緊急事態 巨人の連敗が止まらず バルドナード、西舘勇陽が打たれる

ジャイアンツが今年強みとしていた投手陣に、陰りが出てきました。大勢投手が離脱している中でクローザーとしてチームを支えてきたバルドナード投手が、サヨナラ負けを喫してしまいました。これは単なる1敗ではなく、今後のチームの状態を大きく左右する1敗だと思います。

バルドナード投手のコントロール

今までほぼ完璧に抑えてきたバルドナード投手が、完膚なきまでにやられてしまいました。コントロールミスで一発を浴びたと言うならば、ある程度は仕方がないかもしれません。しかし11日のやられ方は、かなりダメージが残るやられ方だと思います。

フォアボールを連発していく中で、コントロールがどんどん乱れていってしまったのは、クローザーとしての経験の少なさが原因の一つとしてあるかもしれません。

しかし11日の投球を見ていると、リズムを崩して最後はストライクが入らなくなってしまいました。フォアボールを出していく苦しい投球の中で、スライダーを投げるのが怖くなり、チェンジアップも安定せず、最後はストレートしか投げられなくなってしまいました。岸田行倫捕手は再三にわたり変化球のサインを出していたとは思いますが、投手が自信をなくして首を振ってしまえば、捕手は変化球を投げさせることができません。最後は楽天の打者たちもストレート一本に絞っていたので、抑えることは無理だったでしょう。小深田大翔選手が高目の大ボールを振ったのは、ストレートをイチニのサンで振ったからではないでしょうか。

バルドナード投手の疲れ

夏場を迎えて、少し太めのバルドナード投手は疲れが出てきているのかもしれません。11日も39球を投げましたが、最後は体力的にもギリギリで、巨体を支えられない状態だったのかもしれません。もし疲れが原因だとすれば、春先の状態に戻すには時間がかかるかもしれません。そのあたりを早期に見極めなければ、いたずらに失敗を重ねてしまうことになるでしょう。代替の投手がいれば良いのですが、第1候補の西舘勇陽投手も8回に打ち込まれてしまいましたので、阿部監督も頭が痛いと思います。

阿部監督の判断

阿部監督は満塁になった時点で負けを覚悟したと思います。あの場面でバルドナード投手をおろしたところで、代わりに頼りになる投手はいませんでした。であれば、代わりに出ていく投手は嫌な思いをするだけで、自信を失いかねません。回の頭から力は出せても、あの大ピンチの異様な雰囲気の中で、抑えられる投手は今のジャイアンツの中にはいないと思います。あの試合をバルドナード投手に任せて悪い結果を出させたのは、正解だと思います。

岸田捕手のリード

フォアボールを連発する中で、どんどん投げる球がなくなってしまったのは、リードにも問題があったと思います。スライダーがコントロールできない中でも、投げさせることによって感覚を取り戻させることが必要だったと思います。角度のあるストレートが武器ではありますが、そのストレートだけでは抑えられないことは、わかっていたはずですしサヨナラ負けでそれを確認してしまいました。本人が嫌がったとしても、使える球を確保していかなければいけなかったと思います。

円陣の後バルドナード投手が坂本勇人選手に何やら話しかけていたのも気になります。もしかしたら、牽制球でスライダーを投げるので予期してほしいと言いたかったのかもしれません。坂本選手とバルドナード投手との間でコミュニケーションが取れたのかは不明ですが、一塁への牽制球で変化球の感覚を取り戻すのは、有効だったのではないでしょうか。このあたりの気遣いが、杉内俊哉投手コーチや岸田捕手、岡本和真選手あたりにあれば、僅かに勝利の可能性があったかもしれないと思いました。もっと言ってしまえば、何らかの理由でタイムを取ってベンチに戻った間に、バルドナード投手に変化球の感覚を取り戻す機会を作っても良かったのではないかと思います。

抑えは菅野智之投手しかいない

シーズン前からの個人的な意見ですが、大勢投手が離脱したので菅野投手しかクローザーが務まる投手はいないと思います。今のジャイアンツには6回を3点以内で組み立てられる先発投手は頭数が揃っていると思います。菅野投手は先発として好調ですが、勝てるのは週に1回だけです。今のジャイアンツに必要なのは、間違いなくクローザーです。

阿部監督もこのことはわかっているはずで、先発で結果を出し続ける菅野投手を配置転換するのは人間関係の中で難しいでしょう。しかし、バルドナード投手を最後まで投げ指したことは、見切りをつけるためという見方もできると思います。

クローザーを育てる

本来であればストレートと落ち球を決め球にできるクローザーが望ましいのですが、ジャイアンツにはいません。ファームを見渡してもその様な投球をしている投手は目立ちません。チームとしてリリバーが育たないのは、そのあたりにも問題があるのではないでしょうか。

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