ、阿部監督の選手としての経験、さらに指導者としての経験、そして監督としての目線は、大城捕手には足りないもので、阿部監督に見えているものが大城捕手に見えないのは必然のことでしょう。期待が大きいあまりに厳しい要求になるのは、当然のことです。問題は大城捕手のもっているリーダーとしての素養や性格が、阿部監督の要求に答えられるものかどうかということでしょう。

原監督から阿部監督への交代

原監督も大城捕手に満足していたとは思えませんが、125試合に先発させたということは、実力を認めてのことだと思います。大城捕手の経験と年齢、性格を考慮して要求レベルを決めていたと思います。ただ、上司が変われば求められるものが変わり、評価が変わり、扱いが変わるのは必然です。特に阿部監督の場合は捕手出身でもあり、阿部監督よりも経験値の高い捕手経験者はジャイアンツにはいません。当然求めるものが高度になり、部下は要求に答えなければなりません。最近の大城捕手の起用や大城捕手に対するコメントを見ていると、大城捕手にレベルの高い捕手になってほしいという願いがあるように見えます。大城捕手を選手会長にしたところから、阿部監督は大城捕手にリーダーとして成長してもらいたいという意図がみえていました。しかし、阿部監督の気持ちが伝わっていないのか理解されていないのか、大城捕手の反応が良くないので、最近の起用法になり、”小林捕手や岸田捕手の振る舞いを勉強してほしい”という、ある意味屈辱的なコメントにつながってしまったのだと思います。

キャッチャーはリーダーに成れなければいけない

阿部監督の思いは大城捕手に伝わっているのでしょうか。我々ファンにはどこまで細かいところまで要求があるのか見えません。ただ大城捕手は闘志溢れるタイプではなく、チームをグイグイ引っ張っているようには見えませんし、常に冷静沈着で隅々まで眼が行き届いて、チームに細かい指示を出しているようにも見えません。

そういった目に見えなかったり、数字に現れなかったりするものが組織のリーダーには必ず必要になり、そうした事が窮地に陥ったチームを牽引する事になります。

キャッチャーというグランド上の監督に、経験者である阿部監督が求めるのは原監督よりも高度になるのは当然でしょう。

大城捕手がもうワンランク成長できるか

WBCに呼ばれ、ベストナインにも選ばれた大城捕手にはプライドも芽生えているでしょう。31歳という年齢は若手ではなく、経験もある程度積んだ中で、現在の起用法は辛いものかもしれません。ただここまで実績のある攻撃型の大城捕手を、もうワンランク上の捕手になるべく指導できるのは、攻撃型捕手のレジェンドである阿部監督以外にはできないと思います。言い方を変えれば、阿部監督しか大城捕手を引き上げられる指導者はいないということになります。ここは、大城捕手が自分の殻を破ってリーダーとしてチームを引っ張っていけるようになる分岐点だと思います。

ポメ
ポメ

頑張れ大城卓三捕手!

タイトルとURLをコピーしました