ジャイアンツの若手育成の鍵を握るのは原監督ではなく、大城卓三捕手

ジャイアンツは2023年交流戦に入っても、浮上の兆しは見えません。

弱点であるリリーフ陣は、改善の兆しが見られずに、相変わらず終盤に競り負けてしまいます。しかし、最近は負けても納得できることが多くなりました。

これは多くのジャイアンツファンが思っていることではないでしょうか。

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若手野手の活躍が嬉しいジャイアンツファン

若者の台頭は何時どんなときでも、嬉しいものです。

一般社会でも組織の中に期待できる新人が加入した時は、組織全体が活気づきます。

2年目の社員は後輩ができて自覚が生まれ、競争意識が働きます。

女性社員はおじさんが増えるよりも、若い社員のほうが・・・というのがマジョリティーでしょう。

管理職にとっても嬉しい限りです。戦力として計算に入れていなかった新人が活躍することで、組織の総合力は上がり、周りの社員も活性化されます。

新入社員を5年取れない組織は、5年も下働きが続く5年前の新入社員が、そろそろやる気を失ってしまうかもしれません。

優秀なベテランだけを揃えていても、組織は成長せず、活力はなくなっていきます。企業の強みの一つは人事異動による、組織の活性化にあると私は経験から確信しています。

このことはそのまま野球チームにも当てはまると思います。

若手の台頭で成長する岡本和真選手

今年からキャプテンになり、WBCでの優勝を経験して好調を続けている岡本選手ですが、それだけが原因ではないと思っています。

確かにWBCで大谷翔平選手をはじめとする超一流選手と、1ヶ月をともに過ごしたことは、大きな刺激になったと思います。しかし、それ以上に岡本選手を刺激したのは、今年活躍する年下の選手のおかげだと思います。昨年までは4番に座っていても、一番年下で、なんとなく遠慮がちな雰囲気が漂っていましたが、今年は変わってきたと思います。

秋広優人選手が大きな刺激に

ジャイアンツファンを歓喜させている秋広選手が、岡本選手に与えている影響は大きいのではないでしょうか。3年目20歳で3番を打つ秋広選手は、4年目で開花した岡本選手よりも早い一軍定着です。得点圏打率も高く、落ち着いた姿やしっかりした受け答えは岡本選手にも良い意味の刺激になっただろうことは、容易に推測できます。

なんとなく先輩たちに囲まれて遠慮がちだった岡本選手のチーム内での立ち位置が、変わったことは間違いないでしょう。

三塁守備で魅せる門脇誠選手

門脇選手も岡本選手を成長させた若手野手でしょう。

中田翔選手の離脱に際して、原監督が取ったフォーメーションは、ファースト岡本・サード門脇でした。これは前年サードでゴールデングラブ賞を受賞した岡本選手には、ショックだったと思います。そして期待に応えた門脇選手は、サードでスーパープレイを連発しています。原監督も絶賛する守備は、直接にはコメントしなくても、門脇選手の守備力が岡本選手を上回っていることを示唆しています。

サードでの前後左右の動きや、原監督の言うところの”類まれなるスローイング”は、岡本選手を刺激したことは間違いないことでしょう。

村上宗隆選手より優れている評価のサード守備が、新人選手よりも劣っているという現在地は、岡本選手の認識を新たにして、活力となっていることは推測できます。

若手の台頭を支える新時代の捕手大城卓三選手

今年秋広優人選手を起用できたのも、門脇選手を守備の人として起用し続けることができるのも、打てるキャッチャーの大城捕手が5番に座っているからだと思います。特にDHの無いセ・リーグではキャッチャーが打てなければ、もう一人守備の人を打線に組み入れることはとても難しくなります。7番から始まるイニングは、ほとんど得点を期待できなくなってしまい、相手投手を休ませてしまいます。

坂本勇人選手の一年目の起用も、阿部慎之助捕手が存在したから実現できたと言えるのではと推測します。坂本選手が1軍で起用され始めた2008年に、阿部捕手は打率.271本塁打24本を記録しています。これだけ打てる捕手がいれば、若手野手の起用はハードルが低くなります。

今年の大城捕手のここまでの打撃は素晴らしいものがあり、現在は5番を任されています。いまやオリックスの森友哉捕手とともに、球界を代表する攻撃型の捕手になりました。

ピッチコムの導入でキャッチャーの概念が変わる

ピッチクロックは日本にも必ず導入されるでしょう。

上原浩治さんのYou Tubeで阿部ヘッドがコメントしている通り、配球は投手がそれぞれ考えるようになるでしょう。キャッチャーのサインに首を振っている時間がなくなるからです。動画中で阿部ヘッドは、”今から自分で配球できるようになりなさい”と、投手陣には指示を既に出しています。

上原浩治さんと阿部ヘッドの動画はこちら

そうなった時にキャッチャーの役割は大きく変わります。後にそらさず盗塁を刺すことと、打つことが求められるようになります。守備型のキャッチャーは、近い将来に絶滅するでしょう。そして走力を必要としないポジションであるキャッチャーには、長打力を求められるようになると推測できます。

まさに今の大城捕手ではないでしょうか。

今年打撃が開眼した大城捕手は、長くジャイアンツのホームベースを守り、新人の成長と台頭を促す貴重な存在になると思います。

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